[🥦ブロッコリー] 食生活について語ろう

◎🥦ブロッコリーBroccoli ぶろっこりー            

 

            りんころりん（野村倫子のブログ）さまのロマネスコの画像です。コペルニクスの役者もお供に・・・・・
　　最近では、カリフラワーよりブロッコリーのほうが多く見受けられるようになりました。ブロッコリーもカリフラワーもアブラナ科の野菜で、キャベツの原種ともしている結球しないケールから蕾の部分が肥大化した品種です。
ケールの系統の中ではカリフラワーの方が原種に近くブロッコリーはカリフラワーの変種といわれます。一方でケールの蕾よりブロッコリーが誕生し、その突然変異によってカリフラワーが生まれたと言う説もあります。食用にする花蕾・頂花蕾（ちょうからい）は緑色で側枝にも側花蕾のあるのがあり、花蕾が白色種や紫色種等のブロッコリーもみられます。白いカリフラワーはブロッコリーの一種だとも言われています。ケールよりブロッコリー、カリフラワーの変種が育ち、それぞれに誕生したとも考えられます。ブロッコリーの近縁種がサカタの種などにより1990年代より品種改良によりつぎつぎと生まれています。
◇ブロッコリーニ
　暑さに弱いブロッコリーに中国の真夏に耐える菜の花に似た花茎、細長く、主に茎を食用としているカイランを掛け合わせた種類です。アスパラガスみたいな味といい見栄えのよさ、捨てる部分の少なさなど高級レストラン、イタリア料理にも中華料理にも使える汎用性が受けているようです。
◇ハナッコリー　はなっこりー　
　　山口県で1990年代より栽培しています。ブロッコリーと中国野菜の暑さに強いサイシンという菜の花に似た野菜をかけ合わせて作られた野菜で葉、茎と共に蕾を食用とします。種を2～3月に播き5～6月収穫と8月播きの11～12月収穫があり旬としています。草丈は、ブロッコリーより低く、葉の数が少ないのが特徴です。葉形は長楕円形、開花するにつれ花茎が伸長してきます。開花しても食用にでき1株から20～30本の花茎が収穫できます。茹でて鮮やかな緑色を保ち用い菜の花に似た甘味と旨みのある食感でサラダ、和え物、炒め物、揚げ物としています。
◇ロマネスコRomanesco
　ヨーロッパで開発し、主に1990年代より流通、栽培している、別名ロマネスク、ブロッコフラワーともいいブロッコリーに味の似たカリフラワーの変種です。単にカリフラワーの形でブロッコリーのような緑色をしたものと、多数の突起が特徴の2種類があり、味はカリフラワーに近いといいます。日本ではカリッコリー、カリブロ等の名称でも流通しています。
◇スティックセニョール
近年、サカタのタネにより開発した、ブロッコリーと中国野菜カイランを掛け合わせた野菜で主に花と共に伸びる茎を食べるブロッコリーとして流通してます。普通に見かける、丸い塊状のものと、茎が細長く菜の花を太くしたようなもの（ブロッコリーニ）とがありますが、前者は株のトップに出来た花芽で、後者はトップを収穫した後に横に出てくる花芽です。
◇パープルスプラウティングPurple Sprouting
イギリスの伝統品種で茎、蕾が紫色のタイプなども出ています。
◇アレッタ
近年、三重県のナコス開発のブロッコリーとケールを掛け合わせた野菜です。
◇あすっこ
平成15年(2003年)島根県農業技術センター開発のブロッコリーとビタミン菜(大阪白菜と搨菜[たあさい]を掛け合わせた野菜)を掛け合わせたアスパラガスのような食感の野菜があります。 種が違い染色体数が異なり交配しても種子ができません。
　　高齢社会への対応が、トマトよりミニトマトがと、ミニ野菜が好まれ、ブロッコリーよりも「スティックセニョール（棒状になったブロッコリー）が好まれる傾向にあり、アスパラガスのようなブロッコリーの品種改良による消費拡大に重要な役割を果たしているともいえるでしょう。

　　ブロッコリーは、アブラナ科、地中海沿岸を原産地としています。イタリア近辺では約 2000年前の古代ローマ時代から食べられていたといいます。イタリアでの栽培、利用が多くイタリアンブロッコリーともいわれます。16世紀から17世紀の初めにドイツやフランス、イギリスへ伝わり栽培が始められたようです。アメリカに伝わったのは１９世紀になってからといいます。
ブロッコリーの名前は、芽生えを表すラテン語 から名づけられたといわれています。日本では和名は木立花椰菜（こだちはなやさい）、別名ミドリハナヤサイ(緑花野菜)、メハナヤサイ(芽花野菜)ともいわれています。果菜類では花が咲いて結実した果実を食べるのに対して、ブロッコリーは、農林水産省では花が咲く前に 収穫されたものを食用としているのでキャベツ、白菜等と共に葉茎菜類に分類しています。食用とする花蕾・頂花蕾（ちょうからい）は緑色で側枝にも側花蕾のあるのがあり花蕾が白色種や紫色種等もあります。二年生草本で発芽適温は20～25度、生育適温は15～25度で涼しく日当たりを好み夏まき（7～8月）と春まき（２月中旬～４月上旬）があります。夏撒きの方が青虫などの病虫害少ない上に長い期間、脇芽を収穫し続けられます。

　　日本には明治の初めにカリフラワーとともに渡来していたのですがあまり普及せず昭和30年(1955年)代より栽培が始まりここ20～30年来急速に普及品種改良し日本全国的に栽培しています。はじめはカリフラワーの方が人気があったため、生産量・消費量ともに多かったのですが、1980年代よりブロッコリーの栄養的価値が評価され、その消費量は一気に伸び、さらにアメリカからの「氷結輸送」により今ではカリフラワーの３倍程度の生産量となっています。
主に北海道、愛知県、埼玉県で最も多く栽培生産しています。
ブロッコリーは保存性が悪く収穫後の変色が早くに進んでしまうことから、冷蔵保存技術が充分でなかったことから、かつては、ブロッコリーの流通量は、保存性の良い常温でも外見が変化の少ないカリフラワーに比べ広範囲に流通しがたく、劣っていました。近年の低温流通技術の開発、家庭への冷蔵庫の普及、栄養知識の高まりにより、1980年代頃からアメリカからの船による輸送などで生産・流通量が急速、大幅に拡大できました。緑黄色野菜のブロッコリーは、栄養的価値が優れ現在、かつての状況とは完全に逆転現象の状態です。家庭の冷蔵保存でも黄変することがありますので、注意が必要です。
ブロッコリーは日本の一般的な地域では夏に種をまき、晩秋から春先にかけ収穫しています。東北・北海道の寒い地方では初夏あたりに種をまき、秋に収穫しています。概(おおむ)ね冷涼な気候を好み種を蒔いて2～3ヶ月で収穫でき11月から翌年の3月が旬となります。春にはとう立ちして淡黄色の花を咲かせます。
緑色の花蕾、若茎部を食用とし花蕾(からい)が密集して重量感のある色の濃いのがよいでしょう。彩り野菜として万能で茹でて彩りとしてサラダに用いられシチュー、バター炒め、付け合せ、揚げ物、糠漬けとしても利用しています。蒸すことによって茹でるよりビタミンＣの残存率は高まります。茎の部分の外皮は、硬く繊維質で食感が悪いので削(そ)いでから茹でるなりして調理するとよいでしょう。発芽したてのスプラウトを、カイワレダイコン同様にもやしとして食用にすることがブロッコリースプラウトとして巷(ちまた)で賑わっています。サラダ、付け合せ、味噌汁の実、スープの浮き身、ベーコン巻とするのも良いでしょう。

　　ブロッコリー生100gでエネルギー33kcal、水分89.0g、タンパク質4.3g、脂質0.5g、炭水化物5.2g、灰分1.0g、ナトリウム20mg、カリウム360mg、カルシウム38mg、マグネシウム26mg、リン89mg、鉄1.0mg、亜鉛0.7mg、銅0.08mg、マンガン0.22mg、ビタミンＡ効力：130μg、ビタミンD：(0)μg、ビタミンＥ：2.5mg、ビタミンＫ：160μg、ビタミンＢ1：0.14mg、ビタミンＢ2：0.20mg、ナイアシン0.8mg、ビタミンＢ6：0.27mg、ビタミンＢ12：(0)μg、葉酸210μg、パントテン酸1.12mg、ビタミンＣ120mg 食物繊維4.4gを含みます。
100g中にブロッコリーでビタミンA効力130μg、ビタミンE2.5mg、ビタミンC120mg、カルシウム38mg、鉄を1.0mg含み、

カリフラワーでは100g中にビタミンA効力3μg、ビタミンE0.2mg、ビタミンC81mg、カルシウム24mg、鉄を0.6mgとなります。Crown of Jewel Nutrition（栄養宝石の冠）と呼ばれるほど、その栄養価は大変優れています。特に、ビタミン、ミネラル、食物繊維を多く含みます。冷凍庫の場合はさっと硬めに茹でて保存するのが良いでしょう。

　食物アレルギーは、多くの食品で起こっています。ブロッコリーも例外ではありません。その症状は遅延性として現れることが多くむくみ、消化不良、皮膚炎、関節痛などさまざまです。金属アレルギーの人がニッケルを多く含むブロッコリーなどの緑黄色野菜、玄米の摂取が多かったことからアレルギー反応の症状が起こったと言う報告があります。その後摂取を控え症状が治まってきたようです。摂取の頻度が高いとその食べ物へのアレルギー反応が悪化することがあるようです。原因となる食べ物を制限することでアレルギー反応を抑制することができます。
またブロッコリーは食べすぎると体臭がキツくなると考えられています。コリンという成分が体臭のもととなる成分を発生させるためです。個人差があるので、少し食べる量を減らすなどして調整しましょう。ブロッコリーに含まれる成分のゴイトロゲンGoitrogen(グルコシノレート・辛味成分)には、甲状腺機能低下症を引き起こす可能性の指摘があります。神経系、心臓、代謝など各器官の働きが低下し、元気がなくなるなどの症状が出る可能性がありますので、過度な食べすぎには十分な注意を促しています。

　　1997年ブロッコリーのスプラウト(新芽)に含まれるイソチオシアネートの一種でスルフォラファンSulforaphane(おもに辛味の成分)の成分がピロリ菌を抑制しガン予防に効果的との発表がありました。熱には強いですが生で油と一緒に食べたほうがより吸収が高まります。水に溶けやすく新芽(スプラウト)に多く特にブロッコリーの新芽に多く(普通のブロッコリーの20～50倍という)抗ガン作用、ピロリ菌を抑制し胃腸の調子を整えます。抗がん作用は、ブロッコリースプラウト、貝割れ大根＞にんにく、生姜、うこん＞玉葱、トマト、ブロッコリー、ピーマン＞きゅうり、じゃが芋、りんご、バジルの順で作用が強くなります。 SGS:Sulforaphane glucosinolateは経口摂取後、腸内細菌のmyrosinase によりスルフォラファンSulforaphane に変換し、Nrf-2を介して抗酸化酵素を誘導し、抗炎症作用を発揮します。
スプラウト15gで成長したブロッコリー200gと同等の働きをするといいます。

　以前は結婚式に、花嫁が参列者の独身女性に向いブーケを投げ、それを受け取った人が次に幸せをつかめるという「ブーケトス」が一般的でした。しかし、近年の最近では花婿が独身男性に向かって投げる「ブロッコリートス」が広まっています。ブロッコリーには房がたくさんあるため「子孫繁栄」の意味もあるようです。

 

 

 

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初版2019.11.17