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日々・戯言の叫び

感じた事とか色々、表に出せない事を吐き出す独り善がりで嘘つきな日記

無心になれない

2008-07-16 22:52:22 | オリジナル
余計な事を考えます。いつも、常に!
無心て、どういう状態を言うんですか? 教えて下さい!!
本日はオリジナル。葉月の何かな小話。

一応シリアスな設定はあるんです。
あんまりにアレなので書きませんが(苦笑)。
とくに葉月なんて無敵超人と化してるので、ねぇ……。


なおん…

足元で、弱弱しく鳴いた黒猫。
「鷹野? どうしたの、蒼緋ちゃんに何かあったの!?」
葉月の問いに、鷹野と呼ばれた猫は訴えるように数度鳴く。
「……そう、わかったわ。案内して!」
言うなり走り出した鷹野の後を追う葉月と武人。
武人に猫の言葉はわからないが、それでも親友の様子からしてただ事ではないと判断できる。
走り続けて辿り着くのは、木々の茂る公園。
周囲から視界を遮るような緑が醸し出すのは癒しではなく、不吉な重圧。
葉月は、迷うことなく手に提げていた細長い袋から日本刀を取り出した。
豪奢な細工の施された鞘から抜き放たれる、白銀の刃。
咆哮を放つ虎が掘り込まれたその刀の銘は――白虎。
「はぁ!!」
気迫とともに一閃。
一瞬にして弾け飛ぶ重圧。
武人は、何かが開いたと感じた。
「行くわよ」
抜き身の日本刀を提げたまま、迷う事無く駆け出す葉月。
ここまでくれば鷹野の先導がなくても、葉月には彼女の居場所がわかる。
そもそも公園に張られた結界のせいで、感知できなかっただけなのだ。
真っ直ぐに目指すのは公園の中央、広場として使われている場所。
果たしてそこに、蒼緋はいた。
得体の知れない異形に追い詰められて。
「蒼緋ちゃん!!」
「葉月さん、先輩?!」
悲鳴のように名を呼ぶ葉月、気付いた蒼緋の顔に浮かぶ安堵。
「蒼緋ちゃんに、近付くんじゃないわよー!!」
怒りのままに助走をつけた飛び回し蹴り。
異形の顔らしき部分にヒットしたのか、苦悶の咆哮。
「武人、蒼緋ちゃんを…!」
「了解」
足に力の入らない蒼緋に肩を貸し、立ち上がらせる。
「大丈夫か?」
「はい。ありがとうございます、先輩」
礼を言い、足元から心配そうに見上げる鷹野にも大丈夫だと微笑みかける。
「そんじゃ、守部は俺が連れてく。お前はそっち任せたぞ」
「とーぜんよ!」
ちゃきり、と。白虎を構え、獰猛に笑う。
「おら、行くぜ」
「は、はい! 葉月さん、気をつけて」
「ありがと☆」
武人に連れられその場を後にする蒼緋。さらにその後をついて行く鷹野。
それをいつもの笑顔で見送って――
「さぁて、あたしのお気に入りに手を出したんだから…覚悟できてんでしょうねぇ?」
己を睨みつける異形に向き直り、にたりと哂う。
タン!
一歩、踏み出し。
斬!!
光一閃! 異形の腕は見事な断面を見せて斬りおとされていた。

オオオォォォォォォォォォン!!

悲鳴か苦悶か。
どちらにせよ、異形の五つの目に宿る光は葉月に対する怒りで溢れている。
けれど、それ以上に葉月の方が怒っているのだ。
彼女は、己が気に入っているものに他の誰かが害を加える事を赦さない。
にこりと哂う。
天使のように女神のように。
これ以上ないほどの至高のように。
「言ったでしょ? 覚悟はできてんのかって。ただじゃ済まさないわよ?
殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺す。
そう簡単に死に尽くせると――思うなよ?」
言って浮かべた笑みは深く歪んだものだった。
そして二度、白めく刃が揮われる。

「……あー、あいつ切れてるな、ありゃー」
「あの、どうかしましたか先輩?」
「ん? なんでもねーよ」
「そ、そうですか。葉月さん、大丈夫でしょうか?」
「平気だろ、あいつ強いし。お前は自分の心配してろ。なぁ鷹野」
「にゃおん」
「は、はぁ。ごめんなさい」


真実はとても厄介で。時に闇に葬った方が幸せになれるものなのです!

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