親の敷いたレール

ある日、娘達の会話

「普通、親が敷いたレールに乗るの嫌がるけど、
私達って、勝手に親のいる会社にはいって、
しかも あぐらかいているよね。」

娘達は私の働く会社の子会社にいます。
４年前に姉娘が失職し、新聞募集を見て応募しました。
親のことは隠していたけれど、すぐにばれたらしいです。

契約社員ですが、もう中堅どころです。
仕事が忙がしくなる今春、姉娘が妹娘を短期のアルバイト
に誘いました。それが短期でなく、そのまま働いています。
結果、私達が奨めたわけではないのに、○○一家に。

職場結婚の私達は別として、家族全員が同じ会社なのは、
正直抵抗があります。会社を早期退職した友人から、「○
○だけが会社じゃあないよ。」暗に私の生きている世界が
狭いことを、忠告されたことがありますし・・・。

娘達の職場には、私達を知っている人が多いです。
夫を知っている人は、「父さんゴルフやってるか？」「飲んで
るかぁ？」　私を知っている人からは、「母さん仕事知ってる
もんな。」と言われるそうです。なので働きだしてから、娘達
は私達に一目おくようになりました。


姉娘　「私ホントはね、お母さんのようになりたかったんだ。」

妹娘　「お母さんは、こんな大変な仕事しながら私達を育て
　　　　 てくれたんだよね。すごいよね。」

姉妹　「だから料理や掃除に手をぬいていたんだね。」　

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　あれ?!
　

　　　　　　　　　　　　　　

ニセレブ

娘達が言います。
美人姉妹、トイプードル、高級住宅地、資産家、セレブの
４大条件をクリアしているはずなのに、我が家はちょっと
ずつずれていると・・・。

なぜ？

美人姉妹　→　化粧が濃いだけ

トイプードル　→　毛が薄い

高級住宅街　→　地名は同じだけど高級住宅街のハズレ

資産家　→　借金だらけ

だからニセレブ。
「お母さんがマンションを買うたびに、家は貧乏になる。
マンション経営はいい加減にやめて。」

はい、ごめんなさい。

　　　　　　　　　　でも、できればもう一棟・・・。

飲んべえの買物

犬をトリミングに連れていくついでに姉の家に寄りました。
店の近くに姉の家があります。珍しく、夕方札幌駅近くで
待ち合わせの予定があると言います。もう４時近い。

姉は家が大好き。フローリングは顔が映るほどピカピカ。
酒も好きだが、家の掃除はもっと好き。
なので休みは殆ど家にいて、外出なんて珍しいのです。

夫は前日飲みすぎて、起きあがることもできません。
姉は「わっかるぅ」としごく共鳴します。二人とも寅年。
私は少しの量で沢山酔うし、姉妹でも性格は正反対。

インテリアショップの閉店セールに行きたいと思っていた
ので、数年ぶりに姉と一緒に街にでました。
とりあえず大通のインテリアショップへ。

５時に店についたが、飲み会は５時３０分。移動時間を
考慮すると買物時間は１０分しかありません。
「今回は下見ね。」
そう言っておいたのに、私が店をウロウロしている間に、
姉は５分で絨毯を購入。

私が目をつけたのはアンティーック調の置き台。
ディスプレイに使いたいが○万円。う～ん。
夫はいつも「何するのよ」「どこに置くのよ」とケチをつけま
す。なので、いつも衝動買いはしないようにしています。

姉　「私これ買う！」
私　「えっ？」

姉　「あなたも買うの？だったら在庫調べてもらって。
　　　私時間ないから、とりあえず札幌駅の見える所
　　　まで連れて行ってね。あなたは戻って、私の分も
　　　立て替えて買っておいて。」　　(姉は方向音痴)
私　「いや、なんで飲み会が５時３０分？　早くない？」
姉　「だって早く飲みたいじゃあない。私幹事だから、
　　　３時間飲み放題にしたの。ずぅっと飲めるの」

姉の目は、オヤツを前にした子どものようにイキイキ。
しかも１０分間で２点○万円の買物。　　早っ！

姉はただのコッパ公務員、なのに家の事と飲み会に
お金をおしまない。
もっとも私も、「賃貸マンション購入が趣味」と家人に
言われています。

　　　　この姉にこの妹かぁ・・・？

さけ水煮缶

わが社のアイドルマヨラーさん、食堂に自前のおかずを持参。
透明ビニール袋から無造作に取り出したのは「さけ水煮」缶。
大盛りライスに無料天カスをのせて、大事そうに時々、さけ水
煮を口に運びます。「さけ水煮」缶って、私初めて見ました。

「水煮って味ついてるの？」
「知らない。」

私だけではありません。北海道は鮭を、保存食として塩漬けに
することが多いです。生の鮭をムニエルにして食べるのは、最
近のような気がします。だから誰も「さけ水煮」缶を知りません。

でも、もっと皆が気にしたのは・・・、食べ終わった空き缶を、彼
はどうするのか？

「だめだよねぇ。」
「そうだよねぇ。」
「もってきた物はもって帰るべきよねぇ。」

少し迷ったみたいですが、結局彼は食堂の下膳棚に、チョコンと
空き缶を乗せて帰りました。

いつまでも、いつまでも、マヨラーさんの話題はつきません。

ちなみにしょっぱすぎる鮭は「猫またぎ」と言います。
猫も食べられないほど「しょっぱい」という意味。
冷蔵庫のない時代、日持ちさせるために仕方なかったんですよね。