萌えの、萌えの・・・!
ちょ、な・・・某王道ヒーロー漫画のアーケードゲームの敵に、まさかの・・・!?
嘘だよ、ここででるのか。
あの二人が敵なのはうん、仕方が無い。納得できる。マイナーチェンジしてるねぇ~。
でもさ、あの子がぁ! ヒロインが! おま、ちょ、洗脳って――作者わかってる!!
いつもの二次創作。
ええ~、能力に洗脳系がないのに、どうやって洗脳したんだろうか?
むしろ成人男性がJKを洗脳。
・・・・・・アウトー!!
ホンット、本っ当もうあの人は!
病んでるなぁ!!(歓喜)
6つ子。
パラレル。
ゲルゲとじなん。
やがて彼らは地平を目指す
「ほらみんなー、ご飯だぞー」
ぐるりと四方を真っ白な高い壁に囲まれた広い敷地。
芝生や植え込みにちらほらと咲く小さな花と生い茂った木々。小さな池には小魚がひらひらと泳いでいる。
一見するとごく普通の庭のようでそうでは無い。
高い壁の天辺には電流の流れるワイヤーが通されている。
それは進入防止か、あるいは脱出防止か。
北側の壁にぺったりとくっついた一軒の家だけが唯一の建造物。
横長のそれは普通の扉と随分大きな扉の二つが付いていた。
ここはゲルゲと呼ばれる生き物の飼育場である。
ゲルゲ――全身がもふもふふっかふかの毛玉に包まれ、頭の天辺から目玉のような器官が付いた触覚を生やし人間によく似た顔と手を持つ不可思議な生物である。知能が高く野生では警戒心が強くめったに人前に表れることの無い珍獣。
品種改良されたこの飼育場のゲルゲたちは個体差はあるが全体的に温厚で人懐っこい。
人の膝ほどまでのゲルゲたちがあちこちにらばって遊んでいるもの日向ぼっこをしているものもいれば、他の個体とじゃれあっているもの木に登っているもの、様々だ。
非常に高額ではあるが金持ちや権力者が己のステータスシンボルとしてゲルゲをペットにするのが流行っている、らしい。
この飼育場唯一の人間でありゲルゲ飼育員カラ松はそんな風に聞きかじったがよく知らない。
ご飯の一言に思い思いに過ごしていたゲルゲたちが丸いテーブルに集まってくる。青いつなぎを着て食事用の大きな皿に果物やゲルゲ用フードを盛っていくカラ松をじっと見ている。
「よし、もういいぞ!」
一言かければ、色とりどりのゲルゲたちはのたのたと小さなテーブルに群がり好きな物を手に取ったり長い舌を伸ばして巻き取ったりと体型からは考えられない器用さで平らげていく。
「美味いかー? よく噛んで食えよ」
それを微笑んで見守るカラ松の腹が小さく鳴った。
カラ松だっておなかは減っているがここの飼育員は彼一人。食事はまだお預けだ。
ゲルゲたちの食事を観察して食欲の無い個体がいないか具合の悪そうなのはいないか、ちゃんと見ておかなければならない。
食事が終われば後片付け。それから日誌を書いて。自分の分はその後だ。
つんつん。
ふと、ズボンを引っ張られる。
なんだと思って見れば、ゲルゲの中でも一際小さいピンクのゲルゲ。
「ん? どうしたんだ」
「とってぃー!」
膝を折って目線を合わせれば嬉しそうに鳴いて持っていた梨を差し出す。
「ああ、美味しいそうだな。食べないのか?」
「とってぃとってぃー!!」
何かを伝えようとして一生懸命に梨を差し出す姿はとても可愛い。
「あ、もしかし俺にくれるのか?」
「とってぃ!」
笑顔で何度もうなずく様子に答えが当たって嬉しくなる。
梨を受け取り、ピンクゲルゲの頭を撫でてやる。
「ありがとうな!」
「とってぃー」
にっこり笑うピンクゲルゲはとても可愛らしい。
手の中の梨を見て、笑みが零れる。
本当にゲルゲという生き物は優しい。
ここで働けて、ゲルゲと出会えて良かった。
カラ松は小さな田舎町の大家族の末っ子に生まれた。カラ松には七人の兄姉がいたが彼らに何か面倒を見てもらった記憶はない。
きわめて貧しいわけでないが特に裕福でもなかった家で八人も育てるのは大変だろう、いつも誰かが喧嘩していた気がする。特に食事は戦争だった。食べ物は兄姉による奪い合いで瞬く間に消えて、幼いカラ松に取り分けてくれる人など誰もいなかった。
だからカラ松はいつだっておなかをすかしていて、体はがりがりの痩せっぽち。
そんな彼は二桁の誕生日を迎える前に売られた。
食い扶持を減らすために子供を売るのは当たり前の行為だ。少なくともカラ松の生まれた村では。
働き手になる兄や姉と違い小さなカラ松は役に立たない。ならば金か食料に換えた方がいい。それだけだ。
売られたカラ松はこの飼育場に連れてこられた。
その頃ここにいた先代飼育員によって読み書きを含めた仕事に必要なこと全て教わった。
そして言われた。
飼育員はこの飼育場から一生出られない、と。
ゲルゲは貴重で珍しい生き物。秘密が決して漏れないように。いなくなっても誰も困らない人間が飼育員になるのだと。
聞かされて、カラ松は納得したのだ。
家族に不要とされた自分は確かに死んでも誰も困らない人間だ。
飼育員用の建物内にある、外に通じる重い鉄の扉が外からしか開かないのはそれが理由か、と。
カラ松は嘆くことも後悔することも無かった。
決して狭くは無いが広くも無い敷地はそれでも解放的で、食べる物も着る服も暖かい寝床も雨露をしのげる家もある。
必要物資は扉と同じく鉄製の窓から差し出される。
何も不足は無い。
おなかをすかせて、夜は隙間風に凍えながら薄い毛布に身を丸めていたあの家よりずっとマシ、いや確実に幸せだ。
なによりゲルゲたちがいる。
先代には情が湧くからあまり関わるなと言われたが、こんな優しく思いやりのある生き物なのだ。ついつい構ってしまう。
そのたびに向けられる笑顔に胸が満たされた。
よく怒られたが、その先代はもういない。
ある日外に出るようにと扉の向こうから言われた彼の、どこかほっとしたような寂しそうな表情を今でもはっきりと憶えている。
それから人間はカラ松一人だけになったが寂しさは無い。ゲルゲたちのおかげでいつも賑やかだ。
ゲルゲの繁殖方法は知らないが、時折小さな掌サイズのゲルゲが窓から送られてくる。
小さすぎるのである程度の大きさに育つまで隔離する。先代までは飼育小屋の専用ケージで育てていたがカラ松は飼育員用の部屋で一緒に生活していた。だからなのか、今いるゲルゲたちはカラ松よく懐いた。
庭で遊ぶゲルゲたちを眺める。
一番大きな赤いゲルゲは二番目に大きな緑色に絡んで噛み付かれていた。いつだって元気一杯の黄色は背中にピンクを乗せて飛び跳ねている。
「あれ?」
首を傾げた。
一匹足りない。
「ア゛ーッ!」
「うわ!?」
背中に衝撃。
「ああ、ここにいたのか」
両手で抱きしめるみたいにもふもふとした毛皮を撫でてやれば、飛びついた紫色は嬉しそうに相好を崩す。
「ア゛ァー、ガアマヅゥ、ヒル゛ネー、ヒル゛ネスルゥ?」
首、と言うか上体を傾ける紫色にそうだなぁとしばし思案。
実の所おなかはすいている。でも手の中には先ほど貰った梨。
何より誘いを断る気がまるで無い。
「ああ、そうだな。一緒に昼寝するか!」
「ア゛ー!!」
笑いかければ一際嬉しそうに大きく鳴いた。
木陰になりつつ太陽の光を程よく浴びることが出来る場所。
ころりと紫色と一緒に転がる。芝生の匂いが心地いい。
もぞもぞと動いた紫色がカラ松に抱きつく。
頬を摺り寄せて上機嫌。
カラ松も目尻を下げて紫色の頬を一撫で。
目を閉じて寝息を立て始める紫色を見守って、梨でも食べようと思ったら他のゲルゲたち寄ってきた。
「からまつ、おれもー。おれもねるー!」
「ボク、モー」
「ハッスルハッスル!」
「とってぃー」
あっという間にカラフルな塊に囲まれた。ふわふわもこもこで暖かくて気持ちい。
自然と笑みが零れる。
それから青い空を眺めて、ふと思う。
一番大きい赤色はきっともうそろそろ別れがくるだろう。少し前に行ってしまった大人しい白と暴れん坊の黒は元気だろうか。
いつか他の誰かの元に行ってしまうが、それまでは精一杯愛情を注ごう。
こんなにも温もりをくれた彼らに対するそれが恩返しだと、カラ松は信じている。
――梨は後でいいか。
ふあっと欠伸を漏らし、重くなる瞼に抗うことなく身を任せた。
『外』を知らないカラ松は知らない。
教えられていないから、彼の知識に存在しまい。
ゲルゲは確かに一部の金持ちにペットとして買われているが、体毛は絹を上回る極上の糸に体液は様々な薬の原料となる。それゆえ乱獲された過去から著しく数が減少し本来は国で保護されている希少生物。
そしてこの飼育場は非合法のものであり、ここで育てられたゲルゲはやはり非合法な売買を経てあるゲルゲは金持ちの慰み者、またあるゲルゲは薄暗い施設で死ぬまで実験体として扱われる。
人間は知らない。
発声器官の違いから人間の言葉を話すときはたどたどしくなるが、ゲルゲの知能は人間が想定した以上に発達していることを。
自分たちへの扱いが非道なものであると理解していることを。
そして、彼らの不満と不振が頂点に達したとき各地でゲルゲによる反乱が起こる。
高い知性を遺憾なく発揮し邪魔する相手を叩き潰し、正しく彼らを愛してくれた人物を求めて暴れまわることを。
ゲルゲたちに囲まれて眠るカラ松は、その未来をまだ知らない。
ここからはじめる君の幸せ。さぁ、両手を広げて迎えましょう!!
ちょ、な・・・某王道ヒーロー漫画のアーケードゲームの敵に、まさかの・・・!?
嘘だよ、ここででるのか。
あの二人が敵なのはうん、仕方が無い。納得できる。マイナーチェンジしてるねぇ~。
でもさ、あの子がぁ! ヒロインが! おま、ちょ、洗脳って――作者わかってる!!
いつもの二次創作。
ええ~、能力に洗脳系がないのに、どうやって洗脳したんだろうか?
むしろ成人男性がJKを洗脳。
・・・・・・アウトー!!
ホンット、本っ当もうあの人は!
病んでるなぁ!!(歓喜)
6つ子。
パラレル。
ゲルゲとじなん。
やがて彼らは地平を目指す
「ほらみんなー、ご飯だぞー」
ぐるりと四方を真っ白な高い壁に囲まれた広い敷地。
芝生や植え込みにちらほらと咲く小さな花と生い茂った木々。小さな池には小魚がひらひらと泳いでいる。
一見するとごく普通の庭のようでそうでは無い。
高い壁の天辺には電流の流れるワイヤーが通されている。
それは進入防止か、あるいは脱出防止か。
北側の壁にぺったりとくっついた一軒の家だけが唯一の建造物。
横長のそれは普通の扉と随分大きな扉の二つが付いていた。
ここはゲルゲと呼ばれる生き物の飼育場である。
ゲルゲ――全身がもふもふふっかふかの毛玉に包まれ、頭の天辺から目玉のような器官が付いた触覚を生やし人間によく似た顔と手を持つ不可思議な生物である。知能が高く野生では警戒心が強くめったに人前に表れることの無い珍獣。
品種改良されたこの飼育場のゲルゲたちは個体差はあるが全体的に温厚で人懐っこい。
人の膝ほどまでのゲルゲたちがあちこちにらばって遊んでいるもの日向ぼっこをしているものもいれば、他の個体とじゃれあっているもの木に登っているもの、様々だ。
非常に高額ではあるが金持ちや権力者が己のステータスシンボルとしてゲルゲをペットにするのが流行っている、らしい。
この飼育場唯一の人間でありゲルゲ飼育員カラ松はそんな風に聞きかじったがよく知らない。
ご飯の一言に思い思いに過ごしていたゲルゲたちが丸いテーブルに集まってくる。青いつなぎを着て食事用の大きな皿に果物やゲルゲ用フードを盛っていくカラ松をじっと見ている。
「よし、もういいぞ!」
一言かければ、色とりどりのゲルゲたちはのたのたと小さなテーブルに群がり好きな物を手に取ったり長い舌を伸ばして巻き取ったりと体型からは考えられない器用さで平らげていく。
「美味いかー? よく噛んで食えよ」
それを微笑んで見守るカラ松の腹が小さく鳴った。
カラ松だっておなかは減っているがここの飼育員は彼一人。食事はまだお預けだ。
ゲルゲたちの食事を観察して食欲の無い個体がいないか具合の悪そうなのはいないか、ちゃんと見ておかなければならない。
食事が終われば後片付け。それから日誌を書いて。自分の分はその後だ。
つんつん。
ふと、ズボンを引っ張られる。
なんだと思って見れば、ゲルゲの中でも一際小さいピンクのゲルゲ。
「ん? どうしたんだ」
「とってぃー!」
膝を折って目線を合わせれば嬉しそうに鳴いて持っていた梨を差し出す。
「ああ、美味しいそうだな。食べないのか?」
「とってぃとってぃー!!」
何かを伝えようとして一生懸命に梨を差し出す姿はとても可愛い。
「あ、もしかし俺にくれるのか?」
「とってぃ!」
笑顔で何度もうなずく様子に答えが当たって嬉しくなる。
梨を受け取り、ピンクゲルゲの頭を撫でてやる。
「ありがとうな!」
「とってぃー」
にっこり笑うピンクゲルゲはとても可愛らしい。
手の中の梨を見て、笑みが零れる。
本当にゲルゲという生き物は優しい。
ここで働けて、ゲルゲと出会えて良かった。
カラ松は小さな田舎町の大家族の末っ子に生まれた。カラ松には七人の兄姉がいたが彼らに何か面倒を見てもらった記憶はない。
きわめて貧しいわけでないが特に裕福でもなかった家で八人も育てるのは大変だろう、いつも誰かが喧嘩していた気がする。特に食事は戦争だった。食べ物は兄姉による奪い合いで瞬く間に消えて、幼いカラ松に取り分けてくれる人など誰もいなかった。
だからカラ松はいつだっておなかをすかしていて、体はがりがりの痩せっぽち。
そんな彼は二桁の誕生日を迎える前に売られた。
食い扶持を減らすために子供を売るのは当たり前の行為だ。少なくともカラ松の生まれた村では。
働き手になる兄や姉と違い小さなカラ松は役に立たない。ならば金か食料に換えた方がいい。それだけだ。
売られたカラ松はこの飼育場に連れてこられた。
その頃ここにいた先代飼育員によって読み書きを含めた仕事に必要なこと全て教わった。
そして言われた。
飼育員はこの飼育場から一生出られない、と。
ゲルゲは貴重で珍しい生き物。秘密が決して漏れないように。いなくなっても誰も困らない人間が飼育員になるのだと。
聞かされて、カラ松は納得したのだ。
家族に不要とされた自分は確かに死んでも誰も困らない人間だ。
飼育員用の建物内にある、外に通じる重い鉄の扉が外からしか開かないのはそれが理由か、と。
カラ松は嘆くことも後悔することも無かった。
決して狭くは無いが広くも無い敷地はそれでも解放的で、食べる物も着る服も暖かい寝床も雨露をしのげる家もある。
必要物資は扉と同じく鉄製の窓から差し出される。
何も不足は無い。
おなかをすかせて、夜は隙間風に凍えながら薄い毛布に身を丸めていたあの家よりずっとマシ、いや確実に幸せだ。
なによりゲルゲたちがいる。
先代には情が湧くからあまり関わるなと言われたが、こんな優しく思いやりのある生き物なのだ。ついつい構ってしまう。
そのたびに向けられる笑顔に胸が満たされた。
よく怒られたが、その先代はもういない。
ある日外に出るようにと扉の向こうから言われた彼の、どこかほっとしたような寂しそうな表情を今でもはっきりと憶えている。
それから人間はカラ松一人だけになったが寂しさは無い。ゲルゲたちのおかげでいつも賑やかだ。
ゲルゲの繁殖方法は知らないが、時折小さな掌サイズのゲルゲが窓から送られてくる。
小さすぎるのである程度の大きさに育つまで隔離する。先代までは飼育小屋の専用ケージで育てていたがカラ松は飼育員用の部屋で一緒に生活していた。だからなのか、今いるゲルゲたちはカラ松よく懐いた。
庭で遊ぶゲルゲたちを眺める。
一番大きな赤いゲルゲは二番目に大きな緑色に絡んで噛み付かれていた。いつだって元気一杯の黄色は背中にピンクを乗せて飛び跳ねている。
「あれ?」
首を傾げた。
一匹足りない。
「ア゛ーッ!」
「うわ!?」
背中に衝撃。
「ああ、ここにいたのか」
両手で抱きしめるみたいにもふもふとした毛皮を撫でてやれば、飛びついた紫色は嬉しそうに相好を崩す。
「ア゛ァー、ガアマヅゥ、ヒル゛ネー、ヒル゛ネスルゥ?」
首、と言うか上体を傾ける紫色にそうだなぁとしばし思案。
実の所おなかはすいている。でも手の中には先ほど貰った梨。
何より誘いを断る気がまるで無い。
「ああ、そうだな。一緒に昼寝するか!」
「ア゛ー!!」
笑いかければ一際嬉しそうに大きく鳴いた。
木陰になりつつ太陽の光を程よく浴びることが出来る場所。
ころりと紫色と一緒に転がる。芝生の匂いが心地いい。
もぞもぞと動いた紫色がカラ松に抱きつく。
頬を摺り寄せて上機嫌。
カラ松も目尻を下げて紫色の頬を一撫で。
目を閉じて寝息を立て始める紫色を見守って、梨でも食べようと思ったら他のゲルゲたち寄ってきた。
「からまつ、おれもー。おれもねるー!」
「ボク、モー」
「ハッスルハッスル!」
「とってぃー」
あっという間にカラフルな塊に囲まれた。ふわふわもこもこで暖かくて気持ちい。
自然と笑みが零れる。
それから青い空を眺めて、ふと思う。
一番大きい赤色はきっともうそろそろ別れがくるだろう。少し前に行ってしまった大人しい白と暴れん坊の黒は元気だろうか。
いつか他の誰かの元に行ってしまうが、それまでは精一杯愛情を注ごう。
こんなにも温もりをくれた彼らに対するそれが恩返しだと、カラ松は信じている。
――梨は後でいいか。
ふあっと欠伸を漏らし、重くなる瞼に抗うことなく身を任せた。
『外』を知らないカラ松は知らない。
教えられていないから、彼の知識に存在しまい。
ゲルゲは確かに一部の金持ちにペットとして買われているが、体毛は絹を上回る極上の糸に体液は様々な薬の原料となる。それゆえ乱獲された過去から著しく数が減少し本来は国で保護されている希少生物。
そしてこの飼育場は非合法のものであり、ここで育てられたゲルゲはやはり非合法な売買を経てあるゲルゲは金持ちの慰み者、またあるゲルゲは薄暗い施設で死ぬまで実験体として扱われる。
人間は知らない。
発声器官の違いから人間の言葉を話すときはたどたどしくなるが、ゲルゲの知能は人間が想定した以上に発達していることを。
自分たちへの扱いが非道なものであると理解していることを。
そして、彼らの不満と不振が頂点に達したとき各地でゲルゲによる反乱が起こる。
高い知性を遺憾なく発揮し邪魔する相手を叩き潰し、正しく彼らを愛してくれた人物を求めて暴れまわることを。
ゲルゲたちに囲まれて眠るカラ松は、その未来をまだ知らない。
ここからはじめる君の幸せ。さぁ、両手を広げて迎えましょう!!
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