昨日の午後は、JBBY朝日新聞主催、東京大学伊藤謝恩ホールにて開かれた
国際アンデルセン賞受賞記念『上橋菜穂子さん講演会』に伺いました。
今年の初めころ、偶然上橋さんの「物語ることは、生きること」を読んで以来
6月に「国際アンデルセン賞」受賞という、素晴らしいお知らせがあり
また、夏には「守り人」シリーズを、一気に読み終えました。
今回、絵本つながりの友人から、講演のあることを教えていただいて
お顔を観て、声をお聴きしながら
そのお話を直に伺うのを、ほんとうに楽しみにしていました。
これまでに、NHKのインタビュー番組や
(7月19日(土)のつぶやき その4)
ハフィントンポストの記事や
国立民族学博物館の広報誌『月刊みんぱく』 2009年7月号
「 みんぱくインタビュー 上橋菜穂子 現代の語り部」
新刊書「鹿の王」発売記念の養老孟司さんとの対談などもありますので
昨日の90分のお話のなかで、私が印象に残ったことや言葉など
いくつか、書きとめておこうと想います。
約90分のお話でしたが、お声の抑揚もお話の調子も
とてもリズミカルで、なんとも心地よい声の響きに感じました。
ご自身も「べらんめぇ調」だというようなことをおっしゃっていましたが
ユーモアも交えながら、とても気さくな雰囲気で
「アンデルセン賞」受賞までのいきさつや授賞式のエピソード
さらに、小さい頃のエピソードから「物語」を生み出すにいたる
様々なお話をしてくださいました。
縦横無尽・・・あちらへ飛び、こちらへ舞い踊り・・・ながらも
まるで、泉から湧きだす一筋の水脈から、源流が流れだし
いつしか大きな河の流れと支流とが絡み合うようにして
最後に、いつか大海に辿りつくような・・・印象を感じました。
息をつかせないなかに、楽しさを感じつつも
時に、はたと考えさせられ、こちらの意識の深い部分に迫ってくるような
ほんとうに、「語り手」としての、素晴らしさを感じました。
やはり、小さい頃に
九州男児のお父様のお母様=おばあさまが、とてもお話のうまい方で
「口頭伝承」を、たくさん語ってくださるのを聴いていらしたそうです。
養老先生との対談のお話にふれて、
上橋さんは3~4歳で「死」がおそろしくなったそうで
ちいさな4歳くらいから、ヒトは「人の立場に立ってみる」ことができるようになり
「相手のことを想像できる」さらに「死という認識」が芽生える、とのこと。
「他者の死」を想像する・・・
「他者の死をわが死と結び付けて想像する」ようになること
「死と想像力」という視点を、示唆してくださいました。
ウルトラマンが大好きな・・・小学校、中学、高校と
男の子のような、からだの小さな女の子で
画家でいらしたお父様の漫画禁止令や
あまりに、読書に集中してしまうので「本禁止令」が出されるなか
いかに、工夫をして、漫画や本を読む術を編みだしていらしたことか。
高校生の時に、ローズマリ・サトクリフの「物語」と出会い
そこに描かれた、人々とその世界が、後の上橋菜穂子さんに
大きな影響を与えているそうで
その翻訳をされた猪熊葉子先生が、会場にいらしていました。
その文章から、風景や湿った深い沼の匂い
炉の煙の匂いやはな。かぜ、草や体臭までもが
リアルに感じられたそうです。
さらに、世界には、たくさんの神話があること
山口昌男著「アフリカの神話的世界」と出会って、
文化人類学やアボリジニの世界に入ったことで、多様な世界を観る視点を得て
「獣の奏者」「守り人」シリーズのお話では
視覚的なイメージやご自身が体術や武術に通じておいでの実際の体験が
生きているのでしょう。
やはり、上橋さんのなかで「書きたい」という衝動が
マグマのように湧きあがってきて、降ってくるようにして
「物語が」生まれる、とのこと。
そして、一番印象に残ったのは
「いままでの、自分の経てきたこと(経験してきたこと)
どれひとつなくても、いまの自分は、なかった」というような
いままで経験してきたことのすべてが、
「いまの自分を作っている」とおっしゃったことです。
『人は生きていくように、生きていくと知った』とのこと。
最期の質問コーナーでは、高校生や中学生の方からの
作品についての、奥深い質問もあり
「物語」を通して、子どもたちにも、大人になっても
物語の世界を感じ、想像する楽しさと
奥深い人間の意識に働きかける言葉を、
たくさん届けてもらえるんだなぁと想いました。
私も、自分自身に対して、上橋さんの語られた言葉をつぶやきつつ
これからの、人生を、なんとかなんとか歩いていきたいなぁと想いました。
(おまけ
大学のなかを散策する時間がありませんでしたけれど・・・
黄色く色づいた大きな銀杏の木が、赤門のむこう側に見えていました。)
(おまけ2 昨日の模様が記事になっています。
『上橋菜穂子さん講演 「世界は一つの色ではない」』
90分間のお話を、この分量にまとめるって・・・すごいことだなぁと感じつつ。)
高倉健が語る母のこと、別れた妻である故江利チエミへの思い、海外の友人達との交流など、心洗われるようなエピソードが、まっすぐで驕ることのない、平らで青年のような純粋な言葉で綴られています。 amazon.co.jp/gp/product/408… pic.twitter.com/O2yKXHzuJp
【異例の対応】高倉健さん死去に中国外務省が哀悼の意
news.livedoor.com/article/detail…
習近平指導部が対日強硬姿勢を続ける中、外務省が哀悼の意を示し、共産党系の新聞は追悼記事を掲載した。 pic.twitter.com/aIBXi9CKna
映画や本や
展覧会を通して
#気になる人
の生きていらした姿を想像する。
同時代を生きて
それぞれの選択をして
それぞれの表現と暮らしをして…
多面的なヒトの姿を
#想像してみる pic.twitter.com/aS47XGistq
【再放送のお知らせ】「NHKスペシャル 高倉健という生き方~最後の密着映像100時間」 11月27日(木)総合午前0:40~(水曜深夜) nhk.jp/special #nhk_rerun
映画、一筋…
役を磨き、
自らの生き方に向き合い…
RT @nhk_hensei: 高倉健さん関連番組・今後の放送【総合】24日(月)午前8:15~プロフェッショナル 仕事の流儀・高倉健スペシャル・アンコール【BSプレミアム】25日(火)午後9:00~映画「ホタル」
横浜キネマ倶楽部が24日、神奈川公会堂で哲学者ハンナ・アーレントの愛と信念が胸を打つ映画「ハンナ・アーレント」上映会。フェリス教授の矢野久美子さん講演も
hamakei.com/photoflash/164…
#横浜 #映画 pic.twitter.com/3T6WQfBEUL
ずっと…なぜか、とても
#気になる人 です。
今年の初め
映画「ハンナ・アーレント」を観たり
なかなか、咀嚼することは
できませんけれど…
#気になる本 を読んでみたりして…
#ハンナ・アーレント pic.twitter.com/mt2mRV8qqg
とても #気になる本 #気になる人
RT @nikkei_life: ハンナ・アーレント 矢野久美子著 暴虐の根拠問う思想への手引き #書籍 #矢野久美子 #ハンナ・アーレント s.nikkei.com/1jkPl8R pic.twitter.com/kU5CowZp0t
メモ:作家・上橋菜穂子さん講演会
国際アンデルセン賞受賞記念
東京大学伊藤謝恩ホールにて
asahi.com/sp/articles/DA…
#気になる人
#物語
の生まれるとき…
小さい頃のお話など、お聴きできました。 pic.twitter.com/uqBuTMXx2C