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週刊電影報告

至福のひとときの記録

乙酉年長月壱ノ壱 ハッカビーズ

2005-09-04 | は行
ハッカビーズ新宿武蔵野館
2004/アメリカ/デヴィッド・O・ラッセル/ ♥ huckabees

 アルバート(ジェイソン・シュワルツマン)はオタク自然保護活動家。所属する自然保護団体ですすめてきた森と沼を救う計画に、大型スーパー「ハッカビーズ」のエリート社員ブラッド(ジュード・ロウ)が、新店舗計画とともに保護計画を牛耳ろうとしてきた。ルックスもよく、バリバリ仕事をし、まわりの人間関係もそつなくこなし、「ハッカビーズ」の看板モデル、ドーン(ナオミ・ワッツ)を恋人にもつ―人生の成功者であるブラッドに活動の場を奪われたアルバートは嫉妬し何とか復讐をしたいと闘志の炎を燃やす。そして復讐するためには、まず己を知らねばならぬ、と思ったアルバートは「哲学探偵夫婦」(ダスティン・ホフマン、リリー・トムリン)に、なんと自分を探偵するように依頼する。
 アルバートの親友で地球保護に心を砕く消防士のトミー(マーク・ウォールバーグ)。そのあまりなエコ思想に耐えかねた妻と子供は家を出て行く。そんなトミーの前に「哲学探偵夫婦」の宿敵で謎のフランス人女性カテリン(イザベル・ユベール)が現われる。
 アルバートの「自分探し」がトミー、ドーン、ブラッドらを巻き込み思わぬ方向へ展開していく・・・

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 まず、チラシやポスターを見て、「ジュード・ロウ主演、スーパーを舞台にしたポップなコメディ♪」を期待されている方。そんな方にはおすすめしません。それから、哲学アレルギーの方にもおすすめしません。
 日本の宣伝の仕方はいかんよー、JAROに訴えちゃうぞ(笑)コピーが「人生のスーパーマーケットへようこそ『幸せ』あります」ですよ。単純に笑わせてくれるちょっとおバカな映画でも観るかな~、なんて思いながら映画館行きましたもん。
 まず、「スーパーを舞台に」してません(笑) この時点で「百貨店大百科」みたいな映画かな、という期待が潰されます。それからジュード・ロウが中央に、他の出演者を後ろに従えた構図のポスター。真ん中にいる人が主人公だろう、という期待も潰されます。確かに彼はストーリーの重要な部分を演じてますが、いわば“第一脇役”でしょ。主役は濃い~くてムサいルックスのジェイソン・シュワルツマンです。はい、ポスターではちょろっと顔出してます。確かにこの人が中心じゃとても暑苦しいけど・・・
 うーーーん、まずセリフを追うのに疲れましたねー。まあ設定が「哲学探偵に相談する」というものだから、哲学っぽいわけのわからん言葉が連発される。コメディーだから“哲学っぽいわけのわからなさ”も演出のひとつなのだけど、どうしても言葉の意味を考えてしまい、笑うまでに至らない。
 それでもジュード・ロウ観たさに(そんなにいいか?)この映画を観る方、セリフは適当に流して、豪華キャストらの演技に注目しましょう。ジュード・ロウのイヤミなヤンエグ(死語)ぶりもなかなかだし、それが崩れるときも見もの!探偵夫婦のアヤシさも笑えるし、あのイザベル・ユベールもあんなことまでしちゃって
 演出次第では「マルコビッチの穴」みたいな面白さや、「ザ・ロイヤル・テネンバウムズ」のへんてこりんな雰囲気がかもし出せたのではないのかなー・・・ちょっと惜しい。いや、テーマもキャストもここまで揃いながらこりゃいかんだろう!
 ・・・・個人的には「自分探し」という言葉は大っきらいなんですけどね。「自分を探す~?アンタ、そこにいるやん!」って言ってやりたいです。

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8 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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TB&コメント有難うございます (哀生龍)
2005-09-04 18:46:43
>日本の宣伝の仕方はいかんよー

色んな作品でそう思う事があります(苦笑)

特にこの作品は期待したものと全く違って、混乱した方も多かった事でしょう。



>へんてこりんな雰囲気

あともう少し! と言う感じが、案外この作品の持ち味なのでしょうか?

何となく好きです(笑)
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哀生龍さん TB&コメントありがとうございます (みつこ)
2005-09-04 20:37:43
「できの悪い子ほどかわいい」というかんじですかね?(笑)
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Unknown (かえる)
2005-09-06 18:53:30
こんにちは。

人には薦めないけれど、私はなかなかおもしろかったですー。

>マルコビッチの穴、ザ・ロイヤル・テネンバウムズ

っぽいニオイはしましたよね。いちお。

真実を求めたいクセに、探偵に偽りの告白をしちゃうヒネぶりなどがツボでした。
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かえるさん TB&コメントありがとうございます (みつこ)
2005-09-06 23:31:35
この映画、個人的に気に入っても人には薦めないという方が多いですね(笑)同感!

ブラッドみたいな人はいけ好かないけど(後半は好きになりましたが)、アルバートみたいな人もタチ悪いですねー。まわりにいてほしくない人!!(爆笑)
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Unknown (Movie Movie)
2005-09-10 20:59:14
TBありがとうございます☆

ホント、この作品は、好き嫌い分かれますよね!!私は、あまり、好きではなかったですけど…。同じ1000円払うなら、マダガスカルでも見に行きたかったと後悔してしまいました~!!!!!がっかり…



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Movie Movieさん (みつこ)
2005-09-11 23:08:01
 なんか素直に笑えないんですよね。単純に笑えるおバカ映画を期待してると、もう好きになれないですね。で、そこらへんひねくれてると好きになっちゃうんでしょうね(笑)
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今、藪の中 (きびだんご)
2005-11-04 14:13:18
考えたんですけど『タケシズ』ってもしかしてこんな映画なのかな?あとロバート・アルトマンぽい感じもしましたね。いろんなとこでいろんな人がありゃりゃ。ガーデンシネマはこういうの好きだな。でもおバカな屈折している人間っていいよね。それって俺のことか!(11月4日時点で四つの未公開テキストを抱えていることをお許しください、あ~この週末でまた増えちゃう)
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きびだんごさん、観てますねぇ・・・ (みつこ)
2005-11-06 21:29:00
タケシズ、どうでしょうかね・・・。今のところ、ほかに観たい作品が目白押しなので、名画座に来るまで待とうかと・・・。

ジュード・ロウ演じるブラッドの落ちぶれ方が好きでしたねー。一方で直美(笑)・ワッツは落ちきれてなかった気がするのですが。・・・関係ないけど、直美といえば、アタシにとっては何といっても藤山直美(笑)
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