2009年5月2日の座間味でのダイビング事故について、那覇のインストラクター本人が報告を公開しているので紹介する。
http://aqua-ds.jp/newpage4.html
私は現場にいたわけではないし、事故者Gさんのレベルも書かれていないので(書けない事情があるのだろう)、その他の報告を鵜呑みにした上で、那覇出発の慶良間ボートダイビングの特性を含めた感想を少々。
1.前日の3ボートの内容がわからないが、当然、窒素は残っていたはず。
2.前日夜から当日まで、Gさんの食事・飲酒、睡眠時間、体調等が知りたい。
3.客4名に「私と一人一人がバディ」は意味不明。そんなバディシステムはない。
4.休息53分で2本目に「37.1M」というのはどんなものか。
5.最近流行の安全停止の本当の意味がわかっていないのではないか。
6.お詫びの方向が間違っている。
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一般的には「2本目に37M」は深い。事故がなければこの日も3本の予定だと思うが、連日3本ずつ潜って大丈夫なレベルなのか気になる。慣れていないと船は乗っているだけでも疲れる。
4人をバディにできるダイバーがいるわけはないし、そんな方法はない。彼はPADIの指導員らしいが、PADIのテキストでもそんなバディシステムは載ってないだろう。実際に機能しないバディシステムは意味がない。
私は何でもかんでも安全停止という風潮には反対。減圧症の予防や軽減の意味はあるだろうが、減圧停止とはそもそも違う。
「危険な安全停止」や
「出来ない安全停止」は要らない。計画や潜り方がいい加減なのに、帳尻あわせで「安全」のふりをしてはいけない。蛇足ながら、エアはなくなってからあげるものではない。
法律上の問題があるので素直にお詫びできないのだろうが、業界人の端くれとしては、
「お詫びは、ダイビング業界や他のショップの前に、Gさんの名前を入れなさい」と言いたい。(指導団体や保険会社から
「公の判断の前に非を認めるな」という指示があるためと想像する)
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那覇からの慶良間ボートダイビングはFDMCでもよく使う。利便性もいいし、料金も高くない。ただ、朝は結構早いので朝食をゆっくり食べられない。1日3ダイブを基準にしているので、フルに潜るダイバーが多い。初級者ほどそう。帰りのボートではグタッとしている。FDMCのような「2ダイブ+素潜り」は少数派、というか見あたらない。
たまに、高速船で島に渡り、現地のDSを使うこともある。少しお金はかさむが、ゆっくり朝食をとってからでも間に合うし、船に弱い人はこのほうがいい。島にお金も落ちる。因みに、慶良間には「縄張り」があって、那覇からのボートが自由に入れないポイントもある。
5月の連休、私は那覇にいた。事故があったようなことは聞いたが、潜りに行ったわけではないので、詳細は知らなかった。事故の後、すぐにショップがHPを閉じると関係のない輩が騒ぎ立てるし、何かを書いても、何も書かなくても野次馬に非難されることが多い。辛いだろうが、きちんと報告する姿勢は好意的に見てあげたい。(ガイドの考え方は違う感じがするが)
FDマリンクラブ 代表 高松
(JUDF指導員/体協公認指導員)