猫田たま男くんのまともな仕事をよこせ!ブログ

「日本版エグゼンプションは死を招く」改め、労働のトピックスなどを紹介(08年5月リニューアル!)

緊急 アキバ事件と派遣労働

2008年06月09日 | 意見
昨日の日曜日、歩行者天国で賑わう秋葉原で凄惨な事件が起きました。
無差別な通り魔による犯行で7人が死亡するというあまりにも悲惨な事件です。
翌日の月曜日になって、会社名は伏せているものの、容疑者がある工場で派遣労働者として働いていたと報道されるようになりました。
報道によると、容疑者が働いていた職場で派遣契約が更新されないかもしれないといううわさが流れ、その矢先にロッカーから彼の作業着がなくなります。これに激情して暴れる容疑者。インターネット上の書き込みに「辞めろということか」と記したと伝えられています。
これが木曜日。会社には容疑者の契約を打ち切る意向はなかったようですが、翌日の金曜日には会社を無断欠勤。土曜日を挟んで日曜日に凶行に及んでいます。
派遣労働、とりわけ工場でのそれは一般的に夜間勤務などがあってきつく、かつ、生産量の調整に合わせて契約がなくなるなど、雇用が不安定なことが多いのが現状。改善すべき労働条件も少なくないと思われます。
こうした中、今後、事件と派遣労働を結びつけるような報道も出てくることが予想されます。
たしかに今回の事件は契約を切られる(仕事がなくなる)かもしれない、という不安定な働き方の中で起こったことだとは思います。
しかし、職場での出来事はきっかけに過ぎず、かつ、どんなことでもきっかけになり得たのではないかと考えます。
結論を言います。この事件と派遣労働、彼が派遣労働者であったことは間接的な関係はあっても、直接的な関係はないと考えます。
今後、もしかしたらこれらを関連付ける報道やネット上での書き込みもでてくるかもしれません。しかし、これらは場合によっては、派遣労働者とりわけ工場で働く派遣労働者を犯罪の予備軍のように受け止める方向に流れかねず、とても危険なものだと思います。
今回、それを危惧して緊急に新聞やテレビでの報道をもとに、考えるところを書き綴ってみました。

亡くなられた方々のご冥福と、負傷された方々の1日も早い心身の回復を祈ります。

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1 コメント

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狂気の沙汰の元凶 (KANNO)
2008-06-11 11:39:25
お疲れ様です。日研総業の派遣社員の通り魔事件は狂気の沙汰でしたね。その元凶の一つに職場環境があるのは間違いないでしょう。工場での派遣社員は人間扱いされていませんからね。日研総業なんて会社も人材派遣会社とは名ばかりで実際には人身売買企業ですから。秋葉原での通り魔予備軍が今の日本にはかなりの人数でいることが予想されます。あの犯人も犯行に及ぶ前にユニオンに相談していたらあんなことにもならなかったろうにと思いますが・・・。犯行は狂気の沙汰でしたが今の日本の派遣社員の職場環境もまた道具扱いされる狂気の沙汰の環境です。個人的に今回の事件の犯人は死刑にするより他にないと考えますがこのような犯罪を防ぐには日本を風通しのよい社会にしなければならないでしょう。そのための一つが派遣法の改正であり登録型派遣の廃止です。残念なことに今回の事件は派遣労働者のおかれている状況について社会に認知させるのに我々の運動よりもはるかに影響が大きかったようです。犯行は断じて許すことはできませんが派遣労働者がここまで精神的に追い詰められていることは事実です。犯罪予備軍と称すのはいささか語弊はありますが安定した生活を送っている者よりも不安定な生活を送っている者の方が犯罪を起こす確率が高いのは間違いありません。学校にせよ職場にせよ日本には虐めや差別がはびこっているのが現実です。このままなら、この手の犯罪は増える一方でしょう。しかし、派遣社員を道具のように扱う連中が殺されるのならともかく、まったく関係の無い人が殺害されるのはあまりにも悲しい・・
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