
当院の患者様の中には学校に通われている学童期の患者様がいらっしゃいます。
今回は重症心身障害児(者)(以下、重心)病棟の学生さんに着目し、『学校とリハビリテーション(以下、リハビリ)の関わり』をテーマにお話したいと思います。
重心病棟の学生さんは埼玉県立蓮田特別支援学校に通われています。
学生さんの1日の流れは、午前・午後に学校へ行き、空いている時間にリハビリや療育を行うという多忙なスケジュールです。
学校の時間になると病棟のデイルームや当院の隣にある校舎へ移動し、授業を受けています。
病棟のデイルームで授業をしている時は、愉快な歌がウクレレの音と伴に病棟に響くこともあります。
リハビリは週に数回ですが、学校は月~金曜日まであります。
そのため、リハビリスタッフと関わっている時間より、学校の先生と関わっている時間の方が圧倒的に長いです。
学校の先生はとても熱心であり,患者様が学校の先生の声に対して顔を向けたり、声を出したり、反応が良い様子から学校の先生との信頼関係が伺えます。
学校へ行くために必要となるものが、車椅子・座位保持装置です。
座った姿勢を自分で保つのが難しい患者様もいますが、車椅子・座位保持装置を使用することで、ベッドから教室へ移動することができ、座った状態で授業に参加することができます。
車椅子・座位保持装置は重心の患者様、特に学童期の患者様にとっては必要不可欠なものです。
ここでリハビリの出番です。
リハビリの大きな役割の1つに車椅子・座位保持装置の調整や作製があります。
学童期の患者様は成長期であるため体の変化が大きく、日々のリハビリの中で身体に合っているか、長時間乗ることができるかなどを確認する必要があります。
しかし、リハビリの時間は短く、リハビリの時間の中だけでは限界があります。
そのため、学校の先生や看護師など他職種の協力が必要となります。
学校や病棟での様子を共有し、患者様がより楽に安全に乗っていられる車椅子・座位保持装置になるように適宜改善しています。
その一例を紹介します。座位保持装置を新しく作製した学童時期の重心の患者様がいらっしゃいました。
リハビリでは安定して乗っていることが出来ていましたが、学校では筋緊張が高まったときに膝が伸び,フットレストが短く足が前に飛び出してしまうという問題がありました。
学校の先生から相談を受けると同時に、フットレストを長くするためにこの台を置いたらどうでしょうと提案を受けました。
リハビリでその台を使用して試し,ハムストリングスや下腿三頭筋の筋緊張が高まらないか,足部を圧迫していないか等を確認し、特に問題はなかったため,その台を使用することになりました。
その後も学校での様子を伺い、問題なく授業に参加出来ているとの事です。
学校の先生の協力があり、早期に対応することが出来ました。
リハビリだけでは難しいことも、学校など患者様を取り巻く周りの方々と協力することでサポートすることができます。
今回は“学校とリハビリ”についてお話しましたが、他にも看護師や保育士などたくさんの人が関わっています。
これからもより良い患者様のサポートができるように、他職種との連携を大事にしていきたいと思います。
東埼玉病院リハビリテーション科ホームページはこちらをクリック
【注意】
本ブログの掲載記事は,個人的な見解を含んでおり正確性を保証するものではなく,当院および当科の総意でもありません.引用や臨床実践等は各自の判断と責任において行うようお願いいたします。
今回は重症心身障害児(者)(以下、重心)病棟の学生さんに着目し、『学校とリハビリテーション(以下、リハビリ)の関わり』をテーマにお話したいと思います。
重心病棟の学生さんは埼玉県立蓮田特別支援学校に通われています。
学生さんの1日の流れは、午前・午後に学校へ行き、空いている時間にリハビリや療育を行うという多忙なスケジュールです。
学校の時間になると病棟のデイルームや当院の隣にある校舎へ移動し、授業を受けています。
病棟のデイルームで授業をしている時は、愉快な歌がウクレレの音と伴に病棟に響くこともあります。
リハビリは週に数回ですが、学校は月~金曜日まであります。
そのため、リハビリスタッフと関わっている時間より、学校の先生と関わっている時間の方が圧倒的に長いです。
学校の先生はとても熱心であり,患者様が学校の先生の声に対して顔を向けたり、声を出したり、反応が良い様子から学校の先生との信頼関係が伺えます。
学校へ行くために必要となるものが、車椅子・座位保持装置です。
座った姿勢を自分で保つのが難しい患者様もいますが、車椅子・座位保持装置を使用することで、ベッドから教室へ移動することができ、座った状態で授業に参加することができます。
車椅子・座位保持装置は重心の患者様、特に学童期の患者様にとっては必要不可欠なものです。
ここでリハビリの出番です。
リハビリの大きな役割の1つに車椅子・座位保持装置の調整や作製があります。
学童期の患者様は成長期であるため体の変化が大きく、日々のリハビリの中で身体に合っているか、長時間乗ることができるかなどを確認する必要があります。
しかし、リハビリの時間は短く、リハビリの時間の中だけでは限界があります。
そのため、学校の先生や看護師など他職種の協力が必要となります。
学校や病棟での様子を共有し、患者様がより楽に安全に乗っていられる車椅子・座位保持装置になるように適宜改善しています。
その一例を紹介します。座位保持装置を新しく作製した学童時期の重心の患者様がいらっしゃいました。
リハビリでは安定して乗っていることが出来ていましたが、学校では筋緊張が高まったときに膝が伸び,フットレストが短く足が前に飛び出してしまうという問題がありました。
学校の先生から相談を受けると同時に、フットレストを長くするためにこの台を置いたらどうでしょうと提案を受けました。
リハビリでその台を使用して試し,ハムストリングスや下腿三頭筋の筋緊張が高まらないか,足部を圧迫していないか等を確認し、特に問題はなかったため,その台を使用することになりました。
その後も学校での様子を伺い、問題なく授業に参加出来ているとの事です。
学校の先生の協力があり、早期に対応することが出来ました。
リハビリだけでは難しいことも、学校など患者様を取り巻く周りの方々と協力することでサポートすることができます。
今回は“学校とリハビリ”についてお話しましたが、他にも看護師や保育士などたくさんの人が関わっています。
これからもより良い患者様のサポートができるように、他職種との連携を大事にしていきたいと思います。
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