今週の東京地方は天気が悪い。月曜、火曜と雨で走れず、水曜は名人戦観戦、昨日木曜もまた雨。会社から帰って、合羽を着てまで走る気にはならない。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
今朝は少し早起きして30分走る。こういう日は出社してからも身体が軽い。帰宅後、夜道を40分ほど走る。大して寒くないので、レースと全く同じランナーらしい格好。クールダウンで四股を踏む形で股関節の柔軟運動をしていたら、作業服を着た初老の酔っぱらいに声を掛けられた。
「おおぉ?お兄ちゃん、何してるの?」
「近所をぐるっと走ってきて、今、整理運動ですけど」
「う~ん、いや違う。得意技は..何?」(会話になってない..)
「(笑)見ての通り、マラソンランナーですよ」(ウソっぽいが)
「いや、その脚は長距離じゃない。ラグビー?」(只の酔っぱらいではない、観念)
「ずいぶん昔、空手をやってたせいかも」
「あ、そう!何とか空手とかあるんでしょ?何?何?」
「え~と、芦原会館っていいますけど、ご存じですか?」
「おお、ケンカ十段の?芦原英幸さんのでしょ?知ってる知ってる!」
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
この酔っぱらい、かなり詳しい。元門下生としてはもちろん嬉しい。
「私も尊敬してたんですよ。芦原さんて若くして死んじゃったんだよね。残念だよね。今、息子さんが二代目としてやってるんでしょ?お兄ちゃんはいつやってたの?」
「もう20年も前です」
「20年前のお弟子さん?じゃ、直接、習ったことあるんだ。あ、そう、いい先生だったんでしょ..惜しいよね、あんな若くして..」
と言って、しゃがみ込んで泣き始めた。
芦原英幸は有名な空手家ではあるが、見ず知らずの自分の前で、師匠を泣いてくれるのはありがたい話である。少し話し込んでいたら、酔っぱらいのおじさんからもらい泣きしそうになった。
「ありがとう、おじさん。気を付けて帰ってね。自分はまだもうひと回りしなくちゃいけないから」
とウソを付いて、上を向きながら、目の前のマンションなのに回り道して帰った。
そう言えば、もうすぐ先代の命日だった。忘れてた。
今朝は少し早起きして30分走る。こういう日は出社してからも身体が軽い。帰宅後、夜道を40分ほど走る。大して寒くないので、レースと全く同じランナーらしい格好。クールダウンで四股を踏む形で股関節の柔軟運動をしていたら、作業服を着た初老の酔っぱらいに声を掛けられた。
「おおぉ?お兄ちゃん、何してるの?」
「近所をぐるっと走ってきて、今、整理運動ですけど」
「う~ん、いや違う。得意技は..何?」(会話になってない..)
「(笑)見ての通り、マラソンランナーですよ」(ウソっぽいが)
「いや、その脚は長距離じゃない。ラグビー?」(只の酔っぱらいではない、観念)
「ずいぶん昔、空手をやってたせいかも」
「あ、そう!何とか空手とかあるんでしょ?何?何?」
「え~と、芦原会館っていいますけど、ご存じですか?」
「おお、ケンカ十段の?芦原英幸さんのでしょ?知ってる知ってる!」
この酔っぱらい、かなり詳しい。元門下生としてはもちろん嬉しい。
「私も尊敬してたんですよ。芦原さんて若くして死んじゃったんだよね。残念だよね。今、息子さんが二代目としてやってるんでしょ?お兄ちゃんはいつやってたの?」
「もう20年も前です」
「20年前のお弟子さん?じゃ、直接、習ったことあるんだ。あ、そう、いい先生だったんでしょ..惜しいよね、あんな若くして..」
と言って、しゃがみ込んで泣き始めた。
芦原英幸は有名な空手家ではあるが、見ず知らずの自分の前で、師匠を泣いてくれるのはありがたい話である。少し話し込んでいたら、酔っぱらいのおじさんからもらい泣きしそうになった。
「ありがとう、おじさん。気を付けて帰ってね。自分はまだもうひと回りしなくちゃいけないから」
とウソを付いて、上を向きながら、目の前のマンションなのに回り道して帰った。
そう言えば、もうすぐ先代の命日だった。忘れてた。