日々・戯言の叫び

感じた事とか色々、表に出せない事を吐き出す独り善がりで嘘つきな日記

久しぶりのカラオケ

2016-08-15 23:00:13 | 小ネタ
声がかれました。
ジュース飲んでも潤わないね! 途中一回カフェモカ飲んだんですけど…あれは駄目だ。あれはいけない。カラオケ中には向いてない。
すげー喉がかすれたんです。やだ、突然!
色々歌ったんですが、自分で入れといてなんですが某どあごんにのって闘うARPG三作目の最後の歌はカラオケに向かないね!
知らない人は調べてみようぜ! 本当に向かないから!!
むしろなんで歌った、私。…好奇心て、誰にでもあるよね!!
本日は某六つ子なあれな。

先日母と出かけたついでにゲームセンターに寄ったんです。
そこで六つ子モチーフのポシェットがクレーンゲームにありました。
アニメ知らない母がこれ可愛い~と言ってましてね。
あのサングラスしてる子の欲しい、と。
青色は既に取られてますよ。

……いや、親子だなぁとか趣味がかぶったなぁとか、別に思いませんよ?
偶々です。


はい、気を取り直して6つ子のあれな。

家を出る話。
全員のモラルが狂ってる話。


比翼は飛び立つ


昭和の風情を色濃く残す一軒家。
二階の自室、窓際にもたれかかりながら上機嫌に鼻歌が飛び出すのはおそ松。
いつもと変わらぬ悪戯っ子の目で同じ部屋にいた弟たちに視線をやった。

「おい、お前ら」

「…何?」

「どうしたの、おそ松兄さん」

「そろそろ準備しろよー」

そう軽い口調でかけられた声に、一松とトド松は一瞬目を見開いて次いでにんまりと唇を歪めた。

「もう、やっとなのー。僕待ちくたびれちゃった」

「ふぅん、どんなトコ? 猫がいるならどこでもいいけど」

「結構広いぜ。六人で充分住める」

「へー、楽しみー。十四松兄さん元気にしてるかな?」

「してるでしょ、十四松なら」

笑いながら自分たちの荷物を纏めだす。
引越しの準備。
近々二十余年住んだ生家から出て行くのだ。
先に細かいものを運んでしまって、大きなものは後。具体的には両親の留守中に。
彼らが二分の一になった瞬間から、これは決定事項。
六つ子は六人揃ってようやく一人。
六人揃ってこそ、彼らの生に意味はある。
一人でも欠ければその時が彼らの死。
六つ子はそう信じている。口には出さない。出す必要も無い、ただの事実。
だからこそ、六つ子を欠けさせるものは許さない。
普段ならば容赦の無い報復を行う所だが、今回ばかりはそうはいかない。
相手は両親だ。
事情がわかっているから、暴力に訴える気はない。
確かに成人男性六人が揃いもそろってニートなら負担になるだろう。
ならば我が子を半分放り出すのは英断かもしれない。
それでも半分と引き離されたのは許せない。おそ松たちは決めたのだ。
家を出よう、と。
自分たち六人で住むための家は用意した。
無職でパチンコや競馬に金をつぎ込むおそ松に何故六人全員が住める家を用意できるのか。
単純に、パトロンが居るのだ。
おそ松には。
いや、彼だけではない。六つ子全員に。
一人一人が複数のパトロンを持っている。
六人纏めてのパトロンはハタ坊のみであるが。
そもそも基本親の小遣いだけ、気が向いた時のみ短期のバイト。たまに大勝ちするギャンブル。それだけなのに彼らはいやに金を持っている。
おそ松のギャンブル代、カラ松のギターやその他私物。チョロ松だってアイドルのグッズをたくさん買い込んでいるし、一松の買い続ける猫缶、いつの間にか新品になっている十四松のユニフォームや野球道具。トド松が身に着けている衣服に小物。流行のそれらは決して安く無い。
買うための金銭は一体どこから湧いているのか?
両親は疑問に思わなかったのだろうか。
一番初めはおそ松だったかカラ松だったか。
とにかく長男と次男の、上二人だった。
高校を卒業して就職もせずその気も無くふらふらしているのに、妙に金回りがいい兄二人を怪しんで残る弟たちは詰問した。
出てきた答えがパトロンだ。
チョロ松は常識人ぶって怒ったがトド松は素直に納得した。
それからすぐに末弟もパトロンが出来たし、一松も作った。本人は猫仲間だと言っているがただの猫好きがトラなどの猛獣をレンタルしてくれるわけが無い。
ちなみに十四松に自分の魅せ方や売り方を教えたのはカラ松で、よさそうなのを紹介したのはトド松だ。
小言を言いながらも結局パトロンを作ったチョロ松は、所詮六つ子である。
彼らがパトロンを持っているということはチビ太やイヤミなど親しい人間なら知っている。
イヤミの、どこに需要があるのか不明な怪しげな仕事は六つ子のパトロン関係から回されるものだし、デカパン博士の研究資金もそこからだ。
普段お目にかかれないような上客がチビ太のおでん屋にやってくるのもやはりおそ松たちの紹介である。
いくら幼馴染といえどツケばかりの六つ子を客として迎える理由はこの辺りにある。
もちろんチビ太のおでんが絶品だというのもあるが。
そのまま常連になるものや、使いを出してわざわざ買いに来るものもいた。
中には『弁えている』店主を気に入り、屋台を少々物騒な話し合いの場にする物好きなんかもいたりする。
六つ子のアイドルトト子ももちろんご存知だ。
知られたときは顔を青ざめさせたが彼女の第一声は、

「トト子にも紹介しろや、ゴラァァァアァ!!」

であった。
軽蔑でも非難でも謗りでもなく、己の欲望に忠実な彼女はだからこそ六つ子のアイドル足りえるのだ。
あの延髄蹴りは効いた。
彼らは自分で気付いたし、六つ子たちも隠しはしなかった。
流石に面と向かって宣言したわけではないけれど。
その程度の常識はなんとか搭載している。
家でも特に隠していたわけではない。ただわざわざするような話ではなかったから、誰もしなかった。
ああ、両親は本当に何も気付いていなかったんだな。
それは我が子を信じていたからか、あるいは曲りなりにも成人男性、信用していたからか。
片付いた部屋の中でちょっとだけおそ松はしんみりする。
ふざけあってつけた柱の傷や、幼い頃の落書き。古い畳の匂い。汚れた天井。窓から見える変わらない景色。
こことはもうお別れか。

「なにしてんの、おそ松にーさーん! 行くよー」

階下から響く弟のやや高い声に、おう!と返す。
からからと古びた戸を閉めて、鍵をポストの中に入れて。
おそ松たちは生まれ育った家を後にした。
両親に対して、ほんの少しだけの申し訳なさを抱えて。

都会とも田舎ともいえない中途半端な町のとある一軒家。
つい先日ソコに越してきたのは顔がそっくりな六人兄弟。
世にも珍しい一卵性六つ子。
カラフルで賑やかな彼らはすぐさま町を騒がせるようになった。


離れ離れなんてナンセンス! 産まれて死ぬまで我らの鎖は解けない!!

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