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ダンダリン・労働基準監督官 最終話

2013-12-12 15:27:10 | 2013秋ドラマ
最終話(第11話) 「何のために働くのか…監督官としての答え」

段田凛(竹内結子)は労働基準監督官を辞めると言い出したが、南三条(松坂桃李)はかつて自分を叱咤した段田の言葉を話して笑いながら受け流そうとする。
すると段田は、自分は強くはなくて今まで何度も心が折れそうになった事があると言って、大学時代に同級生だった岸本(金井勇太)の事を話し出す。
岸本は社会保険労務士として担当になった会社について、今段田が臨検に入ったら会社がつぶれてしまうと段田に訴えたが、段田が「監督官としてそれは出来ない。公私混同は出来ない」と言い切り、その結果会社が倒産してしまって岸本は責任を感じて自殺をしてしまったのだった。
段田は「大勢の社員が体を壊してもうボロボロだったんです。でも、なんていうか…心のずっと端の所に、小さなトゲが刺さったまま抜けなくなりました。それでも私は監督官として走り続けました。働く人を守る、その事だけを考えて。『山のあなた』を目指して走り続けました。で、そうやってきた結果が、今のこれです。私のせいで南三条さんの公務員人生が台無しにされようとしているんです」と話すが、南三条は段田の頭を両手で挟みながら「あなたには責任がある!僕を叱り飛ばし、僕に監督官を続けたいと思わせた責任がある!働く人を守ることは、僕たち監督官の仕事の根っこだとを教えてくれたのは段田さんですよ?だから今段田さんがすべきことは、監督官を辞める事ではなく、小西美月(石橋杏奈)さんを救うことです!確かに小西さんは僕をハメたかもしれません。でも、あの会社に一緒に行った時から違和感があったんじゃないですか?僕が逮捕されてからも実は一人で調べていたんじゃないですか?」と話す。
すると段田はフッと表情を和らげ「さすが私の指導係ですね。安心しました。もし私がいなくなったとしても、南三条さんのような監督官がいてくれれば大丈夫です。失礼します。本当に巻き込んでしまって申し訳ありませんでした」と頭を下げて帰ってしまう。
翌朝、段田は真鍋署長(佐野史郎)と監督官たちに、今回の件はアプリドリーム社長・飯野(柄本明)が自分への恨みを果たすためのものであることを打ち明け、今日の夜11時の送検期限までに南三条の無実を証明することに全力を注ごうと声を掛ける。
監督官たちは休暇を取り、小宮(トリンドル玲奈)の友達も動員して、美月を探し出すことと、南三条の車に美月が自分から乗ったのを見た者がいないか目撃者を探すことにする。
そして、段田は土手山に美月の父親について調べてもらうと、美月の父親・健司(布施博)は飯野が経営した前の会社・御子柴電機で窮状を労基に訴えた従業員の一人であったことが分かる。
土手山は健司に会いに行き、美月の事について尋ねるが、健司とは現在絶縁状態にあることが分かる。
美月の住むアパートを張り込んでいた温田(水橋研二)は、美月の恩師が亡くなった事を知らせに来た友人と話をすることができ、美月は翌日の葬儀に現れるのではないかと期待するが、翌日だと送検期限までには間に合わない。
夜10時を過ぎても進展が無かったため、段田は真鍋に退職届を提出し、それを署長室の外から見届けた社会保険労務士・胡桃沢(風間俊介)は飯野に電話で報告をし、美月の被害届は取り下げられる。
南三条は釈放され、翌朝監督官たちは署長室に集まるが、段田が退職届を出して連絡が取れなくなった事、退職が本局に伝わって宿舎をすみやかに退去するようにという連絡が入ったことを真鍋から聞き、監督官たちは一様にうなだれる。
すると監督課課長・土手山(北村一輝)は「せめて段田の代わりに俺たちに出来ることがあるじゃないか?段田は『働く人を守りたい』そう思って監督官をやってた。どうにかして小西美月にもう一度正式に申告してもらおう。それが段田の弔い合戦だ」と言い、真鍋も「これは署長命令だ。アプリドリームの実態を明らかにし、違法があればガツンと行け!」と言って、監督官たちはアプリドリームの臨検に向けて動き出す。
監督官たちは退去命令が出た段田の宿舎に行って荷物を運び出し、その様子を物陰から見ていた胡桃沢は飯野に電話で報告をして「(アプリドリームの担当として)これから改めてよろしくお願いします」と話すが、飯野は「よくよく考えてみたら、うちの担当は君じゃない方がいいと思うんだよ。だって、南三条という男が訴えてきたら、君にも取調べが入るかもしれないし…目標達成したんで」と言って電話を切ってしまう。
その後、美月の恩師の葬儀会場に行った監督官たちは、現れた美月に声を掛け、会場の近所にある土手山のマンションまで美月に来てもらう。
美月は「私は何も話しませんよ。それにもう全部終わったんじゃないですか?あの段田って人、監督官を辞めたんでしょ?なら私はそれで満足」と言って部屋に入っていくが、そこには段田が座っていた。
段田は、飯野からの危険を回避するために土手山のアパートに身をひそめていて、退職届を真鍋は受理しておらず、本局からの宿舎退去命令は狂言でカモフラージュのためであった。
美月は「(南三条の警察での拘束は)たった2日じゃないですか!私たち家族の苦しみは、2日どころの話じゃないんです!私は段田凛という監督官を絶対に許しません!監督官なんて大嫌いです。労働基準法違反とか言って会社潰して、自分たちは税金でのうのうと暮らしているような公務員は大嫌いです!父がどんな目にあったかも知らないで…私は見ていられなかった。会社があなたに潰されて、父がどれだけ傷ついたか…あなたみたいな人を不幸にするしか能のない監督官には今すぐ辞めてほしいの!」と怒鳴るが、そこに真鍋が小西健司を連れて入ってくる。
健司は美月に「昔より今の方がずっと幸せだぞ。父さんはな今、初めて幸せのために働いてる。今の幸せを守るために働いている。段田さんに感謝してる。恨みなんかこれっぽっちもない。あの会社に段田さんが調査に来てくれなければ、きっとみんな過労死してたんじゃないかって、あの頃の同僚と今話してる」と話し、段田に「ありがとう」と頭を下げる。
そして健司は美月に「今お前が御子柴(現姓:飯野)社長の元で働いている方が心配なんだよ」と話し、土手山は「あなたを含め従業員の皆様は、ちゃんと働く者の権利が守られた環境の中で働くことが本当にできていますか?」と尋ねると、美月は首を横に振ったため、段田は美月から会社の状況を詳しく聞くことにする。
日が変わり、段田が岸本のお墓参りに行くと、そこに胡桃沢の事務所の代表・相葉博美(賀来千香子)がやってくる。
段田が「岸本君に色々報告することが出来ました。私はこれからも監督官を続けます」と話すと、相葉は自分がアプリドリームの顧問となった事を告げて「問題点が無いとは言わないけれど、一年間で300人近い雇用を生み出しているという意味では、素晴らしい会社だと思います」と話す。
段田が「私はアプリドリームを潰したいわけではありません。でも働く人の権利を守りたい。この思いはただの青臭い正義感でしょうか?」と尋ねると、相葉は「以前も言ったわよ、素敵だと思うわ」と声を掛け、段田が「企業を守ると強くおっしゃる相葉先生のその正義感も、私は素敵だと思います。岸本君は、きっとあなたのように働きたかったのだと思います。そして私は、働く人を守るために働きたいです」と話すと、相葉は「お互いいい仕事をしましょうね」と声を掛けて微笑み合う。
監督官たちはアプリドリームの臨検に入り、駆けつけた飯野は段田の姿を見て驚き、美月が裏切るはずがないと話すが、美月は「この会社がおかしいと思っているのは、私だけではありません。みんなもっと仕事を好きになりたいんです。会社を好きになりたいんです。だから会社にも変わってほしいと思っています」と訴える。
段田が「(社員たちは)自分の目標を達成しようという成果申告のために、ずいぶん長時間労働をされているようですね」と尋ねると、飯野は「だからどうした?うちは裁量労働制だ!実際何時間働いているかなんて、社員が勝手にやっていることは知ったこっちゃない!」と怒鳴る。
すると監督官たちは「使用者は義務の一つとして労働者の健康、福祉確保措置を取らなければいけません。そのためには労働時間の状況を把握する必要があります。会社はちゃんと知っておかなきゃならないって事です。『常識内の勤務記録を付けろ』みなさんにもそう指示されていたそうですね」と話し、真鍋は「実に残念な習慣だ。日本人の勤勉さを利用した残念な環境だ。組織の言いなりになってばかりではいけないね。自分で考えないと…思考停止はいかんよ!」と社員に語りかける。
そして段田は「仕事、楽しいですか?ご自身が社長をやっている会社で社員が疲れた顔をしているのをどう思われていますか?人は幸せになるために生きているのではないんですか?幸せになるために働き、お金を稼ぎ、家族や友人との生活を守っているのではないんですか?幸せなんて関係ないって言ってしまったら、そこには働く意味なんてないんじゃないですか?そんなビジネスに一体何の意味があるんですか?」と言い放つ。
そんな中、相葉と胡桃沢がやって来て、相葉は「今回胡桃沢は、あなたにそそのかされて社会保険労務士として、一人の人間として許されないことをしました。彼は全てを告白しました。それで私は彼に『社労士として今出来る最良の事を考えなさい』と言いました」と話し、胡桃沢は「社労士の仕事は企業を守ること。僕はアプリドリームの大株主を一人ずつ訪ね、飯野社長と僕とでやってしまったことを洗いざらいお話しました。僕は人として恥ずかしい事をしました。罪を償う覚悟はできております。株主の皆さんはとてもショックを受けていました。経営手腕以前に人間性に問題があったことに。そこで臨時株主総会を開き、あなたの解任が決定しました」と言って退任勧告書を見せる。
相葉は「会社を私物化し、会社をいつか危機的な状況に陥らせるであろう社長を売ったのです。私は企業の存続こそが最も大事だと思っています。企業あればこそ人は仕事を得、生活を営め、社会は豊かになります。あなたのような人間が社長では、いつかアプリドリームは潰れてしまいます。ですから、手遅れにならないうちに対策を講じたまでです」と言い放ち、胡桃沢は南三条と段田に頭を下げる。
それでも飯野は、誰が社長になっても利益重視で安い賃金を使って働かせる結果になると言うため、段田は「そういう事をさせないために私たち監督官はいるんです!経営者が法律をきちんと守らないなら、私たちは何度でも現れますよ!希望はある、そう信じています!」と言って、飯野に是正勧告をする。
通常業務に戻り、南三条はふと段田に何故カール・ブッセの「山のあなた」の詩をつぶやくのかを尋ねる。
すると段田は「学生の頃に、岸本君とその詩について議論になった事があるんです。彼は『幸』なんてどこにもないっていう詩だと言いました。でも私は、とっても遠くてなかなか手には入らないけど、でも幸せは山の向こうのどこかにはあるんだ、って言いました。話は平行線で終わりました。そして私はずっと『幸は山のかなたのどこかに絶対にある』そう思って仕事をしてきました。これからもそう思って仕事を続けるつもりです。あれは、そう信じる希望の詩だと」と話し、南三条が「やっぱり段田さんは強いですね」と話すと、段田は「私は強くなんてありません」と言って・・・


というような内容でした。

初回の冒頭で監督官たちが喪服を着て段田の家の整理をしていたのは、こういうことだったんですね~。
この時は、土手山(+署にいる真鍋)だけが真相を知っていたのね(笑)
最初は「死んでしまうのか!?」と思っていたけど、だんだんと「流れ的に死なないだろうな」と思いつつ、柄本明さんが出てきてからは「なんか本当に刺しちゃうんじゃないか!?」と思ったりして、最後までちょっとドキドキしました
美月の恩師が亡くなったという話題が出てきた時には「これだ!!」と思いましたけどね

カールブッセの詩が毎回出てくるのはどういうこと?と、こちらもとても気になっていたのですが、
「『幸は山のかなたのどこかに絶対にある』そう思って仕事をしてきました」ということだったのですね。
私は「岸本派」でとても悲しい詩だなぁと思っていたので、どうストーリーと結びついていくのか見当がつかなかったのですが、段田の言い分を聞いて「なるほど、そういう見方もできるんだなぁ」と思い・・・
詩って難しいですね
(学生時代、国語が苦手でした・・・)
とりあえず、こちらも最後に説明がキチンと入っていて良かったです
最近「思わせぶりな演出をしておいて、思わせただけで(やりっぱなしで解決しないで)終わる」という作品が結構あるので、本作はそういうのが無くて良かったです。

胡桃沢と美月が豹変し過ぎじゃないか!?というのはありましたが・・・
まぁ、胡桃沢がやっていたのは、明らかに違法行為でしたからね
そこは相葉先生がガツンと言ってやったということでいいのかな?
相葉先生も、いつの間にか段田に表情を緩めていたけど・・・飯野の極端な手法を見て、「これじゃいけない」と考えを改めたってことなのかな?
美月は・・・父親の言葉を聞いてから臨検までの間に、しっかりと考えることが出来たってことなのかな?
あとは飯野・・・
あのままじゃ、また段田に復讐しそうに思えたのですが・・・
今回は逮捕された訳ではなさそうですし・・・
これらの点は、最終話が拡大SPなら、もっとじっくりと描いてもらえたかもしれませんね~。

私も残業をたくさんして、何のために働いているか分からない時期がありました。
体を壊しながらも働いていて、これじゃいけないと思って数年前に辞めたのですが・・・。
まぁ、それは私の仕事への取り組み方が不器用だったからというのも、今となっては思うのですが(もう少し器用にこなせればよかったな、と)。
段田のような監督官がたくさんいて目を光らせてくれればいいのですけど、実際にはそういう訳ではなく・・・
でも、このドラマで「何が問題なのか/法律に触れるのか」というのが分かりやすく描かれていたので、労働者側も経営者側も、労働基準法というのがどういう法律なのか再認識できたのではないかと思い、良かったんじゃないかな~と思いました。
法律違反はいけないのだけど、そういう深刻な事態に陥らないためにはどうしていけばいいのか・・・考えるキッカケにはなるのではないかな?と。
監督官や社労士が、ちょっと極端に描かれすぎていたかとは思いますけどね
去年放送していた「トッカン」よりは、私は観やすかったです。


最終話ということで、今回は「リーガルハイ」ではなくこちらをリアタイ視聴し、感想も先に書きました。
全話を通じての感想は、年内に改めて「2013秋ドラマ 勝手に総括&各賞発表」という記事にして書きたいと思っています。
この「ダンダリン」の感想の記事、コメントはあまり入らなかったのですが、閲覧数は結構多かったです。
こんなブログですが、お立ち寄りいただきありがとうございました!

※これまでの感想
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