風のセミナリオ

フルーティスト勝俣敬二&聖アンセルモ・グレゴリオ聖歌隊の公式ブログ

2020.8.25 第4回 勝俣敬二のレクチャーコンサート

2020-02-27 13:05:26 | 演奏会

開催日決定のお知らせ!

8月25日〔火〕午後7時開演 近江楽堂にて

 

開催できることになりました! お目にかかれることを楽しみに致しております。

3月11日     フルートセミナリオ 主宰   勝俣敬二


 

第4回 勝俣敬二のレクチャーコンサート

勝俣敬二と調性論

私の場合、調性論が演奏に必要であることを悟り、学び始めたのは 1979 年以降のバーゼル・スコラ・カントゥルム留学時代です。恩師 P.ライデマイスター先生のレッスン室の壁には既にキルンベルガーやマッテゾンの調性論が掲げてあり、以降、私の進むべく方向が暗示されていたのだと思います。すなわち、レッスンのメインテーマの為の教材となった J.B.de ボワモルティエの驚くべき深く優れた世界との出会いと結びつきです。
私は、一般にバッハを研究する過程で前述の弟子たちの調性論を学ぶことは自然で有効ですが、更にバッハに至る調性の研究を意欲的に遡ることは当然の道程であったとふり返ります。
そして、然るに、直感も働き修道院のグレゴリオ聖歌に行き着き、それとともに生きようとした私がありました。
なるほど、調性を語らない古楽のエキサイティングな演奏よりも、むしろ逆に現代のカトリック典礼音楽、フランス近代作曲家の教会音楽にそれは生きていました。その理解は、スイス時代を含めると 40 数年の教会聖歌隊活動〔A.ヴェンツィンガー主宰グレゴリオ聖歌隊、聖ペトロとパウロ・カトリック教会聖歌隊、聖アンセルモ・グレゴリオ聖歌隊、カトリック目黒教会聖歌隊他〕で得た経験を基にその結果として生まれました。そのことで私の調性論は成長と進化を遂げたのです。現在では、それによる調性の原点〔源泉〕を講義できるまでに至りました。
さて、そのようなことから第4回の今回は、ボワモルティエの作品 22〔平行調の本質を示している〕を基に『ニ長調とロ短調とは何か、更にどう演奏できるか』をテーマに、皆様にひとつのバロックの美意識を一人の演奏家としてご提案したいと思います。
第1回 ハ長調・イ短調
第2回 ト長調・ホ短調
第3回 ヘ長調・二短調
... ハ長調からの調性論の旅は続きます。
2020 年 1 月 勝俣敬二