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本と音楽とねこと

地方消滅の罠

山下祐介,2014,『地方消滅の罠──「増田レポート」と人口減少社会の正体』筑摩書房('16.9.10)

 東北の過疎地域や小都市の現状をつぶさに観察してきた著者の現状認識にはたしかなものがあるが、「増田レポート」は、「地方消滅」を容認しているわけではなく、むしろその逆なのだから、この批判は残念ながら的外れだろう。基礎自治体レベルでの、適度の「選択と集中」は、むしろ「地方存続」に必要だと思うのだが、どうなのだろうか。

目次
序章 地方消滅ショック
第1章 人口減少はなぜ起きるのか
第2章 地方消滅へと導くのは誰か
第3章 「選択と集中」論の危うさ
第4章 多様なものの共生へ
第5章 「ふるさと回帰」は再生の切り札になるか
第6章 持続する制度を生み出す
終章 新しい社会を選べるか

「二〇四〇年までに全国の市町村の半数が消滅する」とぶちあげ、「すべての町は救えない」と煽って衝撃を与えた日本創成会議の「増田レポート」。だがその警鐘にこそ、地方を消滅へと導く罠が潜んでいる。「選択と集中」などという論理を振りかざす本当の狙いは何か。「棄民」への政策転換がなされたように見せかけているのはなぜか。限界集落問題が「つくられた」ことを示して話題となった社会学者が、増田レポートの虚妄を暴き、地方を守るために必要な論理と、再生に向けた道筋を示す。

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