阪神・淡路大震災のニュースが駆けめぐったのが、一九九五年一月十七日のことでした。都市の密集地を揺るがしたこの災害は、衝撃でした。それが日本の都市部で起こり、高速道路がアメのようにぐにゃりと曲がってしまった光景は、まさに未曽有の出来事でした。
震源の断層は淡路島から京都に走ることが確認されましたが、この方角は、南西から東北に走る鬼門ラインにあることは、偶然ではありません。日本列島自体が鬼門ラインに隆起しています。鬼門という方位性には、日本列島が位置する地球の表面のエネルギーの方向性があると考えるのは無理はないでしょう。
そのころ鬼門は、私のなかのテーマの一つになっていました。鬼門に関心をもったのは、家相というものを学んだからです。
私は運命学を少し勉強しましたが、その関係で、住宅誌の編集者をしているときに、家相の担当になりました。当時は、多田花外という家相の先生が、無料家相相談というものをやっておられましたが、明治生まれの高齢の先生でしたので、文章が古めかしく、一般化のために書き直しが必要でした。家相では、陰陽道の理論を使っていましたので、私には理解が容易でした。この家相の担当をしているうちに、多田先生のところに何べんも出入りし、いろいろと教えていただいたお蔭で、ほぼ家相というものについて、マスターすることができました。さらに先生の家相理論にはむずかしい用語が使われていましたので、これを自分なりにリニューアルしてシンプルに再構築もしました。もちろん多田先生の了解をとっての上です。
家相というと、気学とか風水とか入り交じり、脅し文句ばかりが気になり、インチキ臭いもののように受け取られているでしょう。たしかにたくさん枝分かれした占いとして伝承されたものは、金儲けのためのものであることがほとんどのようでした。
多田先生が残した家相は、そういうおかしなものを排除したものでした。ですから、シンプルで分かり安かったのです。しかしここに一つだけ理由の分からないものがありました。それが鬼門と裏鬼門という方位の問題です。多田先生も、これだけは統計的に見て影響があるというのです。しかし、なぜ影響があるのか、その答えは聴きだせませんでした。
それが私のテーマになっていったのです。
そんな興味を抱いていたころです。ある人から、大阪のビルデベロッパーの社長さんを紹介されました。この方は、当時大阪を中心に全国に二十棟以上もビルを持つ、不動産業界の大物でした。割腹よく、陽気で、スケールが大きく、そして神事好きでした。私が紹介された理由は、神事好きなところがあったからだと思います。
大阪に出張してこの方が開催するパーティに出席したときのことです。
「紹介したい人がいるから」
そう言われて、いわゆる霊能者の方を紹介していただきました。
この霊能者の方は、土地や建物の祓い清めを得意としていたようです。紙に不思議な文字や図形をまるで自動書記のように書きながら、いろいろと人の関係とか、人生の運気の状態とか説明をしてくれました。人柄は素にちかく、親しみがあり、なかなか良い人に感じました。
じつは、デベロッパーの社長が言うには、先般の阪神・淡路大震災で、この霊能者の祓い清めた数棟のビルすべてが、実質的に崩壊しなかったという奇跡的な出来事が起こったということでした。
震源の断層は淡路島から京都に走ることが確認されましたが、この方角は、南西から東北に走る鬼門ラインにあることは、偶然ではありません。日本列島自体が鬼門ラインに隆起しています。鬼門という方位性には、日本列島が位置する地球の表面のエネルギーの方向性があると考えるのは無理はないでしょう。
そのころ鬼門は、私のなかのテーマの一つになっていました。鬼門に関心をもったのは、家相というものを学んだからです。
私は運命学を少し勉強しましたが、その関係で、住宅誌の編集者をしているときに、家相の担当になりました。当時は、多田花外という家相の先生が、無料家相相談というものをやっておられましたが、明治生まれの高齢の先生でしたので、文章が古めかしく、一般化のために書き直しが必要でした。家相では、陰陽道の理論を使っていましたので、私には理解が容易でした。この家相の担当をしているうちに、多田先生のところに何べんも出入りし、いろいろと教えていただいたお蔭で、ほぼ家相というものについて、マスターすることができました。さらに先生の家相理論にはむずかしい用語が使われていましたので、これを自分なりにリニューアルしてシンプルに再構築もしました。もちろん多田先生の了解をとっての上です。
家相というと、気学とか風水とか入り交じり、脅し文句ばかりが気になり、インチキ臭いもののように受け取られているでしょう。たしかにたくさん枝分かれした占いとして伝承されたものは、金儲けのためのものであることがほとんどのようでした。
多田先生が残した家相は、そういうおかしなものを排除したものでした。ですから、シンプルで分かり安かったのです。しかしここに一つだけ理由の分からないものがありました。それが鬼門と裏鬼門という方位の問題です。多田先生も、これだけは統計的に見て影響があるというのです。しかし、なぜ影響があるのか、その答えは聴きだせませんでした。
それが私のテーマになっていったのです。
そんな興味を抱いていたころです。ある人から、大阪のビルデベロッパーの社長さんを紹介されました。この方は、当時大阪を中心に全国に二十棟以上もビルを持つ、不動産業界の大物でした。割腹よく、陽気で、スケールが大きく、そして神事好きでした。私が紹介された理由は、神事好きなところがあったからだと思います。
大阪に出張してこの方が開催するパーティに出席したときのことです。
「紹介したい人がいるから」
そう言われて、いわゆる霊能者の方を紹介していただきました。
この霊能者の方は、土地や建物の祓い清めを得意としていたようです。紙に不思議な文字や図形をまるで自動書記のように書きながら、いろいろと人の関係とか、人生の運気の状態とか説明をしてくれました。人柄は素にちかく、親しみがあり、なかなか良い人に感じました。
じつは、デベロッパーの社長が言うには、先般の阪神・淡路大震災で、この霊能者の祓い清めた数棟のビルすべてが、実質的に崩壊しなかったという奇跡的な出来事が起こったということでした。