悲しい作業

山口県から手記を依頼されてて、それも数ヶ月前に。
やっと取り掛かり、文章は何とかなった。
生命（いのち）の授業でかなり話し込んでるので、ある意味慣れたって事かもしれない。
問題は写真を数枚ということだったけど、アルバムを開かずの押入れから
出すことが苦痛だった。
でもう一度依頼書を読み直してみると・・・違う・・・遺品だった。
遺品って・・・たくさんありすぎて、わからない。
小学校ではスポーツ少年団でミニバスケットボールをしていたし、
中学ではバレーボールをしていたけど・・そんな写真は一人で写ってないし、
インパクト重視なら一番身近にあって（しまってない）より悲しい物を見ることになってしまった。
久々に事故当時持っていたバッグの中の物を出してみた。

トップ画像は、生命（いのち）の授業のパワーポイントで使っている
バイクのナンバープレートと美香の携帯電話。
美香がいなくなってもしばらく朝なり続けた（目覚ましをセットしていたから）携帯電話。
私は触れなかったけど、長女が解約してくれた。
生きてるときには気にもとめなかったバイクのナンバープレート・・・

３９３９０・・・さんきゅう～さんきゅう～まる

何か意味があったんだろうか



バイクの残骸・・これも生命（いのち）の授業で使っている。
裁判が終わって弁護士さんからいただいた警察書類の中にあったモノクロ写真のコピーを
デジカメ撮影したもの。



こういうのもあったけど、知らない人が見ても何かわからんよね
11年前を思い出し、胸が痛くなった。



事故現場に行って拾い集めたバイクの残骸と
礼奈ちゃんから誕生日にもらったアナスイの手鏡
鏡の破片だけは危ないので捨てたけど、これだけは捨てられない。
ちゃんとジプロックの袋に入れて更に袋に入れて保存してある。
美香の大切な宝物だから。
礼奈ちゃんの誕生日が近かったから何か用意してるのかと思って探したけど判らんかった。
きっと東京に行く予定があったんかな
そしてその時にと思ってたのかもしれんね。



これはまだ未発表画像（笑）
上の紫の袋にこれだけのものが入ってた。
上の右端は油紙だけど捨てられない。
袋の上の缶は肌水・・これもつかえないだろうけど捨てられない、しかも衝撃でボコボコ
目薬は、中は空っぽになって結晶が残っていた。
頬紅は少し残っていたので、私が使って空のケースのみだけど捨てられない。
下の左端はスリムミスト、水がにごっててつかえないけど捨てられない。
メンタムのリップも変色してるけど捨てられない。
チューブのリップグロスはほぼ新品だけど、捨てられない。
ハートケースのキラキラグロスも捨てられない。
鼻炎のカプセル錠、もう飲めないけど捨てられない。
そして右端のはウェットシートだけど、からからに乾いてるけど捨てられない。
紫の袋もいろんな化粧品がもれたのか、異様なニオイがしている。
でも捨てられない。
19歳の女の子が持っていた化粧バッグの中には高価なものは何一つなかった。
それでも一生懸命おしゃれをしていた想い出がつまっている。
捨てられないし、押入れにもしまえない。
常に身近においておきたい・・・せめてもの娘を思う母の気持ち。

簡単に手記をといわれるけれど、そこまで遺族の気持ち、わかってくれてるのかな～
私の気持ちは前を向いてるから、少しでも同じような家族を増やしたくないし、
同じ思いをしてほしくないので頑張ってるけど、たまにはめげそうになる時もある。
でもそんな思いを抱えながら生きていかなくてはならない。
自分のためでもあるし、家族のためでもあるし、美香のためでもあると思う。
11年前から幸せの価値観がかわった。
ブツブツ愚痴ばかりこぼしてたあの頃は最高に幸せだった。
あの頃以上の幸せはないかもしれないけど、だからこそ小さな幸せに
感謝できるようになった。
小さな幸せに気がつくようになった。
その小さな幸せを手からこぼさないようにこれからも過ごしていくんだろう。

今日も一日ありがとう～


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