Little Tree

日々のいとなみのなかで感じた子どものこと、季節の移ろいやこころに映る風景

「文化の日」・・・

2008-11-03 16:17:26 | 表現すること
午後になっても雲が晴れずに、何やら肌寒く感じられますね。

三連休も暮れなずみ、もう一冊読み終わった本の余韻に浸りつつ…
PCに向かっています。


カレンダーを見れば、今週の7日には「立冬」の文字もあって
いよいよ、冬の足音もそこまで近づいてきているのかもしれません。


お休みの一日を、ノンビリと本を読みながら…

先ほどまで、特集番組「テレビの可能性 吉田直哉が残したもの」という
NHKのディレクターの方の番組を観ていました。(以下転載)

『テレビの誕生とともに新たな可能性を追求してきたディレクター、吉田直哉さんが亡くなった。吉田さんは常にテレビとは何かを問い続けた映像界の第一人者であった。ドキュメンタリーのパイオニアであり、ドラマの世界に新風を巻き起こした吉田さん。誰よりも深くテレビを愛し、誰よりも幅広く映像表現に挑み続けた吉田さんの足跡をたどることで、テレビとは一体何なのか、テレビは何を伝えるものなのか、読み解いていく。』


テレビの誕生の時期から「テレビの可能性」を追い求めて
様々なテレビを介した表現に挑戦なさっていらしたそうで

子どもときに観て、その映像が怖くって忘れられなくなってしまった「太閤記」の一場面や
ミツコに扮した吉永小百合さんの語る「ドキュメンタリードラマ 国境のない伝記」を
観たことを思い出しておりました。


耳からの言葉や音楽と眼からの映像の力が、伝え残すモノ・コトの面白さは
ほんとうに奥深いものがあるんだなぁと想いました。


サテ…

先日、観てまいりました横浜美術館での「源氏物語の1000年」も、
会期が今日までとなってしまいましたが
皆様は、お出かけになってご覧になりましたか?


私のささやかな感想など、ほとんどお話をできないままになっておりましたが
きっと、皆様のほうがお詳しいかとも想いますので

私が目に留まったモノについて、二~三挙げておきます。

「浄土信仰」に関連して、藤原道長の収めたという紺の布地に写経したものや『宝宗華文経箱』や
数々の「金峯山出土品」など、当時の人々がそれらに託した想いの伝わる品々など。

『源氏物語』の言葉や場面が、いく種類もの写本や絵巻や屏風や扇などに写し取られ
現代に至るまで「和歌の本歌取り」に習うように…
語り継がれていった軌跡と、その作品群の多様さ。

現代の作品では、瀬戸内寂聴さんの本のために描かれた日本画の
紅葉の色の美しさや桔梗の花のさりげない配置に目が留りました。

他には、物語の作者としての紫式部の印象が、雪月花の「月」になぞらえられていましたが
実際の人物像は、いかがだったのでしょうか?

(そういえば…先日のNHK「その時歴史が動いたで取上げていましたね!

再放送は、再放送 平成20年11月4日(火)※月曜深夜03:30〜04:13 総合 全国(近畿除く)
平成20年11月4日(火)16:05〜16:48 総合 全国  とのこと。)


「源氏物語」関連の本もたくさんあると想いますけれど

とりあえず、先日もご紹介した

山本淳子著「源氏物語の時代」と瀧浪貞子著「源氏物語を読む」の2冊に
ナントカ目を通して、時代背景等について予習して

先日の、新日曜美術館にも出演なさっていらした三田村雅子先生のお書きになった
ちくま新書の「源氏物語―物語空間を読む」を、ようやく読み終えました。


もう十年ほど前にお書きになったものでしたが・・・

時に、「源氏物語」の場面の中に入ってしまって
今、その場で観ているかのような…まるで感じているかのような…

そんな感覚を漂わせるかのように、私には感じられてなりませんでした。    

あくまで、私の感じたまでのことですが
「源氏物語」を研究していらっしゃるお立場というよりは…

物語を紡いでいる紫式部の傍らに三田村先生がいらして、
作者の視線の中に浮かび上がる光源氏や数々の女性たちの言葉や立ち居振る舞いを

一緒に観ていらっしゃるかのような…そんな気迫にも似たものが、窺えます。


三田村先生の生き生きとした丁寧な読みに導かれていくうちに

光源氏の生き様に映し出される「光と影」や
様々な「モノにコトを重ね合わせる」方法や

貴族の世界で繰り広げられる「政治や権力」や「男と女のかかわり」や
その昔から、これほどまでに「女性を縛っているモノ」の在り処や

人のココロの奥底に潜む…様々な感情の表れなどなどが、とっても気にかかります。

さらには、これほどまでに、時間と空間を大きく行き来する…
壮大で複雑に絡み合った物語を紡いだ紫式部も、ほんとうに凄い人で

それらを、読み解いていこうとする方々も、
ほんとうに『源氏物語』に、深く魅了されていらっしゃるのでしょうね。


まだ、きちんと読んでもいない「源氏物語」の世界に
足を絡め取られてしまったような気もしつつ

まぁまぁゆっくりと時間をかけて、読んでいけたら愉しそうですね!!


そして、1000年にわたって読み継がれている物語を知ることで
今の自分の拠って立つ世界を眺めつつ


それを、そのまま受け継ぐだけで良いのか?

そこから、一歩踏み出して、もっと新たな何ものかを見つけていくのか?


ふと、そんな言葉が浮かんでくる私でした…


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