美と知

 美術・教育・成長するということを考える
( by HIGASHIURA Tetsuya )

クラス通信 2009年11月10日

2009年11月09日 | クラス通信Ⅲ(高1)
◆文化祭が終わりました。1Cはジャズ喫茶“EAST BACK”を営業。 「1Cのクラス企画として皆が出せる力を寄せ合って、いいものができた!お前らようやった!食品大賞とったら最高やと思ったけどそう甘くはなかった・・・でも、1年生で食品2位もすごいか…」 これが担任の正直な感想です。
1階と比べて3階で食品やること自体がお客さんの数でかなりのハンディとなりますが、それでも開店から閉店までお客さんが絶えることなく、売り上げもほぼ目標ラインまで行けたのは各自の役割分担をしっかりと務め上げ、さらにお互いの連携があったからです。全員がてきぱきと気持ちよくがんばってくれました。



◆文化祭、いい加減に手を抜こうと思えばかなり適当に過ごせます。でも、あえてしんどい道を選択することが、実は「自分の生き方」との勝負なのだと思うのです。思いっきり参加する。役割を担う。いろんな気づきを経験していく。もちろん時間の長短、仕事量の大小の違いはありますが、そこを比較するのではなく、自分ができることを100パーセントやりきったかどうかを大切にする。

ある日主人(神様)が旅に出ます。そして3人の弟子に5タラント、2タラント、1タラントを与え、自分が戻るまで預かるように言います。5タラント預けられた者はそれを元手に商売を始め、それを2倍にして帰ってきた主人を喜ばせました。2タラント預けられた者も、2倍にして主人を喜ばせました。1タラントを預けられた者だけが、「失くしては大変だ」と土に埋めてしまい、帰ってきた主人をがっかりさせました・・・(マタイによる福音書25:14-29)

この「たとえ話」は、神から与えられた才能(タラント)を、生きている間にどれだけ生かして増やしていくか・・・ということではないでしょうか。
どうしたら自分の才能を活用できるのか・・・ 一獲千金なんていきなり大きなことなんてできません。今自分の目の前に現れてくることに対していかに真剣に、誠実に取り組んでいくかどうか。その姿勢が自分の能力を活用し大きく増やしていくこととなるのではないでしょうか。
人と比較せず、自分の力を100パーセント出しきろうとするかどうかです。各人の生き方を大切にし、お互いを応援しあえるクラスにしようではありませんか。


EAST BACK”最終担当チーム

クラスメンバー①

クラスメンバー②
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クラス通信 2009年9月29日

2009年09月29日 | クラス通信Ⅲ(高1)
◆ 感性、そして本物の力について

「残念なことに、私たちの多くは大人になるまえに澄みきった洞察力や、美しいもの、畏敬すべきものへの直観力をにぶらせ、あるときはまったく失ってしまいます・・・」(レイチェル・カーソン『センス・オブ・ワンダー』)

知識が豊かでも、感性の乏しい人と何かについて話しをしていても根本のところではわかりあうことはできません。「知」と「感性」の両方の交信があって初めて物事を真に語り合い、共有し、平和な社会を生み出すことができるのです。
多くの知識を持って、多くの言葉を振りかざしている人でも、何か一つ「深いもの」を持っていないと、すべてが上っ面の知識で終わってしまいます。自分の底の浅さに気づくことすらできません。
知が深まることによって感性が深まり、感じることによって知の活動もさらに大きくなるような相互的な関係が大切です。
高校時代多くの事柄、知識を学びます。そのことによってばらばらにある情報と情報の関係性を理解し、結び付けていくことができます。「感性」によって「論理」と「イメージ力」の両方を深いところで結びつけるのです。

「感性」によって裏づけされた「知」は行動を伴います。

頭でわかっているけど行動に移せない・・・知識だけの人間では値打ちがありません。事に当たってこれを解決しようという時に、「こうしたらどうだろうか・・・」とか、「こうあらねば・・・」と考えることのできる判断力、そしてそれを実際の形にしていく行動力を持つことが本物の力です。そんな力を育む生きた学びを考えてほしいと願います。

「・・・せっかく見識をもっていてもそれを実現する力がなければ役に立たない。いかなる抵抗があっても、いかなる困難があっても、信ずるところを敢然として断行し得る実行力、度胸を伴った見識が胆識であり、胆識というものがあって初めて本当の知識人である。」(安岡正篤)
* 胆:はら、たん、肝っ玉(魂)、大胆、胆力(たんりょく)


豊かな「感性」を持った人のみが獲得できる「本物の力」があるのです。
「感性」を深め、鍛えるためのレシピを持ってますか?

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クラス通信 2009年7月22日

2009年07月22日 | クラス通信Ⅲ(高1)
◆1度きりの高1の夏休み
 1学期、この3ヶ月の高校生活は自分にどんな意識をもたらしましたか?中学時代とは違いましたか?1Cは、合唱コンクール3位、スポーツ大会3位、と結果を残すことができました。C組の一人一人の能力の高さを物語っています。この勢いでこれからの学校生活を大いに楽しみ、力を出し切っていきましょう。
さて、高校生活最初の夏、いろいろなことに真剣にチャレンジし、勉強し、本も読み、出会いを大切にしていこうではありませんか。
夏休みはこれまでの学習範囲の積み残しを取り返すチャンスです。しかし、部活動に熱中するあまり勉強が後回しになりがちです。スケジュール管理をしっかりと試み、メリハリのある生活・学習リズムを構築できるかどうかが試されるのです。

 人には「肉体としての生命」と、「人格としての生命」があります。
スポーツは「肉体としての生命」を徹底して鍛えることで「人格」をも形成します。クラブ活動で心身を鍛え、高い目標にチャレンジしてください。
本を読んでください。自分の生活経験知や学校で習う知識だけでは、君にとっては小さすぎるのです。本を通しての大きな出会いを経験してください。人生観を揺さぶるような出会いが本の中にあるのです。
 毎日、英語の勉強をしてください。クラブでどんなに疲れても、毎日集中して英語に取り組んでください。文法の復習・暗記、単語・熟語の徹底暗記・・・ クラブ活動で疲れるのは当たり前です。勉強をしない言い訳にはなりませんよ。
 勉強をしない言い訳、本を読まない言い訳は、「疲れた…見たいテレビがある…帰るのが遅くなった…」というように捜せばいくらでも見つかります。でも、自分の大切な将来のために、自分が今、「自由に使える時間」を投入して、自分の人生の準備をしていくことの意義をしっかりと考えてください。
さまざまな経験の中から自分を活かす「学び」を構築し、自分自身をデザインしていくことが高校時代最も大切なことなのです。
努力です。がんばりきる精神力が、未来の君の大きな人格を形成するのです。

物事をしない言いわけを探さない

ひとつの勝負を大切にしない者は、すべての勝負を失う

この2つの言葉を自分のものにしてください! いい夏休みを!!

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クラス通信 2009年7月22日

2009年07月21日 | クラス通信Ⅲ(高1)
◆夏休みには本を読もう。本との出会いは人間を大きく成長させます。社会を知り、優れた先人を知り、自分を見つめるチャンスです。 

◇>『知のソフトウェア』立花隆、講談社現代新書、756円
   今私たちは何を学び、どんな力をつけなければならないのか・・・この本を読みながら考えてみよう。
「知」のソフトウェア (講談社現代新書 (722))
立花 隆
講談社

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◇『物の見方考え方』松下幸之助、PHP文庫、490円
   松下幸之助を知らない人いますか。この人の本はたくさん出版されています。どれも私たちに気づきを与えてくれます。人間として働く意味、生きる意味を考えることができます。
物の見方考え方 (PHP文庫 マ 5-3)
松下 幸之助
PHP研究所

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◇『成功への情熱』稲盛和夫、PHP文庫、580円
   日本のベンチャー企業第1号ともいえる京セラ、そしてKDDIの創業者です。働くということと、人間として生きるということを自然の摂理の中で追求した稲盛氏の人間学。思いを実現するのは高い志と人間としての思いやりだということを考えます。
成功への情熱―PASSION (PHP文庫)
稲盛 和夫
PHP研究所

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◇『座右のゲーテ』斉藤孝、光文社新書、735円
   具体的に教養高く人間力を高める方法を、ゲーテという知の巨人を手がかりに考えていくことができます。生き方に迷っている君、もう一度自分を見つめなおしたい君、ぜひ読んでみよう。
座右のゲーテ -壁に突き当たったとき開く本 (光文社新書)
齋藤 孝
光文社

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◇『大河の一滴』五木寛之、幻冬舎文庫、500円
   がんばれない人生がある。前向きに力強く生きたいけど、今の自分の生き方はダメなのではないか・・・誰もがマイナス思考になるときがある。でもそんなマイナス思考の中にも勇気と希望を見つけ出すことができる・・・この本にはそんなメッセージがたくさんあります。生き方いろいろ・・・
大河の一滴 (幻冬舎文庫)
五木 寛之
幻冬舎

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◆自分の人生を変えるような本との出会いがあります。500円で買える本の価値は、私たちの心の中で、値段がつけられないぐらいの大きな価値を生みます。そんな本に出合える人生は幸せです。
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クラス通信 2009年6月30日 大学のこと

2009年06月30日 | クラス通信Ⅲ(高1)
今、全国に私立大学は500校以上あり、そのうちの約40%(約200校)が定員割れを起こしており、約25%(約120校)は定員充足率が半分を切って、いわゆる経営難の状態に陥っています。 兵庫県尼崎市の聖トマス大学(旧英知大学)、兵庫県明石市の神戸ファッション造形大学が相次いで募集停止を発表するなど、身近なところでも定員割れが続いて廃校となる学校が出てきました・・・

大学の一般入試の志願者総数は、昨年度のべ300万人いましたが、
関東の早稲田、慶応、上智、明治、青山、立教、中央、法政、日本、東洋、駒沢、専修
関西の関西学院、関西、同志社、立命館、京都産業、近畿、甲南、龍谷

以上の20校に、その300万人のうちの半分近くの出願が集中しています。

関関同立だけでものべ25万人の受験者がいます。
  2009年度“関関同立”入試志願者動向
   ●同志社  4万8073→4万5459 (94.6%)
   ●立命館  8万3165→7万6231 (91.7%)
   ●関西   8万3161→7万9293 (95.3%)
   ●関西学院 4万8698→5万0936 (104.6%)


18歳人口の大学進学率が50%を超え、出願して受験さえすれば合格してしまう大学が多く存在する今、大学で過ごすことの意味を自分でしっかりと構築していかなければなりません。

 就職の段階では、人気企業は10000人を超えるエントリーがあるそうです。
どうやって企業はそこから人材を絞り込むのでしょうか・・・
人物の中身をこの段階で人事担当者が目を通してチェックすることはおそらくできないと思われます。

第一段階:書類上での大学名での振り分け・・・
        (残す大学と捨てる大学の選別)
第二段階:書類上での学業成績、クラブ活躍歴などの実績評価・・・
        (普通ではない、目立つ項目・・・)
第三段階:書類上での資格や能力の人物評価・・・
        (具体的な能力の有無、その人物の志向・・・)
第四段階:面接での能力評価・・・(集団面接での比較)  
第五段階:面接での人柄評価・・・
        
と絞っていくのが普通ではないでしょうか。

第一段階で大学のブランドは役にはたちます。 歴史と伝統があり、しっかりとした教育活動、研究活動を続けている大学のブランド。
このブランドを手に入れるためには受験生としての努力が求められるからです。 昔はそのブランドだけ就職できるような時代もありましたが、今は大学のブランドだけではダメです。

その人が 大学で何を学び、どんな経験を積み上げてきたか・・・
その人が どんな能力を身につけたか・・・どんな資格を持っているか・・・
そして、その実力はいかほどか・・・
と具体的なその人の「力」が問われるのです。

大学受験の無い私たちは、高等部1年生の今から、いろいろなことに真剣にチャレンジし、いろいろな本を読み、いろいろな出会いを大切にし、自分を見つめていこうではありませんか。

さまざまな経験の中から自分を活かす学びをしっかりと構築し、自分自身をデザインして下さい。考えるのに早すぎるということはありません。

大学のある学部に入学してから全く違う分野に進路変更するのは大変な労力がかかります。しかし、高校時代には、学校で習う教科の勉強の比重を少し変えるだけで、進路の可能性は何処にでも開かれているのです。

もうすぐ1学期期末試験です。「本気」の君を楽しみにしています。
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