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本と音楽とねこと

マネー資本主義を制御せよ!

中丸友一郎,2010,『マネー資本主義を制御せよ!』朝日新聞出版(新書,¥840)'11.10.23

 金融危機第一幕の経緯をあらためて確認する意味はあるのだろうが、デフレギャップを埋めるべく展開されてきた財政投融資が金融危機第二幕としてのソブリンショックを招来させたことを思うと、筆者の提言には疑問を感じてしまう。「成長」から「分配」への経済政策の転換による、資本主義の縮小均衡的制御の発想がまるでない。経済学諸派の現実的有効性を検証する意味でもいい本なんだが、積極的な財政投融資のツケはどうするのよという疑問が拭えない。

目次
プロローグ マネー資本主義の現状と未来
第1章 ドラマ「リーマン・ショック」
第2章 復習:サブプライム問題と金融危機の解剖
第3章 戦後最悪の金融危機を引き起こした真犯人を捜せ
第4章 経済学と資本主義は第三の危機から脱出せよ
第5章 バブルはしたたかな多年草
第6章 大恐慌との決別
第7章 国際金融・資本市場の未来予想図
第8章 金融危機は日本再生への大チャンス:民主党政権への緊急提言
エピローグ 「日本病」からの脱却―ドバイ・ショックを診断する

「100年に一度」の金融危機は本当に去ったのか?今度こそ希望のある豊かな未来を築けるのか?世界は今回の金融危機という大きなショックを契機に米国と中国のG2の時代へとベクトルの向きを転換しつつある。私たちは今後いったいどこへ向かって行くのだろうか。世界経済と国際金融の行方に真っ向から挑む。

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