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[酢] 食生活について語ろう

2020年02月27日 | 美容ダイエット

◎ 酢Vinegar す

  疲労回復、殺菌作用、汚れ落しにと酢が大活躍し注目しています。中国で古くから作られている香酢(米酢、黒酢)が日本の米酢の10倍もアミノ酸を含むとして人気を呼んでいます。その酢が私達にどんな役割を果たしてくれているのでしょう。酢について検証、調査してみました。
酒と同じぐらい歴史が古いといわれ、食酢の主成分は酢酸が3~6%、アミノ酸、糖類、有機酸(クエン酸)、エステル(アルコールと有機酸〈酢酸など〉の酸と結合し水が除かれた化合物)を含んでいますが、製品によっておおきな開きが見られるようです。

食酢は、醸造酢、合成酢に分けられてあります。
醸造酢は、日本では、分類として穀物酢、米酢、粕酢、果実酢等があり最も多く生産しています。天然の糖質原料をアルコールとし発酵させ、酢酸発酵すると乳酸、コハク酸、ギ酸、リンゴ酸などの有機酸、アミノ酸、アルコール類が互いにからみあって旨み、香りをよくしているのです。
穀物酢と表記するものの多くは、小麦、酒粕、米、コーン、アルコールを原料として作られます。 
米酢(黒酢、玄米酢)は、米を蒸して麹を加え甘酒を作り水で薄めて酵母を加えてアルコール発酵を起こさせます。その酒をろ過し2、3ヶ月酢酸菌で熟成発酵したもので米からの蛋白質の成分を分解しこくのある旨みのある成分が吸収しやすいアミノ酸となって含まれます。米酢(よねず又はこめず)と表示できるのは、米を40g/1リットル(米黒酢を除く)以上で使用していれば良く他は、アルコールなどが使われていてもよいことになっています。米だけ使用しているものは、純米酢と表示が多くみうけられます。

近年の黒酢の存在を高く評価し、2004年10月に、農林水産省により黒酢の品質表示基準が定められ、食酢の中に「米黒酢」と「大麦黒酢」の2項目を新たに加えられています。黒酢(米黒酢)穀物酢で原材料に米(玄米の糠の全部を取り除いて精白したものを除く)、または、これに小麦ないし大麦を加えたもののみを使用したもので、米の使用量が穀物酢1Lにつき180g以上、かつ発酵ないし熟成により褐色、黒褐色になったものです。
粕酢は、酒粕を1年以上寝かせたものを水で薄めて1週間程度アルコール発酵、圧搾ろ過した液を38~40℃で酢酸菌で2、3ヶ月熟成発酵しています。それを再度ろ過し、殺菌し製品としています。酒粕を寝かせる期間が長くなるほどあめ色が濃くなって旨みが増し米酢に比べ香りは少なく、くせがないので味が軽く淡白で主に寿司用に食材の持ち味を生かす料理に使われます。 
果実酢は、欧米でぶどう酒、リンゴ酒を酢酸発酵させたものが主に使われています。
りんご酢(サイダービネガー)は、アメリカで主に作られており完熟りんご果汁に酵母を加えアルコール発酵させそれに酢酸菌を入れ、さらに発酵させ作られます。アミノ酸が少なく有機酸のさっぱりとした酸味とりんごの香りが引き立ちます。マヨネーズ、ドレッシングソースとしサラダに用いられています。 
ぶどう酢(ワインビネガー)は、欧州特にフランスで多く製造している酢で葡萄酒に酢酸菌を加え発酵させ作られます。有機酸の酒石酸が多くぶどうの香りと共に旨みを持っています。赤、白のワインがあるようにワインビネガーにも赤葡萄酢、白葡萄酢があります。皮ごと使う赤ぶどう酢は、赤ワイン同様渋みとこくがあります。白はあっさりとした感じです。 
香酢(香醋:こうず)は、中国江蘇省鎮江(こうそしょうちんこう)で主に製造しているものでもち米、麦胚芽、籾殻を主な原料とし熟成期間が長くアミノ酸が日本の米酢の10倍ともいわれます。水に浸した餅米を蒸し麦胚芽、麹を甕(かめ:瓶)に入れかき混ぜ糖化させアルコール発酵させたもろみに籾殻を入れよくかき混ぜ、温度調節をしながら発酵を促すようにします。香酢の成分を取り出し抽出し瓶に移してさらに熟成させるのです。この原料と、熟成期間が半年から8年とされ成分に差が出るといわれます。 

合成酢は、化学的に合成した氷酢酸を薄めて、糖分、カラメル、デキストリン、グルタミン酸ナトリュウム、コハク酸を混合して人工的に作られたものをいいます。現在の農林規格では、醸造酢が一般用60%以上、業務用が40%以上含まれる規格です。昭和45年に公正競争規約を制定し「合成酢」と明記するようになり消費者問題(情報量が企業に片寄っていた)が多発し消費者保護基本法の制定した昭和43年以前は醸造酢より生産、消費がありましたがその後衰退して昭和50年頃からは殆どが醸造酢で占められます。

 欧米では酢の原料に使われるものに他に麦芽(モルトビネガー)、ジスチルドヒネガーの果実酒(リンゴ酒、ワイン酒)をいったん蒸留し、希釈し酢酸発酵させたもの、ホワイトビネガーは、日本で市販している穀物酢に似た感じであっさりしておりピクルス等に使われます。バルサミコ酢は、ぶどう酢を濃縮、長期熟成したもので10年以上もの熟成期間があるといいます。主にイタリアで使われ欧州の香酢、黒酢といったところでしょうか。赤ぶどうからのものでしたらポリフェノール、有機酸が多く成分的には中国の香酢に比較しアミノ酸の値が少し劣るものの中国の香酢に負けない有効成分を含んでいるといえます。

穀物酢は、1リットルに穀物をを40g以上使用していればよく穀物酢の中に米酢なども含まれますが米酢と明記するには1リットルに米だけを40g以上使用したものに限られます。単に穀物酢と表記されているものの成分は、エネルギー25kcal、蛋白質0.1g、灰分は微量、一方米酢はエネルギー46kcal、蛋白質0.2g、灰分0.1gと明らかに差が見られます。穀物酢とだけの表記のラベルを見ると数種の穀類とアルコールの記載です。製造工程では、古くから続いている伝統的な静置発酵法(表面から徐々に発酵)と通気発酵法(空気を仕込み液に分散注入し発酵を早める)がありまたできあがったものをブレンドしたりします。

香酢の人気は、蛋白質が分解を受けて吸収されやすい遊離アミノ酸が多いことにあります。使用原材料の質、量が多く、熟成期間が長いことのようにあるようです。りんご酢、ぶどう酢ともに果汁が1リットルで300cc以上使ってあることの規格です。健康食品としてまた梅酢(梅漬けの液)、まいたけ酢、アセロラ酢、アガリクス酢、泡盛酢など80種にも及ぶ酢が出回り注目されます。

日本の酢の消費量は伸び続け年間で昭和45年(1970年)に196,300キロリットルであり平成2年(1990年)382,000キロリットルと倍に達しています。ひとり当たりの年間消費量も昭和45年(1970年)2.3リットルから平成2年(1990年)4.5リットルにもなると思われます。平成10年(1998)には食酢の国内生産量は約42万1千KLで平成9年(1997)は家庭用28%(穀物酢、果実酢など)に対し業務用(寿司酢、ぽん酢、マヨネーズ、ドレッシングなど)が72%と推測し、これらをもとに算出すると、国民一人当たりの食酢の消費量は約3.3Lになるものと思われます。

総務省・家計調査によると、2000年(H12):2,576ml、2004年(H16):3,285ml、2010年(H22):2,699ml、2015年(H27):1,980ml、2018年(H30):2,180mlの推移です。日本人は、中国の人が2リットル(300万トン/14億人)といい、一時期は中国以上に酢を消費していたようですね。

酸味が他の調味料、食品と合わせることによってより塩味、甘味、辛味、旨みを引き締め、まろやかにでやわらかにしその持ち味をより多く引き出し生かし食欲を刺激しています。調味料として二杯酢、三杯酢、甘酢あん、みどり酢、辛子酢、ごま酢、黄身酢、梅肉酢とし用いられます。酢の料理法には、代表的なものに酢豚、マリネがあります。油っこさ、肉質を和らげ、蛋白質を固まらせる(落とし卵、魚の酢〆)、褐変を防ぐ、白くする(たたき牛蒡・酢バス)、鮮やかな紅色を引き出す(アントシアニン系の色素を赤くする:赤かぶ、芽生姜甘酢漬け)、ぬめりを取り除く(大和いも、里芋)働きをしています。

 40~50歳代に人気の香酢(中国)といわれる黒酢は、普通の酢の10倍ものアミノ酸を含み刺激が少なく甘味、旨みがあり食欲増進、肝機能強化、エネルギー代謝に関与し肥満予防、脂肪分解作用があり、ダイエットによいとし利用しています。吸収の早い遊離のアミノ酸で疲労回復に良く、ペプチドの血圧低下作用があります。アミノ酸を多く含むことは腐敗細菌を招きやすいので保存、貯蔵にはより注意が払われなければなりません。腐敗させるとアレルギーの原因物質を作り出すことにもなりかねません。

 果実酢に多く含まれるクエン酸がエネルギー代謝をよくしカルシュウム、鉄のミネラルの吸収をよくし、カルシュウムの沈着、増血を促進、疲労回復を早め精神の安定によいといえるでしょう。スポーツ選手がクエン酸を愛用しているケースがよく聞かれるのも鉄、Ca、疲労回復の三拍子そろっていることからうかがえますね。そして抗菌作用があり傷口の治りをよくします。カリウム(K)がナトリウムの排出を促し高血圧の予防に役立っているのです。ポリフェノール(渋み成分)は、時間を経るに従い増加し動脈硬化予防、血清コレステロール低下、抗酸化作用を持っています。

 酢は、殺菌、脱臭、防腐、汚れ(アルカリ性の汚れ:水回り)を落とす作用を持っています。竹炭を作るときに得られる竹酢液は、フェノール類が多くヒスタミンの合成を防ぎアレルギー(花粉症、アトピー)に有効といわれています。食用と殺菌用がありますので注意してください。食酢は、疲労の原因となっている乳酸の蓄積をクエン酸、アミノ酸が防ぎ疲労回復に利用できます。

殺菌力があり食物についた細菌を滅菌し食中毒を防ぎます。酸化を抑制しビタミンC(しみ、そばかすの原因を取り除く)、カルシュウム(骨格の形成)の働きをよくします。酢を使うことによって減塩でも食味をよくすることができ高血圧を防ぐことができます。しかし酢だけで蛋白質が満たされるわけではありませんし、動物性蛋白質(アミノ酸:リジン、スレオニン)、Ca(カルシュウム:乳・乳製品)、Fe(鉄:魚貝類、卵)、ビタミンC(緑黄色野菜)など色々の食品を一緒に取ってこそその栄養成分の吸収がよくなりますのでやっぱり最終的には規則正しい、バランスの取れた食事にしましょうということになります。

さまざまの有効成分が多い酢ですが、過剰摂取によって胃を荒しただれさせることもあります。くれぐれも適量を毎日続けることでの適度な摂取を心がけていただきたいと願います。

家庭では雑菌が入らないように密閉した容器で冷暗所の保存で1、2年を限度とした貯蔵としましょう。
いろいろの特長を生かした酢が市場を賑わしています。酢を使った料理には、散らし寿司、二杯酢、三杯酢、ドレッシング、マヨネーズ和えなどがあります。好みの食酢を組み合わせて味わってみるのもいいかもしれません。

 

ご愛読戴きましてありがとうございます。よりよい情報をお届けしてまいります。

 

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