ジャズとボサノヴァの日々

Days of Jazz and Bossa Nova

Mas Que Nada performed by Luiz Henrique

2015-02-20 20:00:00 | Mas Que Nada
1960年代、北米の音楽業界はテレビやラジオ、雑誌と言う媒体を積極的に活用してボサノヴァをマーケティングし、ボサノヴァを一つの音楽ジャンルとして見事に確立した。北米の影響をダイレクトに受けている日本は、このマーケティングプログラムのお陰でセルジオ・メンデスSérgio Mendesを始めとするブラジルのミュージシャンを知ることが出来たとも言えよう。

セルジオ・メンデスが契約していたA&Mレコードにはレーベル設立者のハーブ・アルバートHerb Alpertが率いるハーブ・アルバート&ティファナブラスHerb Alpert & The Tijuana Brassや、カーペンターズCarpentarsバート・バカラックBurt Bacharachなど日本でも人気の高かった錚々たるアーティストが所属しており、特にメディア戦略に長けていたレーベルなので当時の映像が数多く残っている。だが視点を変えれば当時日本で知り得たボサノヴァのアーティストは業界が提供していた情報源に限られていた訳だ。

ジャズというフィールドでボサノヴァを伝播していたミュージシャンも無数に存在したが、当時の日本のジャズファンの一部には知られていても、ポピュラー音楽のファンには知りえる術がなかったと思う。

今日紹介するルイス・エンリケLuiz Henriqueもその1人だ。ルイス・エンリケは1964年に"A bossa moderna de Luiz Henrique"というファーストアルバムをリリース、同年のライブ盤"E tempo de Musica Popular"を残した後、1966年から米国で音楽活動を開始した。1967年、ジャズレコードの名門Verveから"Barra Limpa" をリリース、アメリカでも既に知名度の高かった"Reza"や"Mas Que Nada"を取り上げている。


驚くべきはVerveのマーケティング戦略だ。なんと1967年のニューポート・ジャズ・フェスティバル"Newport Jazz Festival"でルイス・エンリケに"Mas Que Nada"を歌わせている。最初に観客が映されているが、この変な歌い方をしたシンガーに戸惑うジャズファンの様子を興味深く感じた。

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