・加工食品Processed food かこうしょくひん
市販の加工食品の中には、見た目はいいのですが、食べてみて、美味しくないものが、数多く見られています。
そんな中から少し拾い出し、生鮮食品並びにそれに近いものとの栄養成分などの比較をしてみました。
◇鮭のフレークの瓶詰め
白鮭を原料にしています。100g 450円(税抜き)
100gでエネルギー380kcal、水分-g、タンパク質24.1g、脂質28.9g、炭水化物5.9g、ナトリウム1,381 mg、食塩相当量3.5g
焼き白鮭100gでエネルギー171kcal、水分64.2g、タンパク質29.1g、脂質5.1g、炭水化物0.1g、灰分1.5gナトリウム82mg、食塩相当量0.2g
鮭のフレークは、骨をきれいに除いているのはいいのですが見栄えを良くするために、血合い、皮の部分を除いているようなので、栄養的価値は劣っているように見えます。血合いには脂肪、タウリン(血合100g中に1.5g~0.1g)、ビタミンB群、鉄を多く含んで普通の肉に比べ数倍から数10倍に達します。皮、うろこにはヒアルロン酸を多く含み栄養的価値が高い部位です。
さらに、脂肪、食塩、澱粉類を添加しているようです。本物の味が忘れ去られてしまいそうです。
カラフトマス水煮缶詰100gでエネルギー156kcal、水分69.7g、タンパク質20.7g、脂質7.2g、炭水化物0.1g、灰分2.3gナトリウム360mg、食塩相当量0.9gであり、缶詰の方がお勧めです。開封が手軽なレトルトパウチ食品となっているのもよいでしょう。骨まで口の中でほぐれがよくカルシウムの摂取も望めます。焼き魚のレトルト食品は高温(120℃~130℃)高圧(1~2kg/c㎡)で骨まで柔らかくすることができます。
◇小田原かまぼこ
原料 しろぐち・きぐちを主にして
添加物 食塩3.5~4%、ジャガイモ澱粉0~5%、砂糖10~15%、グルタミン酸ソーダ1~1.5%、みりん4~5%、卵白若干
色の白い弾力に富んだ蒲鉾です。
製法は、充分に、水にさらして脱脂、脱血、脱色し不純物を取り除き白くなった弾力のあるグチ肉に塩などの添加物が加えられています。
採肉→水さらし→脱水→空ずり→本ずり→裏ごし又は肉挽き→成型→焙焼→蒸し煮→冷水浸漬→殺菌・漂白→放冷→包装→製品
水さらしによって水溶性の旨味成分が失われます。裏ごしで筋の部分を取り除きます。
添加は光沢、香り、弾力、旨味を出す為におこなうものです。殺菌・変色防止には、0.3%~1%の過酸化水素水によって浸漬(しんせき)しおこなわれます。
高級な蒲鉾といわれていますが、作業工程から価格が決められることは理解できます。栄養の摂取から考えると色白の練り製品となります。
冠婚葬祭に彩として使うぐらいはよいでしょう。
仙台の笹かまぼこの良質のものでは、ヒラメが使われ、水さらしをしないで調味し魚の旨味のある製品となっています。
◇ソーセージ類の練り製品は、増量の度合いにもよりますが、一説にはベーコンは140%、ハムは160%ほど原料肉よりも製品が「重くなる」といわれています。
澱粉、大豆蛋白、小麦粉類を混合、水増ししているものが見受けられます。デンプンは肉類より価格が安価で増量に用いていることが多い傾向です。コーデックスの規格(FAOとWHOが合同で設立した国際食品規格委員会)においては、原材料として水を表示すべきとの規定があるが、我が国の加工食品品質表示基準には水の表示についての規定がなく、ミネラルウオーター等を除き多くの加工食品では原材料に水の表示が見られていません。ソーセージ類で粗挽きで粒が残っているぐらいのほうが美味しいです。
◇練り製品は、物によっては、澱粉類、ジャム類では、砂糖で増量をして何が入っているのか分からないぐらいに練り上げられ市販しているのが見受けられます。
ヨーグルト和えに、フルーツをと、さいの目切りのフルーツは、ペースト状のジャムらしきものより値段が高くなっています。一般に粒々のあるほうが、歯ごたえもあるし、自然の美味しさを感じられるようです。
◇干しソバ(乾麺)乾めんのそばの容器や包袋には、使用した原材料が重量の割合順に表示されているだけで、そば粉の配合割合が表示されていないものがあります。そば粉の配合割合の表示は、乾麺そば(干し蕎麦)で、配合割合の表示は、「乾めん類品質表示基準」により、配合割合が30%以上で表示義務がないのです。JASマークの規定で干蕎麦は標準では配合割合は40%以上、上級では50%以上を定めています。低価格帯では小麦粉・そば粉の順に、この干しソバでは名前は干しソバですが、小麦粉の多い干しソバのようです。
加工食品の消費者にとって、あまり分かりにくい、そして栄養的にどうかなと思われるような商品ばかりを掲げてきましたが、中には、以前は、最近では、魚を刺身にして、廃棄、肥料、家畜の餌でしかなかった、骨を商品としての価値のある、健康食品として食べやすくした製品を市販しています。これは嬉しいですね。子供のころ、カタクチイワシを七輪で焼きながら、残った骨をさらに焼いて食べやすくしたのを思い出しました。
近年は、食べ物は、丸ごと、いわしでしたら頭から尻尾(しっぽ)まで内臓ごと食べることを奨励しています。加工技術も、丸ごと手軽に食べられるレトルト食品のような技術革新に向けられることを願わずにはいられません。よりよう商品開発が進むことは良いことですが、最近の個包装の一食・一回ごとの包装で、後始末に、その都度廃棄処分する量の多いことには閉口です。ゴミを減らしましょうが、企業でゴミになるものを付けて販売することは、ゴミを減らすことの出発発点ではないでしょうか。
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