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スペイン王室の現在④~スペイン王室と秋篠宮家との関係は最悪というほどか?

2020-10-02 18:37:22 | ヨーロッパ
今年4月19日に皇居宮殿・正殿松の間などで行われる方向で調整が進められていた秋篠宮殿下の立皇嗣の礼(りっこうしのれい)や、エリザベス女王のご招待を受けて今年第2四半期(5月初旬を軸に)ご訪問が調整されていた天皇皇后両陛下の即位初の外国ご訪問も延期となった。


4月に非公式ではあるが天皇陛下は、その時点で世界規模で3番目に多い16万人の感染拡大が起こってしまったスペインに対し、国王フェリペ6世と電話でお話をなさったのだそうだ。


2014年戴冠式に臨み、即位の宣誓を行った新国王フェリペ6世とご家族


スペイン王室の分家の一員でありながら社会主義派で「赤いプリンセス」と呼ばれた旧パルマ公国の公女で(フェリペ6世の遠戚にあたる)マリア・テレサ王女が、今年の3月に新型コロナの感染でスペインの王族として唯一(新型コロナで)死亡なさったため、陛下はその弔意もお伝えになったのであろうといわれている。


主として日本とスペイン両国の対応や解決に向けた連携、国際協力について話を交わされたあとで、最後に紀子さまのスペインご訪問が延期となったことについても言及なさったのだそうだ。


秋篠宮皇嗣妃殿下紀子さまは「結核予防会」の総裁を務められており、今年予定されていた「母子愛育会」と「結核予防会」の国際会議ご出席のために7月と10月にそれぞれオランダ、スペインご訪問が予定がされていたそうなのだ。


すると、フェリペ国王から驚くべき反応が返ってきたそうだ。


(紀子さまの)スペインご訪問の話はフェリペ国王ご本人は全く聞いていない
し、おそらくレティシア妃も知らない。初めて聞いた話だ、と。


■天皇ご夫妻とオランド王室、スペイン王室との関わり
皇太子時代、天皇陛下は6回もスペインをご訪問なさっている。


7年前の2013年(平成25年)6月10日~6月16日の日程で 「日本スペイン交流400周年」名誉総裁としての単独でご訪問。雅子様はこのとき、残念ながらスペインご訪問を見送られている。


一方で、同年2013年(平成25年)4月28日のオランダの王位継承行事で、皇太子ご夫妻は即位式やレセプションにご臨席され、療養中の雅子様が11年ぶりの公務での外国訪問が実現している。


雅子様は同年10月29日には来日されたオランダ国王夫妻歓迎行事にご公務として5年ぶりに出席され、宮中晩餐会にも11年ぶりにご出席。それくらい雅子様とオランダ王室とは密接なご交流があったのだ。


雅子さまが同じ年の数か月前にオランダにはご訪問されながら、スペインには訪問されなかった理由を「(日本スペイン交流400年で)多数の公式行事があり、一週間で五つの都市を訪問する忙しい日程 だったため」と皇太子殿下はご説明なさった。


しかしその背景にはオランダ王室に対する雅子様の感謝の思いがおありであったのだろう。


2006年8月、病気療養中の雅子様はオランダベアトリクス女王のご招待で、皇太子さま、愛子さまと共に2週間ご静養で森の中のヘット・アウデ・ロー城に滞在なさっておられる。このとき雅子様は動物園や水族館、美術館を訪れるなど、オランダ王室ご一家の温かい歓迎とリラックスした時間を過ごされる機会があったそうだ。


当時オランダのハーグには雅子さまのご両親も滞在中で、ご家族団欒の時間も楽しまれるなどの機会があったことも大きかったようだ。



2006年8月18日、オランダ、ヘット・ロー宮殿の馬車庫にて皇太子ご一家とオランダ王室のご一家。ご病気の雅子様には日本にいるときには見られなかった心からの笑顔がみられた。(愛子さまと手をつないでいるのはご長女のアマリア王女)左がベアトリクス女王、右がマクシマ妃とアレクサンダー王子(現オランダ国王)


現在のオランダ王室の子女は3人
カタリナ=アマリア・ベアトリクス・カルメン・ヴィクトリア(2003年 - ) 
アレクシア・ユリアナ・マルセラ・ローレンティン(2005年 - )
アリアーネ・ウィルヘルミナ・マクシマ・イネス(2007年 - )


■ブエノスアイレス生まれのオランダ王妃マクシマ妃
実は雅子様やスペインのレティシア妃同様、オランダの王妃マクシマ・ソレギエタ妃も民間出身で、アルゼンチンのブエノスアイレスで生まれた人物


父ホルヘ氏は裕福な農場経営者で、ホルヘ・ラファエル・ビデラ政権時代に農林大臣を務めた。


1995年にアルゼンチン・カトリック大学で経済学の学位を取得し、1999年に米国NYで銀行に勤めていたとき、友人主催のパーティーがあったセビリアのバルで、親戚に紹介された女性と一緒にいたオランダのウィレム=アレクサンダー王子と知り合い、そのときの出会いがきっかで王子と交際が始まった。


王子との結婚前、実はオランダ国内ではマクシマ妃の父ホルヘ氏が、軍事独裁政権であったビデラ政権の閣僚であったことが問題視された。「罪のない市民の大量虐殺を引き起こした政権の実力者の娘と、次期王位継承者との結婚を許していいものか、もし結婚を選ぶなら王位継承権を放棄すべきだ」との世論が巻き起こったのだそうだ。


結局、父ホルヘ氏は大量虐殺には一切関与していなかったとの結論が出され、2001年1月31日の女王ベアトリクスの誕生日に女王夫妻とウィレム=アレクサンダー王子、そしてマクシマが並んで写された写真が公表され、女王と王配クラウスが2人の結婚に賛成の意向を示していることを公に示し、同年の5月17日マクシマはオランダ国籍法に基づくオランダ国籍を取得。


マクシマ妃は王子との結婚式の数日前、女王ベアトリクスによってマクシマ妃にオランダのプリンセス(Prinses der Nederlanden)の称号と殿下(Koninklijke Hoogheid)の敬称を授与されている。



■スペイン国王夫妻
フェリペ6世国王は2014年6月に退位した前国王から王位を継承する前の皇太子時代に3回来日している。


2004年5月22日、国営TVキャスターのレティシア・オルティスと結婚し、2005年6月2日、レティシア妃と共に結婚後初めて日本を訪問し皇居での晩餐会に出席。同年6月5日、「愛・地球博」を訪れている。


国王としての最初の来日は2017年4月で、その際は国賓として来日したスペインのフェリペ6世国王夫妻を歓迎する宮中晩餐会が5日夜、皇居・宮殿で開かれ、天皇皇后両陛下(現上皇・上皇后両陛下)の主催で、皇太子ご夫妻(現天皇・皇后両陛下)や皇族方、安倍晋三首相夫妻ら170人が出席。


宮内庁によると、この出席数は2016年10月のベルギー国王夫妻を招いた宮中晩餐会と並び平成に入ってから最多だったそうだ。


宮中晩餐会では天皇陛下は戦後間もない1953年皇太子時代にスペインを訪問なさった際の思い出を語り、東日本大震災で福島第一原発事故に対応した警察や消防隊員らに対し、フェリペ国王が皇太子時代に「アストゥリアス皇太子賞」を贈られたことにも触れ、「真に大きな励ましとなりました」と謝意を伝えたそうだ。


レティシア妃はその際に雅子様に対して「お元気そうでお美しい」と語られた。



そして、去年の10月の即位に伴う正殿の儀への列席のために国王夫妻は来日し、雅子様のお顔をみるやいなや、挨拶の前に抱きしめておられる。
似たような立場のマクシマ妃への対抗心や、国民人気を失いつつあるスペイン王室の国内向けに、伝統ある日本の皇室との親密ぶりをアピールする意図もあったのではないかと想像する。

実は公式の場面で王族などの国家元首同士でも、相手の腕などに触れることは厳密にはマナー違反なのだそうだ。しかもこのきレティシア妃は雅子様の背中をぽんぽんとたたいている。


この日、同じ場面で、デンマークのメアリー王妃は極めて優雅に「カテシー」でのご挨拶をなさっている。これがプロトコル通りであり、日本の皇室へのマナーなのだ。


ヨーロッパの女性王族が挨拶に行う「カテシー」をする前に、いきなり抱擁したレティシア妃の態度は親しみの情からであってもやはりマナー違反。しかし雅子様はこのとき笑って応じられていた(この瞬間は明らかに驚いておられたようなのだが)


■その一方でレティシア妃の秋篠宮紀子さまへのご挨拶は確かに極めてあっさりしたかなりそっけないものだった。



しかし、日本の皇位継承順の第1位と2位のお二方のいる筆頭宮家でありながら、国際社会での秋篠宮皇嗣妃殿下紀子さまの「認知度」については、皇太子妃時代を経て皇后になられた雅子様に比べれば「認知度」が低いのは当たり前だろう。


「秋篠宮家アンチ」の正体不明の「愛子天皇押し」の人々がこれを秋篠宮家たたきの恰好の材料にしていた。


ヨーロッパ王室では王女でも長子が王位を継承されることが殆どであるため、愛子さまを日嗣の皇子とせず、弟の秋篠宮殿下がいわば皇太子のようなお立場であるということの意味を、理解もしくは認識されていないようで、それは日本の皇室の伝統とヨーロッパの王族との違いなのだ。


レティシア妃の過剰な雅子様との親密さの「アピール」や雅子さまと紀子さまへの親密度の差をもって「秋篠宮家アンチ」などからはネット上では紀子さまの方がお気の毒な言われ方をしていたが、この批判は紀子さまではなく、一方へは過剰な態度で、一方には冷淡な態度をとるレティシア妃にこそむしろ向かうべきなのだ。


ギリシャの王族出身で「プロフェッショナル」(ハイメ氏 )であったソフィア前王妃であったならば、「よく知らない」人物に対しても日本の重要皇族妃に対してはあのようにそっけない挨拶ではなく、それなりに優雅な会釈をなさったのではないだろうか。


しかし、映像を見る限り「アンチ」が騒ぐほどレティシア妃やフェリペ国王が紀子さまに対して失礼な態度をとられているわけではないように思う。


■プロトコル(儀礼、典礼)とは
例えば2009年にバッキンガム宮殿でエリザベス女王と対面した米国の前ファーストレディーミシェル夫人がはエリザベス女王の肩に手を回すという行動に出て、王室関係者や英国国民からも「失礼だ」という声が上がり、当時国際問題に発展しかねない勢いで批判されたそうだ。


それほどまでに、国家元首同士の挨拶の仕方、並び方、席順などの「プロトコル(国際儀礼)」は重要視されている。


国家元首はその国を象徴する人物であり、その人物に対する作法はその国に対する敬意と礼節を表すものだからこそ大切なものとされるているようなのだ。


女王の背中や腕に触れた瞬間のミシェル夫人


女王の体に触れるのは重大な儀礼違反女王から手を差し出されない限り握手もしてはいけないのがマナー」なのだそうだ。


このとき、ミシェル夫人のプロトコル違反にその場の空気が凍り付かないように、エリザベス女王は女王の威厳で即座にご自身もミシェル夫人の背中に手を回してさりげなく和やかなムードを演出されたのだそうだ。


ミシェル夫人は後日このときのことを回顧録「Becoming(原題)」の中で以下のように弁解している。


「そのときは知るよしもなかったのですが、私は極めて無礼と見なされることをしてしまいました。英国女王の体に触れてしまったのです。その後すぐに明らかにそれはしてはいけないことらしいと知りました」


「バッキンガム宮殿ではふさわしくないことをしたかもしれません。でも私がしたことは少なくとも人間らしいことでした。あえて言いますが、女王も気にしていなかったと思います(私が女王の体に触れたとき、女王は私を近くに引き寄せて手袋をはめた手を軽く私の背中においてくれたからです」


女王はミシェル夫人の行動を「気にしなかった」のではなく、王室プロトコルを知らない相手なので「仕方がない」と赦したのだと思うのだが・・


■スペイン王室の王室らしくない状態
紀子さまのご意向から、今年の10月の「結核予防会」総裁としてのスペインへのご訪問はスペイン国王夫妻には告げず、プライベートな行事になさるご予定だったようだ。


秋篠宮家は次世代の日本の皇室を担う極めて重要な方々なのだが、レティシア妃とフェリペ6世国王の秋篠宮紀子さまへの昨年の宮中晩餐会における皇后雅子様へのレティシア妃の「プロトコル」を乗り越えた親愛の態度に比べれば極めてそっけなく、紀子さまの落胆(あるいはお怒り)はある意味で仕方がないようではある。


前記事に書いたように、60年来の王室ジャーナリストで前国王とも親交があったハイメ・ペニャフィエル氏 はスペイン現国王のフェリペ6世を「父親ほどの能力のない無能な人物」と酷評しており、スペイン王家初の民間出身の王妃レティシア妃については(彼女は結婚前に高校時代の教師との離婚歴があったばかりか、自分の従妹によって堕胎を暴露されているのだが、カトリック国スペインでは堕胎は違法な行為(注)であり、「平民を王室にいれて王室の品位を落とした」と酷評。


■スペイン王家の人気が低下
前国王カルロス1世の次女クリスティーナ王女夫妻の脱税と横領事件(最高裁判決で禁錮5年10月の実刑判決が下り、現在収監中)などを受け、カルロス国王の退位を求める声が高まっていたことに加え、カルロス国王自身の「像ボツワナ像狩り旅行」(像狩りは「ワシントン条約」違反)や、その際自らを誤射し入院したことで、愛人とのお忍び旅行だったことが発覚し、それまで沈黙してきたスペインとドイツ(愛人はドイツ女性だったので)のメディアがカルロス国王の醜聞についてついに記事を掲載するようになった。


前国王の愛人は最初に結婚した英国人富豪とは娘を産み5年で破局、次々に有名人と浮名を流し、2000年に再婚したドイツ貴族の息子を産んで離婚するなど、メディアによれば、「マネー及び爵位ハンター」という言う札付きの人物だった。


カルロス前国王から多額の6500万ユーロ(約79億円) がこの女性に送られ、もちろんその金の出処はスペインの国庫である。後にカルロス国王はこのことで、自身の誤りを認めて国民に謝罪しているようだが、その金は返還されようはずもない。


ハイメ氏は「スペイン王室に残された時間は長くない」とまで断言している。


実は、昨年12月に現在の左派系のスペイン首相夫妻が国王夫妻に対して「プロトコル違反」したと指摘されていたが、その映像では、国王夫妻は10月の来日のとき様子に比べ、むしろスペイン国内では弱々しく非常に自信なげな様子にすらみえる。


フランシス・フランコ将軍の王室への思いも空しく、スペイン国内の現状と王室の面々の不正やスキャンダルなどから、国民の王室への信頼と尊敬の念が薄れ(なくなり)、もはやスペイン王室の「存在意義」すら疑問視されていることから、スペイン王室の未来はやはり長くないのかもしれない・・


おまけ
2017年11月に国賓として来日し、離日の前の挨拶で帰国前にもう1度皇居に立ち寄った際のトランプ大統領が天皇陛下(現上皇陛下)の腕に触れて2回ポンポンとたたいた(とされる)この動作も実はマナー違反ではあるが、この人なので、しょうがないようで・・



注:
スペインでは1985年にできた旧法では、強姦された場合と胎児に障害がある場合を除き、妊娠中絶には投獄という厳罰が課されていた。しかし、女性が精神的うつ状態であるということを証明すると中絶が可能だった。 2010年2月に妊娠中絶禁止の緩和法が可決成立し、新法により、16歳、17歳の女子は、妊娠14週までなら、親の承諾なしに妊娠中絶ができるようになった。

つまり逆にこの年齢より上の年齢の女性の堕胎は違法であることには変わりがない。左派政権のこの動きに対して、カソリックの国スペインでは、かねてから宗教界を中心とする反対派が大規模な反対運動を展開中なのだそうだ。


引用元:






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