寒くなるらしいね!くそ!!!
冬だからね。仕方ないね。でも寒いと世界滅べっ!てなる。暑くてもなる。
二次創作よ!
家の前で水道管工事してるので日中騒がしいのよ。たまに家全体ががたがたするし。
まだしばらく続くんだよなー。休めん。
ですまーく。
新作のしにがみが発売遅延で九月になった。悲しい。
ご当主様の体にはたくさん傷跡があるんだよって話。探偵さんはもう麻痺してる。
キズモノサラシ 前
スーパー銭湯。
銭湯だけでなくお食事処やヘアカットやマッサージ。
大なり小なり規模は違うが、よくある複合施設。
ここもそんなスーパー銭湯の一つだった。
出来て間もないゆえに、つるりと作り物じみた清潔さを誇示する内装。
受付を通り過ぎ、奥に伸びた廊下は左右に分かれる。
左が女性、右が男性。
表示に従い進むのは男が二人。
暗緑色のコートを着た若い男が先頭を行き、後に続くのは枯葉色のコート姿の中年男性。眼鏡の奥。双眸が好奇心を宿しきょろきょろと忙しなく動く。
手に揺れるのはこのスーパー銭湯のロゴが浮かぶ透明のバッグ。
中には同じくロゴの入ったバスタオルやフェイスタオルに使い捨てのシャンプーや石鹸。
手ぶらで訪れた客用のレンタルセット。
「はぐれるなよ」
「はぐれるわけないだろ」
真下が振り向きつつにやりと唇を吊り上げ、八敷はややむっとして言い返す。
白い埋め込み式の照明に照らされた清潔感のある通路の奥、男湯と青い暖簾のかかった引き戸を開ければ脱衣所だ。
背の高いロッカーが整然と立ち並ぶ光景に、少しばかり眼鏡の男は圧倒される。
逆に真下は軽く室内を見回すとさっさと奥の方へと歩いていくので、八敷も慌てて背中を追った。
空いている場所を選び、適当なロッカーに手をかける。
「こんな風になってるんだなぁ」
どこか感心したように漏らす八敷に、わざとらしく息を吐くのは真下。
「貴様はもう少し世間に慣れろ。スーパー銭湯に行ったことがないなど、貴様ぐらいじゃないのか」
「う、いや、それは…。風呂ぐらい別に」
「そもそも引きこもってるからだろう」
「……」
別に引きこもってるわけじゃないと口の中をもごつかせるが、実際言葉にしたところで目の前の彼に鼻で笑われるのが落ちだ。
わかっているので大人しく服を脱いだ。
備え付けのハンガーにコートやズボンをかけて、眼鏡はどうすべきかと最後まで迷ったが結局一緒にしまうことにした。
どうせ湯気で何も見えなくなる。
風呂に入る程度なら裸眼でも問題はない。
タオルを腰にまとった真下は風呂道具の入ったバッグを提げ、さっさとこいとあごで示す。
同じようにタオルを巻いて、ぼやける視界の中、見慣れた背中を目印に追いかけた。
「わぁ、広いな」
感嘆の声を上げる八敷に、そりゃ銭湯だからなと真下はそっけない。
入り口付近のタイルの壁には白いプラスチックの案内板。
内部の簡素な地図と説明文。
赤や青で色分けされてるそれを目を細めながら、なんとか読んだ。
大浴場に電気風呂に薬湯にジェットバスに露天風呂と水風呂。通常のサウナが一つ、やや低温のサウナが一つ、それからもう一つまた別のサウナが一つ。
「へぇ色々あるんだなぁ」
どれに入ろうか迷ってしまう。
こんなに種類があるだなんて思ってもみなかった。
感心している八敷を置いて、真下は歩き出す。
「先に体を洗うぞ」
「あ、ああ。そうだな」
濡れたタイルで足を滑らせないようやや慎重になりながら歩を進めた。
すれ違う人間がぎょっとした顔をしたが、残念ながら二人とも気付いていない。
――はぁ~。
青空の下の露天風呂。
なんて気持ちがいいんだろうか。
知らず息が零れるというもの。
「おっさんくさい」
「放っておいてくれ」
隣の真下に笑われたが、気にならない。
木製の屋根がいい具合に日光の眩しさを遮ってくれるのがありがたい。
きょろりと首を巡らせると壁際に湯の流れる滝。左手に壺湯なる一人用の湯舟が二つ並んでいた。
つるりとした黒い甕の淵から湯が零れ落ちる様子を眺めてあれに入りたいなと思ったが、己の背丈を考えると少し狭そうだ。
右手奥にはサウナの入り口。木製のドアについた小窓から中の赤々とした熱さが見て取れる。
「人が少ないな」
「平日の昼間だからな」
ぱしゃりと、湯を跳ねさせながら真下。
自営業様々だと嘯いた。
ちらほらと人影は見えるが、まばらである。
まぁ空いてるしいいか。
降りそうになる瞼を我慢しながら、顎まで湯に浸かり肩の力を抜いた。
大浴場から出てきた客が露天風呂に近付いて、顔を強張らせて不審な動きで方向転換したけれど、ゆったりとリラックスしている二人は見てはいない。
冬だからね。仕方ないね。でも寒いと世界滅べっ!てなる。暑くてもなる。
二次創作よ!
家の前で水道管工事してるので日中騒がしいのよ。たまに家全体ががたがたするし。
まだしばらく続くんだよなー。休めん。
ですまーく。
新作のしにがみが発売遅延で九月になった。悲しい。
ご当主様の体にはたくさん傷跡があるんだよって話。探偵さんはもう麻痺してる。
キズモノサラシ 前
スーパー銭湯。
銭湯だけでなくお食事処やヘアカットやマッサージ。
大なり小なり規模は違うが、よくある複合施設。
ここもそんなスーパー銭湯の一つだった。
出来て間もないゆえに、つるりと作り物じみた清潔さを誇示する内装。
受付を通り過ぎ、奥に伸びた廊下は左右に分かれる。
左が女性、右が男性。
表示に従い進むのは男が二人。
暗緑色のコートを着た若い男が先頭を行き、後に続くのは枯葉色のコート姿の中年男性。眼鏡の奥。双眸が好奇心を宿しきょろきょろと忙しなく動く。
手に揺れるのはこのスーパー銭湯のロゴが浮かぶ透明のバッグ。
中には同じくロゴの入ったバスタオルやフェイスタオルに使い捨てのシャンプーや石鹸。
手ぶらで訪れた客用のレンタルセット。
「はぐれるなよ」
「はぐれるわけないだろ」
真下が振り向きつつにやりと唇を吊り上げ、八敷はややむっとして言い返す。
白い埋め込み式の照明に照らされた清潔感のある通路の奥、男湯と青い暖簾のかかった引き戸を開ければ脱衣所だ。
背の高いロッカーが整然と立ち並ぶ光景に、少しばかり眼鏡の男は圧倒される。
逆に真下は軽く室内を見回すとさっさと奥の方へと歩いていくので、八敷も慌てて背中を追った。
空いている場所を選び、適当なロッカーに手をかける。
「こんな風になってるんだなぁ」
どこか感心したように漏らす八敷に、わざとらしく息を吐くのは真下。
「貴様はもう少し世間に慣れろ。スーパー銭湯に行ったことがないなど、貴様ぐらいじゃないのか」
「う、いや、それは…。風呂ぐらい別に」
「そもそも引きこもってるからだろう」
「……」
別に引きこもってるわけじゃないと口の中をもごつかせるが、実際言葉にしたところで目の前の彼に鼻で笑われるのが落ちだ。
わかっているので大人しく服を脱いだ。
備え付けのハンガーにコートやズボンをかけて、眼鏡はどうすべきかと最後まで迷ったが結局一緒にしまうことにした。
どうせ湯気で何も見えなくなる。
風呂に入る程度なら裸眼でも問題はない。
タオルを腰にまとった真下は風呂道具の入ったバッグを提げ、さっさとこいとあごで示す。
同じようにタオルを巻いて、ぼやける視界の中、見慣れた背中を目印に追いかけた。
「わぁ、広いな」
感嘆の声を上げる八敷に、そりゃ銭湯だからなと真下はそっけない。
入り口付近のタイルの壁には白いプラスチックの案内板。
内部の簡素な地図と説明文。
赤や青で色分けされてるそれを目を細めながら、なんとか読んだ。
大浴場に電気風呂に薬湯にジェットバスに露天風呂と水風呂。通常のサウナが一つ、やや低温のサウナが一つ、それからもう一つまた別のサウナが一つ。
「へぇ色々あるんだなぁ」
どれに入ろうか迷ってしまう。
こんなに種類があるだなんて思ってもみなかった。
感心している八敷を置いて、真下は歩き出す。
「先に体を洗うぞ」
「あ、ああ。そうだな」
濡れたタイルで足を滑らせないようやや慎重になりながら歩を進めた。
すれ違う人間がぎょっとした顔をしたが、残念ながら二人とも気付いていない。
――はぁ~。
青空の下の露天風呂。
なんて気持ちがいいんだろうか。
知らず息が零れるというもの。
「おっさんくさい」
「放っておいてくれ」
隣の真下に笑われたが、気にならない。
木製の屋根がいい具合に日光の眩しさを遮ってくれるのがありがたい。
きょろりと首を巡らせると壁際に湯の流れる滝。左手に壺湯なる一人用の湯舟が二つ並んでいた。
つるりとした黒い甕の淵から湯が零れ落ちる様子を眺めてあれに入りたいなと思ったが、己の背丈を考えると少し狭そうだ。
右手奥にはサウナの入り口。木製のドアについた小窓から中の赤々とした熱さが見て取れる。
「人が少ないな」
「平日の昼間だからな」
ぱしゃりと、湯を跳ねさせながら真下。
自営業様々だと嘯いた。
ちらほらと人影は見えるが、まばらである。
まぁ空いてるしいいか。
降りそうになる瞼を我慢しながら、顎まで湯に浸かり肩の力を抜いた。
大浴場から出てきた客が露天風呂に近付いて、顔を強張らせて不審な動きで方向転換したけれど、ゆったりとリラックスしている二人は見てはいない。
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