Little Tree

日々のいとなみのなかで感じた子どものこと、季節の移ろいやこころに映る風景

家族の夏休み・・・『明日の神話』編

2006-08-17 20:15:35 | Weblog
お盆休みの終わった方もいらっしゃるかもしれませんが、我が家は昨日から夫が夏休みです。

日曜日に、お墓のお掃除とお墓参りには、家族3人で行って来ましたので
昨日は、お仏壇にお線香をあげて、お参りしました。

昨年までは、kirikouの歳の大きいいとこふたりが、まだ就職しておりませんでしたので
夫のきょうだいとその家族が皆で集まって、ワイワイとお盆を過ごしていました。

今年は、それぞれに忙しく、夫も仕事の移動があったりで
みんなのお休みを合わせて集まることができませんでした。

おばあちゃんの作ってくれたお稲荷さんのおべんとうを持って
やっとお昼前に、汐留の『明日の神話』に向かって出発しました。

朝方、降っていた雨もやんで、まだ少し怪しい空模様のなか
新橋までは、京浜急行で行き、
あっという間に、汐留の日テレプラザのゼロスタ広場に着きました

壁画は、想像していたとおり、迫力のある、とても大きなものでした。

すぐ間近で見るには、列に並んで人数制限があるらしく
思いの外、小さい子どもを連れた家族や若い人たちなどの人通りの多い
そんな、さまざまな人たちがせわしなく行きかう中で
とりあえず、壁画の前のカフェテラスのところに席を見つけて
壁画を目の前にしながら、お昼ごはんを食べることにしました。


壁画を見渡しながら上を見上げると、
ブルーのガラス窓が光っているタワーが高くそびえていて
右手のほんの少しの隙間から、青空と白い雲が覗いています。


なんともいえない、不思議な空間とその雰囲気にチョッとしっくりとしない気もしながら
その中心に存在している『明日の神話』を、ぼんやり眺めていました。

kirikouはというと、一目見てすぐに、中心の骸骨のようなモチーフに
大好きな遊戯王カードの何かを思い出したらしく
しきりにそのことを話していました。

そのあと、スタンプラリーに興味を持って
ポイントを探して、あちこちを走り回っていました。

ステージで、何かのイベントをやっていてカナリの人混みでしたので
何度か、危うく迷子になりそうになりながら
何とか、こちらのいるところに戻ってきたり
私の呼ぶ声を、不思議にキャッチして、事なきをえました。

「Be TARO!」の合言葉とクイズに答えて、
スタンプ3個を集めてガラガラポンをまわしたところ
「壁画の前での記念写真撮影」の大当りの赤い珠が出ました!!

写真ができるまでの20分ほど、kirikouと夫は、またアチコチ探検に出かけてしまい
私は一人で、ステージで始まったフルートやギターのデュオの生演奏を聴きながら
待つことにしました。

赤ちゃんを抱っこしたお母さんも、その心地よい響きやリズムに、体が左右に揺れていて
私も、いつしか軽いステップを踏んで、そのメロディを口ずさみながら
どこか懐かしい気のする音たちにつつまれていました。


ちょうどその頃、また雨が降り出してきました。

ふと、もう一度、壁画の前にきちんと立ってみたい衝動に駆られて
傘をささずに、近づいて観ました。

原爆をモチーフにしているということを聴いていたにせよ
真ん中にいる横にかしげた骸骨の顔も身体も、怖ろしいだけのものとは
少し違うような、印象が浮かんできました。

炎のような赤い大きなうねりが、ほんとうに動いているように見えてきて
その間に、黒く小さく描かれた人の影の周りには、小さな炎が踊っているかの様です。

言葉ではない、何かが伝わってきたような気がして
その黒い影からは、涙を誘うものが、私には感じられました。

けれど、また少し後ろのほうへ下がって全体を眺めてみると
左手に描かれた人らしき白いモノが、色鮮やかな背景の中に浮かび上がってきて

何だか、ほんとうに不思議な言いようのないものを感じたように思います。


さて、私の感じたなにものかを、いざ言葉にしようと思うと
ほんとうに、思うようにはいかないことを、つよく感じてしまい
こんなふうに、書いておくことが良いのかどうかもわかりません。

ただ、それでも、ささやかな印象を残しておきたいと
人は思うものなのかもしれない、というのが今の私の想いでしょうか?



最後に、帰宅してから聴いた『明日の神話』再生プロジェクトの中の
岡本敏子さんの音声解説の中から
、印象に残った言葉をご紹介します。


「これは、ほんとうに激しくって純粋でね。
ほんとうに岡本太郎そのもののメッセージよ。」

「ほんとうに、スゴイから。いいですよ…!
 もう、惚れなおしたわよ。ほんとに、いいの~。」

「何としても、日本に持ってきたいわ。見せたいわ、みんなに。」

「チョッとでもいいから、すけてね…。」

「みんなの力で、持ってきたいのよ。」


30数年ぶりに壁画と再会して、
日本に何とかして持ってきたいとおっしゃる敏子さんのお声は
ほんとうに、弾むような生き生きとしたメッセージを伝えていらっしゃいます。

多くの方といろいろなお話をしながら、力を尽くされるご様子は
壁画を、そして何よりも岡本太郎さんのことを
ほんとうに、どれほど大切に想っていらしたかということが、痛いほどに感じられます。



私は『明日の神話』の壁画の向こうに、

もしかしたら、岡本太郎さんや敏子さんや

そして、いまを生きている私たち一人ひとりの何かが

観えたような気がしてなりません…


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