・山桃・楊梅Chinese bayberry やまもも
ヤマモモ科、中国華南原産で楊梅(ようばい)とも呼ばれる。和名は山に見られる桃のような果実をつけていることよりヤマモモの名前がついたという。日本の南部、暖地の山野に自生、また栽培する。
樹高20mにもなる常緑高木で葉は、10cmほどの表面が滑らかな長楕円形で互生、雌雄異株、早春3月から4月にかけ腋生(えきせい：葉の付け根)の短い花穂(はなほ)に黄褐色の小花を密生させる。
樹皮が染料として媒染剤(ばいせんざい：よく染まるようにする物質)のミョウバン、鉄の配合により黄色、褐色に染め古くに海水に強く魚の網を染めるのにも利用していた。以前は、薪(まき)、炭などにも利用されてきた。
痩せ地でも生育がよく現在では公園、街路に緑化のため植樹し高知県の花、徳島県の木に指定している。
6月、7月頃に赤色の直径2cmほどの果実を実らせ収穫し旬とする。白色種もある。傷みやすいことから生産地での消費が多く全国的流通量は少ない。
表面に多汁質のつぶつぶの突起が密集して中央に大きく硬い種子を持つ。甘酸っぱく、甘みが強く生食、ジャム、ゼリー、果実酒(楊梅酒)、塩漬けに利用する。
100g中でエネルギー44kcal、水分87.8g、タンパク質0.5g、脂質0.2g、ビタミンC4mg、食物繊維1.1gを含む。樹皮にタンニンを含み楊梅皮(ようばいひ)として薬用で殺菌、抗炎、鎮痛、解毒、下痢止め、脱臭、抗酸化作用があり用いていた。
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