若き日のヒラリー・ロダム
月曜日の軍事法廷のつづきです。2012年にリビアで起きた米国在外公館襲撃事件「ベンガジ事件」について語られています。
この事件は米領事館の大使らが襲撃以前から警備の強化などを求めていたのにも関わらず、国務長官のヒラリーが受け入れず、セキュリティの問題があったとこと、事件の背景にヒラリーの私用メール問題があったといわれています。
この事件で亡くなった4人の犠牲者のうちの2人の遺族らが当時の国務長官ヒラリー・ロダム・クリントンを告訴中なのだそうです。
「私用メール問題」
米科学学者連盟（FAS）の「政府秘密に関するプロジェクト」のディレクター、スティーブン・アフターウッド氏は、この問題は重要だとした上で、私的な電子メールの記録が政府の手になければ、情報公開法の対象から外れてしまい、議会の監視も受けなくなると述べた。
ドリンカー・ビドル・アンド・リース法律事務所の弁護士で米国立公文書館の訴訟担当ディレクターを13年間務めたジェイソン・バロン氏の見解によると、クリントン氏は私的な電子メールのみに依存し、しかも記録保存のための政府機関にメールを提出するのにこれほど長い時間かかったという2つの点で、規則を拡大解釈したと言えるという。
バロン氏は「公務遂行のため私的な電子メールアカウントを利用すること自体は非合法ではない」としながらも、「極めて異例なのは、公職にある間ずっとGmailのような私的なアカウントだけを用いている点だ」と述べた。
2014年の連邦法では、公務のための私的な電子メール使用は、公式の政府アカウントにメールをコピーするか転送しない限り禁止されている。こうした規則や指針は、クリントン氏の国務長官在任中にはなかった。しかし、2009年に施行された指針は、連邦機関が非公式アカウントで公務を遂行するのを職員に認める場合、確実に記録を保存しなければならないという内容だった。（以下略）
引用元：
WSJ 2015年3月4日付
「Update: Clinton Military Tribunal: Day 3」
月曜日の午後の議事進行は、ベンガジで悲劇的に命を落とした 4 人の勇敢なアメリカ人を称える厳粛な沈黙の瞬間から始まりました。
ジョン・G・ハニンク中将は、足かせにされたヒラリー・クリントンに目をそらして立っていた。クリントンは、クリス・スティーブンス大使、情報将校ショーン・スミス、CIAの請負業者と元海軍特殊部隊のタイロン・ウッズとグレンの写真を表示するデジタルホワイトボードを避けるために、彼女の魂のない目を著しく避けたドハーティ。ハニンク中将は、3 人の役員による法廷で、彼らの死は防ぐことができたと語ったが、クリントンは、リビアの暫定政府や、ムアンマル カダフィの殺害後に台頭した反米イスラム過激派グループとの友好的な関係を育みたいと考えていた。
「被拘禁者クリントンは、アメリカ人の命を守ることよりも、テロリストと友達になることに興味を持っていました。多くの人にとって、7年前のことは忘れがちですが、私たちは忘れることはできません。アメリカ人の命に対する拘留者の冷淡な無視のおかげで、4人のアメリカ人がアメリカ国旗をかぶった木の箱に入れて家族のもとに帰ったことを忘れることはできません」とハニンク中将は法廷で語った。彼は法廷にいる2人の男性と1人の女性に、ジハード主義者がアメリカの外交施設に火を放った後、テロ大使スティーブンスが黒煙に窒息し、生きたまま火傷をしたとき、彼らが可能であれば代理で感じたに違いないことを想像するように頼んだ。あるいは、ウッズとドハティが耐え忍んだ極度のアドレナリンに駆られて、アンサル・アル・シャリアの侵入者の群れからCIAの別館を13時間守った。「クリントンの役割を確認する必要はもうありません。それはよく知られています。はい、彼女はそれが終わるまで侵略を知らなかったと言っていましたが、それは証明可能な嘘です。 CIAの別館の職員が、1マイルも離れていない外交官庁舎が燃えているのを見たとき、彼らはすぐにクリントンの部下であるウィリアム・バーンズ国務副長官に通知し、彼はクリントンに電話をかけた。午前3時に彼女はベッドで寝ていた。
彼女はそれを悔やむことはできず、CIAの請負業者は、別館が次に焼け落ちることを知っていて、救出したいと彼女に言った.しかし、クリントンは拒否し、これが私たちの知る方法です」とハニンク中将は語った。彼は、その夜に発生した電話の録音を再生しました。バーンズと話しているのは明らかにクリントンの魔女のカックルだった。
「州は大規模な攻撃を受けています。アロー (CIA 附属書に対する国務省のコードワード) は救出したい。彼らは自分たちが次に来ると思っています」とバーンズは語った。「午前3時ですが、どうしますか？」クリントンは言った。
「アローに許可を与えることはできますか？」
長い沈黙の後、クリントンは「絶対にできません。最後に必要なことは、アル・シャリーアに敵対することです。これが爆発したら、すべてをめちゃくちゃにする可能性があります。」その時点で、ハニンク中将はテープを一時停止し、爆弾を投下しました。彼は、クリントンの主な関心事は政府の秘密作戦を保護することであり、シリアの反アサド反政府勢力に武器を密輸するための隠蔽として、ベンガジの外交使節団がCIAによって使用されたと主張。もしベンガジでのCIAの存在が公の記録の問題になれば、武器密輸作戦は崩壊し、リビアの暫定政府は、リビアの地にアメリカの足がどんなものでも不利に見えるだろう.
ハニンク中将は録音を再生させました。「矢は立つことだ、聞こえるか？次に何が起こるかは気にしません。彼らは動かないだろう」とクリントン氏の発言が聞こえた.
「もしアメリカ人が死んだらどうしよう」とウッズは尋ねた。「何が起こるか、何が起こるか。午前中に簡単に説明してください。ベッドに戻ります」とクリントン氏は語った。ハニンク中将がテープを殺した。 「この件での彼女の有罪を判断するために、もっと聞く必要がありますか?私はそうは思いません。テープはそれ自体を物語っています。あなたの前に座っている被拘禁者は、これらの 4 人の死亡の直接の責任があり、責任を負う必要があります。彼女は彼らの死に加担し、反逆罪を犯している」と述べた。
彼は裁判所に、彼らが聞いたことを要約するよう求め、訴訟は火曜日の午後に再開すると述べた。
引用元：
ヒラリー・ロダム・クリントンのバイオグラフィー
■ヒラリー・ロダム時代
1947年10月26日にシカゴ生まれ。父ヒュー・ロダムは第2次世界大戦中には海軍の保健体育指導員だった断固たる保守派で、子供たちには努力して成功するよう発破をかけ続け「 男に出来ることは女にも出来る」と教育。
また、母ドロシーの教えで「自分がこうと決めたことは何でもできるんだ」と確信するようになったともヒラリーは語っている。
15歳のときキング牧師の講演会に参加。公民権や米国の未来について語ったキング牧師は演説の後、住民の大多数が白人で保守的なシカゴ郊外に暮らす早熟な15歳少女と握手した。ヒラリー・クリントンはこの出会いが、自分にとてつもない影響を与えたと話している。
分厚い眼鏡をかけ（近視の度が強いほど、眼鏡をかけたときには目は小さくみえる）、実はブロンドでなかったようだ。
ヒラリーが学んだウェンズリー女子大学はUSニューズ&ワールド・レポートの2019年ランキングで全米の「リベラル・アーツ・カレッジ」中第３位。全米女子大学中のランキング１位。(女子大学中２位はスミス大学の11位)。各種の女子大学ランキングでは常に最上位に位置する超名門校。
ウェンズリー大の卒業式で、卒業生代表として同級生や教師たちを前に答辞を述べた際、ヒラリーは主賓のエドワード・ブルック上院議員（共和党）が学生による政治的抗議運動を批判したことに対して即興で情熱的に反論し、全国的に注目されたそうだ。
69年エール大学のロースクールに進学し、そこでアーカンソー州の出身のリベラリスト、ウィリアム・ジェファソン・クリントン（ ビル・クリントン）と出会う。
「二人はたちまち、一心同体のような関係になった。コネチカット州ニューヘイブンにある大学の近くに、一緒に暮らす最初の家を借りたのと同時に、政治の世界の長い旅路を一緒に歩き出した」 と語っている。
■ロースクール時代に民主党大統領候補マクガバン議員の応援
この年の大統領選の民主党候補は、サウスダコタ州選出のジョージ・マクガバン上院議員で、当時、7年も続き多くの死傷者を出していたベトナム戦争についてマクガバン議員は米軍の行動を公然と激しく批判。
ビルとヒラリーは学業の傍ら、マクガバン候補を応援すると決め、選挙活動に参加するが、マクガバンは現職のニクソン大統領相手に敗北。
（注）ベトナム戦争：従軍兵員数は8,744,000 人、戦死47,434人 その他の死者10,786人、対象期間は1964年8月4日から1973年1月27日。（出典：The World Almanac and Book of Facts 2014）
■弁護士として「ウォーターゲート事件」の捜査に参加したヒラリー
マクガバンに圧勝した2年後にニクソン大統領は「ウォーターゲート事件」で 弾劾裁判を受けるとになり、疑惑を捜査する下院司法委員会は特別検察官にジョン・ドアー弁護士を任命。公民権運動を支援しジョンソン政権の64年公民権法の策定に参加したドアーは、旧知のビルとヒラリーにウォーターゲート事件の捜査に参加するよう誘う。
アーカンソー州知事選を目指していたビルはこれを辞退したが、ヒラリーは応じ、弱冠26歳でニクソン大統領の弾劾裁判の証拠を集める弁護士チームの一員となった。
■ビル・クリントンとの結婚
アーカンソー州の主務長官だったビル・クリントンは1974年の州知事選では敗れた。ヒラリーはすでに何度か、ビルのプロポーズを断っていたのだが、ついに「Yes」と答え、2人は1975年10月自宅の応接間でメソジスト派のビック・ニクソン牧師の司式で結婚。
ヒラリーは前の晩に母親と選んで買ったドレスを着た。80年に娘チェルシーが生まれ、2014年の自伝「Hard Choices （難しい選択）」の中で、ヒラリーは当時のことを「自分の心に従ってアーカンソーに行た。娘チェルシーの誕生で、その心は愛であふれかえった」と書いている。
1975年ビルはアーカンソー州知事に当選。ヒラリーはアーカンソー州のファーストレディとなった。
その傍ら、ヒラリーはローズ法律事務所に職を得て、直ちにパートナー（共同経営弁護士）に昇格。
この頃まで旧姓ロダムを使い続け、法廷弁護士としてのキャリアを持つヒラリーは、典型的な政治家の妻ではなく、自身が注目を集め、収入も州知事の年収は上限3万5000ドルと定められていたため、稼ぎが多いのはヒラリーの方だったのだとか。
1991年にアーカンソー州知事夫妻としてホワイトハウスの晩餐会に出席。
1992年大統領選挙に出馬したビルは「ひとつ買えばもれなく2つ」とジョークを飛ばし、共和党はクリントン夫妻に対し「この2人をどうやって止める？」と警戒。
注目度が増すにつれ、ビルと州政府職員ジェニファー・フラワーズが12年にわたり不倫関係にあったというスキャンダルなどが報じられ、この報道を受けクリントン夫妻は大統領選挙の年である1992年1月にCBSテレビの報道番組「60ミニッツ」に出演。
ビルは12年間の不倫は否定しつつも、夫婦関係を傷つける問題行動はあったと認め、その横でヒラリーは「私は（カントリー歌手）タミー・ワイネットが歌うみたいに、ただ自分の男を支え続ける可愛い女としてここにいるのではなくて、私はこの人を愛して尊敬しているから、そしてこの人と私たちが一緒に乗り越えてきたことを尊重するから、ここにこうして座っているんです」と発言。
つまり、ヒラリーにとってビル・クリントンは夫である前に「政治の世界の長い旅路を一緒に歩き出した」パートナーだったわけで、同時に、後年オノヨーコが暴露しているようにヒラリー本人がLGBTだったのであれば、むしろビルの裏切りを許すことができたのかもしれない。
■ファーストレディとなってから土地取引を巡る汚職「ホワイトウォーター疑惑」で追求を受ける
92年11月3日夫のビル・クリントンが現職の「パパ・ブッシュ」大統領を破って第42代米国大統領に当選。
大統領1期目のクリントン夫妻のアーカンソー州時代の土地取引を巡る「ホワイトウォーター疑惑」が持ち上がる。
96年にはヒラリーもファーストレディとしては異例の大審問を受けることになった。
引用元：
ビル・クリントンは96年に大統領の再選を果たしたが、98年に「モニカ・ルインスキー事件」の醜聞で世界の注目を集めることとなった。そのときもヒラリーはファーストレディとして毅然とした態度を貫いた。
自伝「リビング・ヒストリー」の中で彼女は「ビルの支持率は、世間の間では高いままだった。しかし私の中では完全に底を打ってしまった」と語っている。
自伝「リビング・ヒストリー」の中で彼女は「ビルの支持率は、世間の間では高いままだった。しかし私の中では完全に底を打ってしまった」と語っている。
■ヒラリー本人もLGBTだった？
実は後年、オノ・ヨーコがヒラリーの大統領選への出馬についての彼女の考えについて尋ねられたとき、ヒラリーがエール大ロースクールにいた70年代、短い間に二人は恋愛関係にあったと暴露している。
「私たちは1970年代のニューヨーク・ベトナム戦争の抗議活動中に何度も会って、とても親密になりました」「私たちは性的平等について多くの同じ価値観を共有し、私たちが育った権威主義的で家父長的で男性が支配的な社会と戦っていました」と記者団に語り、「ジョンとマンハッタンに住んでいて、ヒラリーがイェールで勉強していたとき、私たちは短いロマンチックな喧嘩をしましたが、最終的には連絡を失いました」と付け加え「物事がうまくいっていることに驚き、彼女の幸運を祈っています」と語ったそうだ。
■上院議員時代（2000年～2008年）
2000年に長年ニューヨーク州選出上院議員を務めた民主党のダニエル・パトリック・モイナハンが引退を表明し、NY市市長で共和党のルドルフ・ジュリアーニが出馬を表明。ジュリアーニ市長の高い支持率を危惧した民主党は、冷めることないクリントン人気に期待をかけ、ヒラリーに白羽の矢を立てた。
ジュリアーニが前立腺癌治療のため出馬を取り止めると、共和党の後継候補ラヅィオ下院議員では勝負にならずヒラリーは得票率で55パーセントを得て当選し上院議員となった。
この頃一貫して青少年の保護を主張し、暴力的な内容のコンピュータゲームに登場するセックスシーンなどを問題視して、未成年者に対するこれらの販売を禁止する法律の制定に積極的な立場をとった。
2006年の上院選挙では、共和党候補に得票率で67パーセント対31パーセントという大差をつけて勝利。
選挙後にビルが複数のインタビューで「（今後）ヒラリーが大統領選に出馬するかしないかは分らないが、ヒラリーが大統領になったとしたら素晴らしい大統領になることは間違いない」と発言し、大統領選への出馬が現実視され始める。
■2007年大統領選挙の民主党の予備選挙でバラク・オバマに敗北
2007年1月20日、2008年アメリカ合衆国大統領選挙への出馬を正式に宣言。元ファースト・レディーの知名度に加え、人気や集金力でも民主党内では群を抜いており、CNNが行った世論調査では、民主党大統領候補にはヒラリーが相応しいとする声が40パーセント、バラク・オバマ上院議員の21パーセント、ジョン・エドワーズ元上院議員が11％だったが、蓋を開けてみればヒラリーは序盤からつまづき、民主党の指名選挙でオバマ候補に敗北。
ヒラリーはこの民主党の指名候補争いで多額の選挙費用を計上し、外部コンサルタントや業者に対し6月の時点で1200万ドル（約10億8000万円）の負債を抱えることになり、大統領選挙直後からその返済に追われることになった
■オバマ政権1期目に国務長官を務める（2008年～2012年）
その後発足したオバマ政権では国務長官として加わり、2012年アメリカ合衆国大統領選挙ではオバマの再選に尽力などとあります。
主にこの時期からの数々の悪事（前述）の数々などによって、キューバの租借地であり米国法の「治外法権」にあるグアンタナモ米軍基地の「軍事裁判」にかけられて、彼女に対する「米国」からの裁きが下ったということだったのかもしれません。
引用元：
