エコキュートとはヒートポンプ技術を利用し空気の熱でお湯を沸かすことができる電気給湯機。正式名称は「自然冷媒ヒートポンプ給湯機」と言い、「エコキュート」の名称は電力会社・給湯機メーカーが愛称として使用している。(尚、商標は関西電力が所有している)電力中央研究所の基本特許を元に、東京電力がデンソー・コロナととともに開発した。
貯湯式で割安な深夜電力を使用するため、燃焼型給湯器に比べランニングコストが抑えられ経済的であるが、本来は昼間の気温が高い時に稼働した方が機器単体としてのエネルギー消費は少ない。ただし電源の効率等(特に火力発電所の効率)まで考慮に入れれば深夜電力の利用が効率的である。電力会社や電気設備業者がオール電化の目玉商品の一つとして導入に力を入れている。給湯の他に床暖房や浴室暖房乾燥もできる多機能タイプエコキュートもある(タンクのお湯を給湯と温水式の床暖房・浴室暖房で分け合うので、暖房能力に制限あり)。
元々は脱フロン化のため二酸化炭素(CO2)を冷媒としたカーエアコン用として開発されたが、ガス圧力が非常に高く(10MPa)装置が重くなる点や、凝縮器が高温になりすぎてカーエアコンには不向きであったものを、湯沸かし用途に転用したものである。炭酸ガスのコンプレッサーを製造しているのは、自動車電装機器のメーカであるデンソーと電機メーカーの三洋電機のみである。[要出典]深夜にコンプレッサーを運転するため、各メーカーは静粛化に力を入れている。
2002年8月には従来の家庭用に加えて、東京電力と西淀空調機(現:イトミック環境システム)が共同で業務用エコキュートに成功し、日本イトミック他数社が販売を開始している。
一方海外では、このCO2を冷媒にしたカーエアコンの研究が進んでおり、http://www.R744.com では、CO2冷媒を利用したヒートポンプに特化した情報の発信を行っている。(主に欧州中心)
[編集] 構造
ヒートポンプユニットと貯湯タンクで構成される。
ヒートポンプユニットのコンプレッサーは圧力が10Mpaを超える高圧であるため、2重構造の2段圧縮となっている。1段目の圧縮吐出圧力が2段目の圧縮部の外殻に加わり、圧力で押さえ込む構造となっている。
冷媒に二酸化炭素(CO2)を用いる。ファンを回転させ外気をヒートポンプ内に取込み、ユニット内のCO2を暖める。
暖められたCO2を圧縮機に送り圧縮することで、高温にする。
この高温になったCO2を利用してタンクの水を温める。
その後CO2を膨張弁にかけて膨張させ低温にする。この繰り返しである。
[編集] 外部リンク
電力中央研究所ホームページ
エコキュートの仕組み(九州電力)
ヒートポンプ・蓄熱情報Web Site
有限責任中間法人 日本エレクトロヒートセンター
平成19年度エコキュート導入補助金制度