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韓国が日韓GSOMIAを破棄した背景~反華為同盟に参加できない韓国軍

2019-08-23 04:48:10 | 韓国・北朝鮮
去年の平昌五輪期間中の2018年2月14日、韓国・JTBC(中央東洋放送) が、韓国の気象観測衛星「千里眼1号」が故障し、確認後3日が過ぎても原因が判らず、「韓国気象庁は (五輪会期中の)天気予報を、日本の衛星資料を借りて行っている」と報じていた。


韓国気象庁は「日本の衛星資料は解像度が高いため、予報に大きな影響はない」などとしれっと説明。


韓国のネット民たちから「プライドはないのか」「どうりで最近の天気予報はよく当たると思った」と皮肉交じりの声も上がる一方で「やっぱり情報力では日本にかなわない。日本ありがとう!」などと感謝する声もあった。


その後、韓国は昨年の12月に南米のギアナ宇宙センターから気象衛星「千里眼2A」を打ち上げてもらい、稼働している「気象衛星」(注)1基体制というのが現状。


■「偵察衛星」の保有国でない韓国
独自のロケット打ち上げ技術がない韓国は「偵察衛星」を一機も保有しておらず、イスラエル・仏・ドイツの偵察衛星を賃貸して使う案も検討されたそうが、当然拒否され計画は失敗に終わっている。文在寅が2022年に予定している韓国軍の戦時作戦権返還に必須の、「独自で北朝鮮に対する情報を得るための資産」である「偵察衛星」をまだ確保できていないと報じられていた。




「偵察衛星」とは光学機器(望遠レンズ付カメラ)や電波などを用いて、地表を観察し地上へ知らせる軍事目的の人工衛星(軍事衛星)である。別名「 スパイ衛星」とも言う。


電波を使用した「レーダー偵察衛星」やその性能・機能向上型の「合成開口レーダー(SAR: Synthetic Aperture Radar)偵察衛星」の登場により、夜間や雲に関係なく宇宙から地上の画像データが入手可能。


赤外線を含む光学型(EO/IR衛星)とSAR型のそれぞれの偵察衛星は、現在多くの先進国と呼ばれる国々で打ち上げられ運用されているが、軍事機密の為、詳しい情報は不明なことが多い。


日本は昨年の2月に種子島宇宙センターから打ち上げたH2Aロケットから衛星軌道に乗せた情報収集のための電子工学赤外線衛星(EO/IR衛星)も含めて「偵察衛星」を7基体制で運用している。


これらの「偵察衛星」の運用により、現在の日本は自然災害の災害現場の被害把握や、北朝鮮の弾道ミサイル発射の動きを監視することが可能で、その他の地球上のあらゆる地点を1日に1回以上撮影できる体制を備えている。


他国を監視するばかりではなく、「偵察衛星」を活用した国土のインフラモニタ化も促進されているのが日本なのだ。


参考:


韓国政府が昨日、日韓GSIMIAを延長せずに破棄すると発表しており、日本政府内では驚きの声が上がっているものの、地上レーダー以外には偵察衛星を一基ももたない韓国から得られる情報は北の脱北者などからの「ヒューミント」(英: HUMINT、Human intelligence) が主体で、日韓GSOMIAの恩恵は、米国からリアルタイムの情報を提供してもらえない韓国に、日本がもつ情報を即時的に提供してもらえるという韓国側のメリットの方が圧倒的に大きかったわけで、実際のところ、日本にとっては殆ど影響はないらしい。


■韓国軍と反華為問題
2019年の5月時点で、米国の主要同盟国のうち「華為(ファーウェイ)排除」に忠実な国として日本、豪州、ニュージーランドが挙げられる中、韓国国防部も通信網など軍のセキュリティーに関連し、華為技術の装備使用実態を全数調査したと報じられていた。


米韓連合司令部などの米軍当局の協力要請を勘案して施行したそうで「反華為同盟」参加に向けた米国の要求が現実化している中で、韓国軍は「華為の装備を使用していないかどうかが焦点」であったものの結果は公開されていないらしい。つまり韓国軍は現実的には華為製品が排除できないという実情らしい。


今年の5月24日付の「中央日報」は、韓国軍当局関係者によるとセキュリティーCC(国際共通評価基準)認証が必須の核心通信網では華為の製品は見つからなかったものの、非セキュリティー領域に華為の製品が使用されていることが確認され交換を進めていることを明らかにした、と報じられていた。


華為コリアの関係者は「韓国国防部に部品を数年間供給してきたが、今までセキュリティー問題が発生したことはない」とし、今回の調査がどのような経緯で行われたかは明確でないものの、軍専門家は昨年末から強まった米国の反華為戦略と無関係でないとみて、韓米連合軍司令部も国防部に調査現況を随時確認していたらしい。


米国務省は「外交ライン」を通じて米国側に立てという「メッセージ」を数回送ったと伝えられた。軍通信網だけでなく民間の第5世代(5G)網でも華為の装備を使用するなという要求を行っているそうだ。


中央日報によると、「韓国産業界に及ぼす影響も少なくないとみられ、防衛産業が直撃弾を受けるという分析も出ており、米国はすでに自国防衛産業企業に中国産製品をどれほど使用しているかを調査中で、韓国国防部も通信網を越えて武器システム全般に調査を拡大する可能性があるという見方が出ている」と報道。


国防技術品質院の関係者によると「中国産の完成品はほとんどないが、(韓国軍の装備には)華為の半製品は少なからず使用されている」とし、「技術力も悪くなく価格が安い」「武器に入る部品は中国産と分類するだけで製造会社別に分類しないため、華為の製品かどうかは事実上確認が不可能」と指摘した。



韓国政府が直ちに「華為使用禁止」を防衛産業全般に広める可能性は低いというのが韓国軍の軍事専門家らの分析で、その理由は、中国によるTHHAD(高高度防衛ミサイル)報復の再発が懸念されるからと分析。


韓国のKAIST(韓国科学技術院)安保融合研究院は「国防部が突然、国内に納品する製品に中国産部品を使うなと防衛産業関連企業に要求すれば、業界の打撃があまりにも大きい」とし、その理由に国内納品用と輸出用を別々にする非効率が発生する可能性があり、価格競争力が重要な輸出のためには中国産部品の使用が避けられないという理由を挙げている。


結論をいえば、日韓のGSOMIAは実は、華為を完全に排除できない韓国軍と米軍との軍事情報を日本を介して間接的に補完する意味合いがあったわけであるし、だからこそ、米国も日韓GSOMIAの延長を韓国に求めたのであるが、これを破棄したということは、日米韓の軍事同盟の事実上の破棄を意味しているのである。


しかし韓国軍は既に華為問題から在韓米軍との作戦の連携が不可能な状態にあり、つまり日米韓の軍事同盟が機能することは事実上不可能といえる。


引用:



(注)気象衛星とは:
「気象衛星」に搭載される観測機器は運用する国によって異なる。主なものに
「イメージャー観測光学系」
地球の画像を観測するタイプのものは(天気予報などで目にする衛星からの雲画像は、この光学系観測による)可視光線及び赤外線を用いる。赤外線は夜間観測のほか、雲の温度を示すため、雲高測定にも用いる。
「サウンダー観測」
ある一定の波長帯の電磁波を捉えて、鉛直構造、あるいは精度の高いオゾンなどのガスを観測する。
「宇宙環境監視システム」
静止軌道上において、太陽から到来するX線や、高 / 低エネルギー荷電粒子、磁力、陽子、太陽を直接撮影して、地球上の電離層擾乱や衛星の運用警報、さらには宇宙船外活動などに役立てることを目的としている。かつてGMS-4まで、宇宙環境モニターを観測していたが現在、GMS-5、MTSATには装備されていない。

「気象衛星」は「地上にあるもの」ではなく、大気圏や宇宙にあるものを観測するための衛星。



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2 コメント

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GSOMIA (泉城)
2019-08-23 21:08:25
GSOMIAは3年前までは無かったもので、伝達した軍事情報を外部に漏らさないという取り決めですから、破棄は日本にとって事実上困ることではないと思います。
日韓のダイレクトな軍事情報のやりとりは年1回の日韓防衛首脳会談くらいで、この2年は軍事情報の交換はほぼ無しに等しいです。
文在寅としては、破棄は朴前政権時代に締結された「積弊」の全面否定の既定路線の一つで予想されたことです。
ただ、北朝鮮などに対抗する日米韓の軍事同盟にはイメージとしてマイナスです。また、日本にとっては、文在寅の流れのままでは日本の人的、資金的な増大が予想されますから、より小型で経費のかからない無人戦闘機などの軍事的装備で補っていくことが重要な気がします。
一方で、文在寅政権はいずれ内部崩壊すると思います。日本では報道されませんが、反日デモは1万人ですが同日の反文デモは5万人です。
韓国ギャラップの調査ではGSOMIA破棄後の文在寅政権の支持率は下がりましたし、ウォンも急落です。
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こんばんは (kamakuraboy)
2019-08-23 23:37:38
コメントをありがとうございます。このままの流れだと。日本は対中国の防衛ラインの最前線になってしまう可能性が現実的になってきましたね。

この前イランの領空内(?)で米軍の無人偵察機がイラン軍に撃墜されたそうですが、イランの無人攻撃機カラーンは実は2010年に落とされた米軍の無人標的曳航機をベースにコピーしたものだそうです。今後は局地戦はこのような「無人機」同士の戦いということになるのでしょうか。

ご指摘のように韓国国内では「反文在寅弾劾デモ」が起こっているのも事実ですね。今後果たして韓国の普通の市民パワーが自国を西側陣営に立て直せるかどうか・・・経済も厳しい状況になっており、中露に北ともども取り込まれてしまいそうですね。
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