ジャズとボサノヴァの日々

Days of Jazz and Bossa Nova

米国にもSo May It Secretly Beginをレパートリーにする歌手がいる

2015-03-18 22:00:00 | Pat Metheny
So May It Secretly Begin performed by Anne Walsh

So May It Secretly Beginに歌詞をつけて歌う歌手は以前紹介したアンナ・マリア・ヨペックが有名だが、米国でもレパートリーとしている歌手がいた。その歌手の名前はアン・ウォルシュ/ Anne Walsh。

アンの生い立ちを彼女のホームページで見てみよう。父親はマサチューセッツ州のオペラ劇団で活躍するバリトン/テナー歌手だったのでアンは幼い頃から音楽に親しんでおり、両親は自分の娘が将来歌手になると確信していたという。高校を出るとカレッジでヴォイス・セラピストを目指すも音楽家になる夢を諦めきれず、卒業後は音楽活動のためロサンゼスに移り住む。昼はヴォイス・セラピーで生計を立て、夜は歌うチャンスを与えてくれるライブハウスであれば何処でも歌っていたという。


一度はロックバンドで歌うことも試みるが、自らの声質がロックには相応しくないとしてOrange Coast College(OCC)でジャズを学び始める。OCCのビッグバンドで歌っていた時のことだ。観客席にいたパーカショニストからジャズクラブCarmello'sでオーディションを受けることを勧められる。そこで歌い始めて出会ったのがブラジル音楽だった。アントニオ・カルロス・ジョビン/ Antonio Carlos Jobim、ドリ・カイミ/Dori Caymmi、そしてフローラ・プリン/ Flora Purim。アンはブラジル音楽だと伸びやかに歌えることに気付いたという。

一度はプロの道でキャリアをスタートさせたアンだったが、彼女は音楽をもっと学ぶ必要があると感じてカレッジでベル・カント・スタイルの声楽を学び始める。「オペラは私にとって大きな挑戦だった。それまで経験したことのないトレーニングで鍛えられたから、今の自分の歌声がある」と彼女は振り返る。

声楽の先生の勧めでアンはオペラやミュージカルのオーディションを受け、いくつかの舞台を経験するも、カレッジ卒業後は本来のキャリアに戻り、地元のクインテットで歌い始め、将来の夫となるピアニストTom Zinkと出会う。夫と国内外で活発に音楽活動を展開、徐々に名前が知れ渡り、2013年には夫のトムとブラジルのChapada Jazz Festivalへ招待されパフォーマンスを披露している。

2009年にリリースしたアルバム"Pretty World"はグラミー賞のベストアレンジ部門にノミネートされるなど、作品への評価も高まっている。そして彼女のレパートリーのひとつ、So May It Secretly Beginはこのアルバムに収録されている。






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