アメリカ:闇の支配構造と略奪戦争

社会構造を分析しています。

戦争がなくならないのはなんで?:ノート1

2012年11月03日 | 記事
■ 戦争がなくならないのはなんで?

1. これまでの戦争
・ 戦火が世界的な規模で広がったのが、第1世界大戦、第2次世界大戦。特に日本ではヒロシマ・ナガサキに原爆が落とされた。その後は、大きな戦争もなく、日本は平和憲法でやってきた。
・ しかし、ここ最近は、自衛隊がイラクに行ったり、隣の国で核兵器が開発されたりしている。日本だけ戦争は関係ないといえない状況にある。どうして、あれ程のつらい思いをしたのに、人々は戦争をなくすことができないのだろうか?
   
2.「平和を大切に」だけでは思考停止
・戦争映画とかを見て「怖い、いやだ、平和がいい」というような感情を刺激する平和教育が戦後長らく行われてきた。しかし、それだけではだめで、むしろ「平和を唱えるだけ」で思考停止してしまって現実を見なくなると危ない。大切なのは、どうして戦争が起こるのか、どうしたらなくせるのか、と追求すること。

3.生存圧力⇒私権第1の価値観が戦争の引き金
・ 現在、どこで戦争がは起こっているか
・ ヨーロッパ、アメリカ、日本といった先進国どうしでは今は戦争が起こっていない。起こっているのは発展途上国である。
・ では発展途上国で戦争が耐えないのはどうして?豊かになると戦争がなくなるのはなんで?
⇒貧困の時代は、自分が生きていくのに必死。他人を蹴落としてでも、自分のものになる土地やお金や権力が欲しい。(私権第1の価値観)。そうした私権第1の価値観のものが他人の縄張りをあらしだすと、奪われた方も奪い返すようになり、玉突き的に縄張り争いが拡大していく。⇒殺人・戦争が正当化され、武力が力を持つ(武力支配)。
・ つまり、生存圧力⇒私権第1⇒縄張り争い⇒殺人・戦争の正当化⇒武力支配!
・ 逆に、豊かさの実現=生存圧力の消滅⇒他人を蹴落としてでもという私権活力は衰弱⇒戦争より安全・安心⇒戦争はなくなっていく。

4.豊かさが実現された国から戦争はなくなっていく
・実際、先進国は次第に、軍縮の流れにあります。しかし、例外の国がある。どこか?
  ⇒それはアメリカ。実際、アメリカは世界中で戦争を起こしていて、先ほどの発展途上国の戦争にも、アメリカが関わっているケースが大半である。
  ⇒どうして、アメリカは、戦争を続けようとするのか?そしてそれをやめさせることはできるのか?

■補足1:時代別の戦争の変遷

●古代の戦争
貴金属・領土・奴隷を求める国家(そして宗教)のエゴ(集団自我)の対立によって戦争は引き起こされてきた。(但し、国敗れて山河有りといわれるように、戦争の主体は一部の支配階級のみで、普通の人々=農民は戦争を望んでいた訳ではない)

●近代の戦争
近代になって、市場社会化が進むことで、私権獲得の可能性が大衆的に開かれた。
それによって、他の国には負けられないと資源等を巡る縄張り争いが激しくなり、次第に「戦争は必要」という共認が成立した。
その結果、植民地・資源を求める市場と国家の共犯関係から植民地支配→侵略戦争が世界的に広がってき、さらに市場経済の破綻(恐慌etc)からくる社会的混乱は、ますます各国の自己正当化・他者否定を加速し、戦争を先鋭化させていった。

●現代の戦争
しかし科学技術戦争=核の傘は全面的な戦争を不可能にし、戦後は冷戦時代に。そして私権原理から共認原理に転換したにも関わらず戦争は今もなくならない。その震源地はソ連崩壊後、「世界の警察」を自負するアメリカ。特にCIA・等の諜報機関が紛争の仕掛け人として暗躍、裏で戦争を操っている。

■補足2:戦争は本能か?

本能の中にはオス同士、メス同士が闘うという性闘争はあっても、同類を殺すまで闘うことはない。(それでは種が滅んでしまう)。人類において本能を超えた「同類殺し」までもが可能になったのは、人間に固有の自分さえよければという自我回路が本能回路に相乗収束した結果。自我が個人間で究極的に発現したものが殺人等であり、それが集団自我として共認され、最大の縄張り闘争として発現したのが国家間の戦争。



山澤貴志