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本と音楽とねこと

出生前診断の現場から

室月淳,2020,出生前診断の現場から──専門医が考える「命の選択」,集英社.(7.11.2022)

 けっしてキレの良い論述が展開されているわけではないが、それゆえか、「新型出生前診断」等が世界的になし崩し的に受容され、「命の選択」が進行していく傾向への、抵抗感、疑問、危機感がよけいに伝わってくる。
 「(出生前診断を)選ばないという選択」、尊重すべきはその権利であろう。
 医学的な詳しい説明がていねいになされているのも良い。

晩婚化にともない出産の高齢化が進む中、「出生前診断」を希望する妊婦が増えている。流産リスクがある羊水検査とは異なり、採血だけでダウン症等の染色体異常がわかる「新型出生前診断」(NIPT)が二〇一三年に開始されたが、そもそもNIPTとはどういう検査で、妊婦は何を判断し結果に備えればよいのか。そして医療テクノロジーの最前線はどうなっているのか。出生前診断の「現場」に長年関わり最先端研究者でもある著者が、出生前診断を受けるかどうか迷う妊婦に正しい情報を伝え、同時に「命の選択」の本質を考える。

目次
第1章 出生前診断を知りたいあなたに
出生前診断を受ける前に知っておくべきこと
新型出生前診断(NIPT)を受けるまで
第2章 検査に迷うとき
検査を受ける前にもう一歩踏みこんで考える
自分で決めるということ
遺伝カウンセリングにある限界
出生前診断と選択的人工妊娠中絶
第3章 出生前診断の過去と現在
出生前診断の歴史を振りかえる
NIPTのこれまでとこれから
これから導入される新しい出生前診断
終章 わたしたちはどこにいくのか
パーフェクトベビーをめざして
自由はどこまで可能か
それをお金で買いますか?
「見る前に跳べ」

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