日本の「食」の在り方

益々、グローバル化する日本の食卓を通じ、未来の日本の食の在り方を模索していきたいと思います。

ニュー・ジパング~埼玉県・肉類編~

2010-01-29 19:44:24 | ご当地の銘柄肉

埼玉県には、いくつか全国区で知られている
地豚や地鶏がありますが、
それらについて語る前に
まずは、サイボクハムさんの存在を忘れてはなりません。


サイボクハムは、牧場を持っており、
そこで、「ゴールデンポーク」と「スーパーゴールデンポーク」の
銘柄豚が生まれました。


ゴールデンポークは父がデュロック、母が大ヨークシャーとランドレースを
掛け合わせた豚であり、理想的な赤身と脂肪のバランス、
柔らかくてコクのある旨味を特徴にもっています。


一方、スーパーゴールデンポークは、父がデュロック、母が大ヨークシャーと
大バークシャーを掛け合わせた豚であり、きめ細やかな肉質、
程よくサシはパン粉の入った飼料で仕上げられ、柔らかく、
ほんのり甘みのある最高級の豚肉です。


サイボクハムのハム・ソーセージをはじめとする豚肉加工商品は
国際的にもその高品質を認められ、今まで国際競技会で取った
金メダルの数は606個になります。


また、直営のレストランもあり、
そこでは、焼肉、スーパーゴールデンポークのとんかつ(名物)
食べることができます。


同社のサイトの「サイボク ぶた博物館」は、
楽しく豚肉についての知識を学ぶことができます。
「ぶた総合大学」や「ぶた美術館」がおすすめです。


川越在住の私がイチオシなのは、
川越唯一の養豚場で小江戸黒豚を飼育している
ミオ・カザロ(イタリア語で私の農家という意味」の
豚肉加工品です。


養豚は父、そして姉妹のうち、姉がハム・ソーセージ職人、
妹が販売を担当と一家で小江戸黒豚のブランドを
守っています。


「小江戸黒豚」とは、小江戸川越の大野農場で繁殖から
飼育まで一貫生産された100%純粋黒豚(イギリス系バークシャー種)の
ブランド豚です。(ミオ・カザロさんのHPより抜粋)


味の決め手になるのは、えさ原料の川越特産品である「さつまいも」で、
豚肉の脂に甘みを出す効果があるそうです。


えさもさつまいも、パン、牛乳の自家配合のものもあたえられ、
約800頭の黒豚は大切に育てられています。


本場ドイツさながらの、本格的なハム・ソーセージを
食べることができ、地ビールや輸入ビールと
一緒に楽しみたいタイプのものです。
(写真はミオ・カザロさんのパストラミ)


バーベキューやカフェテラス・喫茶もありますので、
そこで、バーベキューやホットドックを食べることができます。
車で川越に来られたときは、ぜひ、行ってみてください。


埼玉県が誇るブランド黒豚といえば、「彩の国黒豚」です。
純粋バークシャーは生まれる子豚の数は少ないので、
大変稀少価値があり、飼育も難しいですが、
それでもその品質、味という点では全国でも折り紙つきの
黒豚です。(2000年肉食産業展の銘柄豚好感度コンテストで
全国総合1位に選ばれました。)


彩の国の黒豚のおいしさのひみつは、
●さつまいもを使った専用飼料
●脂肪はシルクのように白く、融点が低くて、さっぱりとした食感
●肉質はきめ細かくて、歯切れがよくて柔らかい
●旨味成分のグルタミン酸や糖質が豊富で、まろやかな風味
です。

(参照)
月刊ひびき・やきとりニュース


東松山名物「みそだれ やきとり」のひびき
でも、やきトンの原材料に彩の国の黒豚を使っています。
黒豚特有の旨味がありますがくどくなく、
脂がさっぱりしているのでけっこう本数を食べてしまいます。
みそだれがナントいっても絶品ですので、
必ずみそだれをつけて、ビールや焼酎と一緒にどうぞ。


サイボクハムでも販売されている
彩の国地鶏 タマシャモ」は埼玉県のブランド地鶏です。
食べたことはないのですが、
「肉は歯ごたえ、こくがあり、うま味が豊かな赤みの肉で、
広範囲の料理に適しており、肥育期間を長くすることで、
凝縮された味を実現している。」とのことです。


タマシャモを飼育しているおじま農園のHPによると、
オスメス、出荷日によって肉の特徴が違い、
取引先の要望に応じて出荷対応しているようです。
それぞれの特徴を活かした料理なども出ています。
分かりやすくて大変勉強になりました。


牛肉の県産ブランド化はBSE問題のためか、
豚肉や鶏肉に遅れをとりましたが、
現在は、「21世紀肉牛研究会」によって、
産出される埼玉県産牛国産牛は、
彩さい牛」という名前がつけられ、ブランド化されました。


21世紀肉牛研究会は、埼玉県でも畜産の盛んな北部の
肉牛生産者が集まり、国内の食料自給率の向上、
その持続発展、農村振興、牛を愛し、消費者のニーズに合った
良質な牛肉を作る事を目指し、2003年に発足されました。


彩さい牛の特徴は、コレステロールが低く、肉や脂身までも甘みがあり、
その美味しさのヒミツは、彩さい牛に与える飼料にあります。
その飼料は、一般的に流通されている飼料、牧草、藁(わら)の中の
危険性があるものを一切使用しない麦、とうもろこし、大豆、米ぬか、
糖蜜、ビールかすを中心にした穀物飼料と粗飼料は県内産の藁を
与えています。


また、飼料用(国産常緑広葉樹皮で作る炭と製造時に出る木酢液とを
混合した混ぜたもの)の粉で牛の健康を促進していることが、
彩さい牛の高品質に貢献しているといえるでしょう。
この炭には天然有機成分やミネラル、ゲルマニウムなどが
豊富に含まれています。


その他、深谷牛、彩の夢味牛、はまさり牛の県産銘柄牛が存在します。
参照 さいたま食肉中央卸売市場
    炙り焼肉 じんや


肉の系統や飼料、生産者やそのブランドについて知ることは、
美味しくて安全なお肉を食べる上で、大事なことだと
改めて感じさせられました。


ニュー・ジパング~東京都・肉類編~

2010-01-13 12:01:05 | ご当地の銘柄肉

気がついたら、新年が明けてから13日経過しました。
成人の日も過ぎ、お正月気分が抜けたところで、
全国のご当地肉料理を求めて、日本の食文化の温故知新
(ニュー・ジパング)の肉類編を東京都からスタートしたいと
存じます。


読者の皆様、昨年同様、
ブログ上の全国行脚の旅にお付き合いください。


まず、牛肉から。
東京都産の牛肉なんてあるのかしら~なんて、
探したところ、ありました。
その名も「秋川牛」。


秋川牛は、岩手県産の良質・高級で知られる松坂牛や米沢牛と
同じ元牛である黒毛和牛を、あきる野市の竹内牧場にて
20ヶ月かけて育てあげた銘牛、地元特産として他では味わうことの
できない東京都産の高級和牛です。


その特徴はいうと、岩手県産の和牛のよさもしっかりと受け継ぎ、
肉はきめ細かく、脂質も艶もよく、柔らかく味わいも良いとのことです。


すでにその生産頭数が稀少なことから、「幻」の黒毛和牛の1つです。


この幻の黒毛和牛はどこで、食べられるのかというと、
秋川渓谷でのバーベキュー(有)松村精肉店で秋川牛を調達
東京都あきる野市にあるレストランFOREST
ステーキ、ビーフシチュー、ハンバーグ
●東京都産の食材のみを使った創作和食と、東京都産の飲み物のみを
東京で初めて電波を発信した愛宕山の頂上で提案するお店
Tてぃ」のランチメニュー「秋川牛のあんかけ丼
●その他、秋川牛を使用したビーフカレーも通販で購入できます。


次は豚肉ですが、東京都産豚肉といえば、
TOKYO-X(トウキョウエックス)」です。
TOKYO Xは、平成9年に東京都畜産試験場が開発した新しい豚で、
その特徴は、霜降りの柔らかい肉質やジューシーな味わいにあります。
また、より安全に配慮した飼料や飼育環境のもとでじっくり育てるなど、
生産体制にも細心の注意が払われています。


TOKYO-Xは、東京都の特産品認証を受けており、
大多摩ハムでは、TOKYO-Xのハムやベーコン、ソーセージを、
業者購入であれば、ミートコンパニオンで、
外食の場合は、上述の大多摩ハム直営のレストランや
ソムリエ田崎真也さんが経営する「和食T」を御覧下さい。
昔、都庁の職員食堂か議員食堂で東京Xポークのメニューをちらっと
みたような気がしますが、あいまいな記憶です。
都庁に行かれたときに、尋ねられるとよいと思います。


東京都産の地鶏もあります。
東京うこっけい」と「東京しゃも」が東京都のブランド鶏として
推奨されています。


東京うこっけいは、通常の烏骨鶏の産卵率が平均で約22.3%程度
(年間80個程度)であったものを、55%(年間190個)にまでに高めた系統で、
古くて新しい機能性鶏です。烏骨鶏といえば、中国では、そのスープが
漢方になるほどの薬膳食材です。

前出の大多摩ハムで、「東京うこっけいハム」が販売されていますが、
東京都の国立市の洋菓子店マロニエでは、東京うこっけいを使った
ロールケーキやプリン(限定販売?)を販売しているようです。


東京しゃもは、鍋料理で食べるのが一番です。
コラーゲン・もちぶたしゃぶしゃぶ 東京しゃも いーと」では、
軍鶏鍋や東京しゃもを使用した親子丼を食べることができます。
都内焼き鳥店や限定メニューの商品などもたまに出て
話題になっているようです。


東京都のブランド牛肉・豚肉・鶏肉は、いずれも生産数が限られているので、
なかなか口にすることが難しいですが、
レトルトカレーなど、その食材を使用した商品をネット通販で入手するのが
一番かもしれません。