■ 産業観光の旅 中込尚子(絵本の家 館長)
トヨタ産業技術記念館とノリタケの森クラフトセンターへ3月中頃に行った。名古屋駅に近い則武新町。トヨタ記念館は4丁目、ノリタケセンターは3丁目にある。手入れされた敷地の中に落ち着いた外観の建物が建っている。勇んでドアをくぐった。
自動織機を発明した豊田佐吉時代の織物業から世界のトヨタ自動車になるまでの道のりが展示されている。二代目豊田喜一郎が、この大きな転換の中心人物。大正時代の半ば、初の欧米視察がきっかけだ。彼のエピソードや名言を幟(のぼり)にした部屋があった。
また、ノリタケは、モリムラブラザースの貿易業からの転換だ。明治初期の骨董雑貨の扱いから陶磁器の製造卸業へと発展した。
トヨタとノリタケ、この二つの企業は、戦争や経済の大きな波や嵐にもまれながら、着実に世の動きを読み、歩みを確かなものにしている。しかも広げてきている。新しいことにとりかかって10年を費やしている。積極性と辛抱強さがキーワードのようだ。とにかくいいと思ったことには、すぐトライする。失敗を恐れずに進む。ただ私が知りたかったのは、どこで見極めるのか、没になったのはどうしてかだったのだが…。
古い写真、機械、収集した資料や画帖など、ショウウインドウに鼻の頭をつけて見入った。たくさんのワークショップも魅力だった。中でもトヨタのミニカーの組み立て。
ほとんどが子どものためのプログラムである。手を動かすことはほんとにいい。
「絵本の家」ではなにができるだろうか(「絵本の家たより」より)。
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