みーばぁ整体室より: 体の謎とバトルの日々

みーばぁ整体室の現場では、病気や痛みや体の謎を解きつつ施術が進みます。謎が解けると施術も上手くいく。それが楽しいの。

「脳梗塞の前兆?」〜〜その2〜〜

2018-11-25 | いろいろな症状
前の記事の続き<〜その2〜>です。
----前の記事-----
Mizは肘痛を訴えるFさんの腕に、ベルト状の硬さがあることを触診しました。硬さの路を辿っていくと、
Fさんの胸上に、ある血管の弱まりが認められたので、血流活性のテクニックを行いました。間もなく血流が活性し、それと同時に、
1Fさんの左腕のベルト状の硬さと痛みが消え、
2Fさんの左半身の寒さ感や動きの鈍さ感が消えました。

1,2の現象は、胸部の血管異常が活性した効果であることから、
もし胸の血管異常が脳に向かえば、片半身麻痺(脳梗塞)を来たす可能性もあるかと考え、該当する胸の血管を調べてみました。

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解剖図を開き、該当する血管の位置を確かめたところ、
Fさんの胸柄の左を走る動脈名は、内胸動脈であることが判りました。
(下図のイラスト参照)
スクリーンショット 2018-12-05 12.10.35
上図のように、左内胸動脈は、胸中央の左側を走っています。
そして左胸に、その枝を広げています。
また下方に向かっては、筋横隔動脈や腹壁動脈と吻合しています。
内胸動脈の流れは、腹腔内の状況を反映することが想像されました。
スクリーンショット 2018-12-05 11.42.05
内胸動脈は、胸部を上方に向かって走り、
鎖骨付近で、上行動脈、総頚動脈、鎖骨下動脈などと複雑に絡み合い、吻合しています。
解剖図から、内胸動脈は、腕や頚を走る多くの血管群と複雑に影響しあっている状況が想像されました。

---------以下は推理のシナリオです-------------------------------

Fさんの事例を解剖図と照らし合わせて推理してみると・・、

 Fさんは最近、職場が変わり、前屈み仕事が増えていました。
  前屈み姿勢によって胸部への圧迫があり、肩コリもあった。
Fさんはベトナム旅行で、大好きなベトナム食を食べ過ぎ
    腹力が落ちていたのでしょう。
 ①,② の状況によって、
内胸動脈を始めとする上行動脈の力が弱まり
 腕の動脈(おそらく尺骨動脈)に、その弱まりが及んだ。
腕の動脈の血行不良によって、周囲の皮膚組織が硬化した。
 そのため「肘が痛い。常時痛い」という症状を来したと思われます。

もし胸の上行動脈の弱まりが、頚椎の動脈の血行不良に及べば
脳への血行不良となり、脳神経細胞が瀕死の状態を来します。
さらに脳細胞が死滅すれば、片半身麻痺の脳梗塞を来すでしょう。

Fさんの症状が ⑥ に及ぶ可能性は低いかもしれませんが、
危険のシグナルとして考えられると思われます。

------------推理のシナリオは、以上です。------------------------------

脳梗塞(片半身麻痺)への推理のシナリオはともかくとして、

Fさんの事例を経て、
Mizは、一つ、大事なことを学びました。
それは、
「肘が痛い」というお客様の訴えや症状が、
肘の関節の問題ではなく、
血流の問題であることもあり得る
、という教訓です。

そして、単に「肘が痛い」という訴えであっても、
大きな問題とつながっている場合もある
ことを考え、慎重に対処しなければいけない、という教訓です。


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1 コメント

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Unknown (nonohana)
2018-11-30 22:05:40
いつも貴重な臨床レポートをありがとうございます。
Fさんの体調が良くなって良かったですね。
最近、身体の不調が改善することについて、数少ない経験ですが
思うことがありました・・・。
骨格部分や組織の直接的な調整にしろ、気功的な調整にしろ、
最終的に血流にあるべき相応の変化(血流の速度、量、成分、位置、方向等々)が生じた時に、改善に向かうスイッチが入るのではないか、と。
先生のような厳密な議論はできませんが、お客さまがリラックスして寝入った時に現れる様々な変化を見て、思った次第です。
また興味深い事例を楽しみにしています。


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