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1980年以前の中学に家庭科、未必修の男性諸氏に医療従事者を含め必要かも。

[筍]食生活について語ろう

2022年03月24日 | 美容ダイエット

◎筍 笋(竹の子、たけのこ Bamboo shoot)
  これからの季節、地表からひょっこりと新しい芽がでて私たちの顔も思わずほほえみをこぼれます。新鮮さを感じさせ初春のいぶきが、なにかいいことが起こりそうな気持ちにもさせてくれます。

そんな中で食材として竹の子です。日本で一番古い書物といわれる古事記にも記しています。太古の昔より食用とし供しているのです。いろいろ知りたくなります。どのようにして利用してきたのでしょうか。これからの時期必ず食卓に登場する竹の子とはいったいどのようなものなのでしょうか。調査を開始してみることにしましょう。

  イネ科、中国南部原産でヤダケが日本の原生種としています。多年生草木で温暖な地域を好み山野に自生、栽培された竹の幼茎を採取し食用としています。竹は地下茎で根を張り芽をだして子孫を残し竹は枯れませんが宿根(しゅっこん)として翌年にまた竹の子が根を延ばした先から出てきます。

竹そのものの寿命は20年ぐらいで開花は60~120年に一度といい稲穂状の黄緑色の花を竹林全体に咲かせた後に枯れてしまうといわれていますが定かではありません。枯れ死しても地下茎を残しているので竹林は見られないですが竹の子はやがて芽を出します。

竹叢(たけむら)は、古語で竹林、竹やぶののことを言い筍は、古語で(たかんな)といわれていました。筍は、竹冠に旬の字が当てられ旬は、一月を十日づつ分けた時のそれぞれの十日(上旬、中旬、下旬)になります。このことから十日の間に筍が食べられ旬を過ぎると竹になってしまうこと「旬内に竹の子となり、旬外に竹となる」とされる説があります。筍の早い成長を言い当てています。
笋は、中国での史話に孟宗が病気の母の欲しがるたけのこを真冬の雪の中に探し回りついに掘り当て病身の母を喜ばせたといわれています。その地名が笋町(たかんな)であったことからたけのこに笋の字が当てられたと伝えられています。
諺(ことわざ)、俗語として竹の子生活、竹の子医者、雨後の竹の子などがあります。
竹の子生活:竹の子の皮をはぐように衣類、家財道具などを売ってその日をようやく暮らす生活
竹の子医者:技術が未熟でヤブ医者(真相がわからない)ともいえないほどの医者
雨後の竹の子:雨上がりにはたけのこが次々とたくさん芽を出すことから同じものがつぎつぎに出てくること、起こることのたとえとして用いる
竹馬の友:幼い時にいっしょに竹馬に乗って遊んだ友達という意味より幼なじみの友達のこと

嫩茎(どんけい)類で、アスパラガス、うどなどの種類で、とくに軟らかい嫩茎を食用とします。
成長の早い筍は、竹の旬(食べごろ)は、地上に芽を出す前(孟宗竹)の幼茎が新鮮で柔らかくあくが少ないのがよいのです。関東以南、鹿児島、福岡、京都が主産地で温かい、九州、房総あたりでは3月下旬には掘り出します。

 全国的には孟宗(もうそう)竹の竹の子が最も需要があり春先4、5月に多く出回って柔らかく朝堀りし、すぐのものは香りがありえぐみもなく良質とされます。そのまま生で食べられることもあります。たけのこは、大きいほうが美味でチロシンが多い傾向のようです。中国より琉球、薩摩を経て元文元年(1736年)渡来、今では知る人も少なくなった昭和初期まで有名な目黒の筍は、寛政年間に薩摩より移植され栽培が始められています。栽培は、竹林を作るのに親竹を10月に4m四方ごとに植付け3年目にようやく収穫ができるようになります。
竹は、高さ10m内外、茎は最大で直径10~20cm以上になります。枝が細く分岐し先は垂れ気味になっています。5年目には、また親竹を配置し直し古いものから直していきます。その後太さ長さが変わらずに生き続けています。収穫は、夜明けとともに地面が盛り上がった亀裂(きれつ)のところを掘り起こしまだ地下にある太くて短い25cm以下の香り、光沢のよい新鮮なものを収穫します。もうひょっこりと頭を出しかけたのはすでに固くなっているものが多いといいます。真夏の時期を除いて春に多くを収穫しますがほぼ年間を通して暖地から寒冷地ものへと移行しながら出荷されます。

 孟宗竹が日本に導入されるまでは、ハチク、マダケが主流を占めていたとされ5、6月に、他にネマガリタケ(日本の原生種ヤダケと同系とされる)、ホテイチクの細い竹の子が出回っています。

淡竹(はちく)の竹の子は、孟宗竹の筍より少し遅れ、真竹に似ていて食用には高さ20~50cmほどのものが多く皮の色が孟宗竹の子より濃く茶褐色をして太さがやや細めになっています。地上に芽が出てから収穫されています。味は孟宗竹よりあくが少なくそのまま調理によいといわれます。

真竹(まだけ)が淡竹同様5、6月に多く出回ります。中国より渡来した竹で、孟宗竹より葉が大きく高さ10~20m茎が直径3~10cm内で外節にニ重線が見られます。竹製品の材料として多く用いられています。
竹の子はあくは少ないですがやや苦味が感じられ苦竹ともいいます。孟宗竹より細めですが最初は、やや太目のが芽を出し食べ頃です。皮に黒褐色の斑点があるのを特徴としています。次々と芽を出しますが段々食用には向かない極細になってきます。

ネマガリタケは、関東以北に見られる細長い20cmほどの竹の子を食用としています。姫竹の子ともいわれますが正式名称は、チシマザサの竹の子とされています。地面を這って根を伸ばしそこの先端から起き上がって伸びていくことからネマガリの語源のゆえんとされています。地上に新芽を出した部分を折って採取しています。黄緑と赤紫が入り混じった皮の模様をしています。鮮度の低下は早いですがえぐみが少なく歯ざわりがよく食感を楽しめます。

ホテイチクは、九州の山野に自生しています。竹になった節目と節目の間が短く布袋(ほてい)さんのお腹のように見えることから名前がつけられたといいます。5、6月に凸凹がかった新芽をだし1週間で2mにも達するとされ成長すると4~8mになります。竹の子は、細長くあくが少なく味がよいといいます。

部位により根元、中間部は煮物、揚げ物、混ぜご飯、先端の軟らかいものは、サラダ、和え物、椀だね、焼き物にするとよいでしょう。また干してメンマ(麻竹:マダケ、マチク)にもされ主に中国の南部、台湾で栽培される品種で竹の子を塩漬けし発酵させ天日で乾燥して作られています。

茹で100g中にエネルギー30kcal、水分89.9g、タンパク質3.5g、脂質0.2g、炭水化物5.5g、灰分0.9g(カリウム470mg、カルシウム17mg、鉄0.4mg)、ビタミンA効力2μg、ビタミンD(0)μg、ビタミンE1.6mg、葉酸63μg、ビタミンC8mg、食物繊維3.3gを含みます。

まだ成長過程にある幼茎の竹の子は遊離アミノ酸、代謝の中間生産物が多く旨みを含んで採取直後より鮮度の低下が早く採取されてすぐにボイル、蒸気加工され、缶詰に生産量の80%が処理しています。

家庭でのあく(えぐみ、シュウ酸、ホモゲンチジン酸[チロシンの酸化したもの]、結石を作りやすい)抜きは、たっぷりの熱湯で糠、又は米のとぎ汁で箸が通るぐらいに柔らかく茹であげますが外皮を少しつけておいた方が旨みが逃げなくてよいようです。糠は、えぐみ(蓚酸)を煮汁に流出させ、酸化を防ぎ味を淡白にし、糠に含む酵素、亜硫酸塩によって竹の子を軟らかくしするといわれます。米糠に含むカルシウムがホモゲンチジン酸と結合しえぐみを無くしています。

旨みの成分は、グルタミン酸、アスパラギン酸の遊離アミノ酸で、ほかにベタイン、コリン、タンパク質3.6%を含みカリウム(K:水溶性)が520mg、食物繊維が2.8g/100g中に含まれています。疲れている時、免疫力が低下して体力のない時、また食べ過ぎると、コリン、ノイリンという物質が原因でアレルギーに似た症状を起こすことがあるので注意が必要です。

茹で汁が白くにごるのは、白濁の微粒子(シュウ酸塩、キシラン、でん粉、タンパク質)よりなりチロシンと結合したものです。苦味のあるチロシン(690mg/100g)は、非必須アミノ酸のひとつでフェニルアラニンの一部が代用できパーキンソン病、アルツハイマーに有効な成分です。コリンを含み脳の活性化に関与しています。

成長した竹の皮、葉に防腐効果があり芳香も好まれ携帯食の包み紙、かご(真竹)、櫛、茶筅(ちゃせん:はちく)竹細工とさまざまに利用しています。竹炭(消臭)を作るときにできる竹酢液(ちくさくえき:入浴剤)が虫刺され、水虫アトピー性皮膚炎に使われています。

竹の子の多く含む有効成分については、カリウム(K)、食物繊維を含みます。特有成分では、 
◇チロシン
 筍水煮缶にみられる白い結晶で、竹の子生で0.69%含有、魚肉と蓄鶏肉に匹敵するぐらい含み芳香属非必須アミノ酸のひとつとし存在している。絹フィブロインに11%、カゼインの5%、粉末大豆たん白3.2%、小麦粉末たんぱく2.5%と多く含有する。

ほとんどの動植物に精白米0.28%、市乳0.11%、薄力粉0.25%含み果物には20mg~2mg/100g中と微量にとどまる。フェニルアラニンが体内で誘導体ホルモンサイロキシンにより酸化されて生じることからその一部が代用できる。 アミノ酸の中で最も水に溶けにくく味としては、無味であまりよくない。

甲状腺ホルモンの前駆体物質としトリプトファンとともに知られる。また神経伝達物質アドレナリン(興奮、緊張に関与)の前駆体でホルモンの原料となって脳の神経伝達物質として知られチロシンに酸化酵素のチロシンヒドロキシラーゼが作用しド-パを生成する。脳細胞を活性化させ老化予防、パーキンソン病、アルツハイマーに有効な成分といわれる。絹フィブロイン(タンパク質、チロシンを多く含む)をパウダーとしたものが栄養補助食品としてゼリー、アイスクリームに入れて登場している。

◇コリン
   すべての細胞に存在する、たんぱく質と結合したレシチン(リン脂質、複合脂質)の成分であり、体内でメチオニンがあるとグリシン、セリンからも合成する。

卵黄、大豆、肝臓、酵母、胚芽に多く含まれる。酸に安定を示すが強アルカリで分解、水溶性、ビタミンB群に属している。アセチルコリン(神経伝達機能調節)の合成に関与しその原料になっている。中性脂肪、コレステロールの代謝に関与し脂肪酸の運搬、代謝に関係し不足すると肝臓に脂肪が沈着脂肪肝を発症する。

コリンは、アレルギーの原因物質のひとつとされ発汗刺激によりコリン性ジンマシン、花粉症、アトピーなどの過敏症では過剰な摂取、摂取そのものを避ける。DHAを微量含み脳の活性化、記憶力を高める物質としても知られるようになった。アルツハイマーの認知症では、コリンが不足状態にあり神経機能障害を起こしていることが明らかになりコリンを投与することにより脳の働きに改善がみられたという。

普通の食事で不足することは少なく必要量が特に日本では定められていない。乳化作用を有し脂質代謝を改善、高脂血症、動脈硬化生の予防、肝機能改善に作用する。

◇ベタイン
  動植物に含まれ、特に動物性食品に多く含み甲殻類、貝類、麦芽、きのこ、果実の旨みの成分となっている。少しの苦味と甘味のあるアミノ酸系、窒素化合物で白色結晶、水溶性、酸、アルカリ、熱に安定であり糖とのメイラード反応の褐変減少を起こさない。グリシンベタインともいう。コリン塩基で脂肪を燃焼させ血糖値を下げる作用をもち胃液の酸度調節、脂肪の代謝、肝機能改善、保湿剤として化粧品にも使われている。

旨みの成分は、グルタミン酸、アスパラギン酸の遊離アミノ酸より、茹で汁が白くにごるのは、苦味のあるチロシン(690mg/100g)で、非必須アミノ酸のひとつでフェニルアラニンの一部が代用できパーキンソン病、アルツハイマーに有効な成分といわれます。コリンを含み脳の活性化に関与します。

 

 古代より竹細工ともに親しまれてきたタケノコは、新芽の食材として春の息吹きを感じさせ、ぐんぐん伸びるその力強さが私たちの勇気をも奮い立たせてくれています。その生命力、美味しさも時間の経過とともに低下するのですから新鮮なものが最上のご馳走、栄養となります。
  

 

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