古本屋で円地文子訳の「文庫版源氏物語」ひとそろいを買って、読みふけっています。
Blogでは柏木(かしわぎ)を取りあげるつもりだったから、「若菜」から読み始めたのですが面白くなって止まらない。
この分では宇治十帖の最後まで読むことになりそうです。
宇治十帖を読むと、主人公の薫(かおる)を通して柏木が透けて見えてきます。
本編での柏木は平時の男としてではなく、戦時の男それも恋の負け戦さの主人公として慌ただしく登場し、退場してしまうためか、わたくしの中では柏木像がはっきりしませんでした。
それにしても柏木は、衰弱死をしてしまうほど女三宮との密通を悔やんで苦しみますが、それほどに思い詰めなくてもよかったのに。
天皇の妃を寝取ったのなら死んでお詫びもあり得るでしょうが、それを実戦した人は死なずに栄華の道を歩んでいます。
柏木も須磨あたりに数年隠遁して、様子見をすれば良かったのだ。
彼の親友 夕霧は光源氏の息子である。
夕霧は(恋愛面では面白みがないとしても)事務能力に長けている人物だったから、父親と柏木の折り合いをつけたにちがいない。
もったいないことをした。
恋に恋をして、自分が創造した恋の亡霊と道行きをした柏木・・・
それにしても朱雀帝(源氏の兄)はなぜ女三宮を光源氏のところへ降嫁させたのかと思います。
結婚当時の女三宮は14歳、源氏は40歳です。
大切にしている姫宮の将来を託すには光源氏は歳を取りすぎていました。
現代の年齢に換算すると(0.7で除算)、女三宮は20歳ですが光源氏は57歳、なにをか言わんやであります。
一方の柏木は夕霧と同年配かやや年上。
夕霧は源氏が18歳の時の子ですから、女三宮降嫁の頃は22歳。 現代の年齢に換算すると31歳です。
柏木も35歳にはなっていないでしょうから、姫宮の後ろだとしてはちょうどいいはず。
柏木には姫宮が降嫁するときに対立するような正室もいませんでしたから、普通の流れなら女三宮の夫は柏木と、わたくしは思う。
自分の正室になるべき人が、別の人の妻になっている。
柏木はこれを不条理ととらえ、自ら崩壊していったのです。
~~~~~~
顔かたちは特別すぐれているとは見えなかったが上品で魅力的というのは、柏木にも薫にも共通する長所ですね。
それから、柏木は薫のように優柔不断な性格ではなかったのではないでしょうか。
筋が通っていることを重視するのは、父親の頭中将によく似ています。
源氏物語は、柏木が平穏に生きていたら後世まで伝わらなかったでしょうから、彼の密通、彼の死は避けることができなかった。
そして今回もお騒がせの原因をつくるのは、源氏の兄である朱雀帝。
人には持って生まれた役割があって、それを演じるのが人生なのかもしれません。
Blogでは柏木(かしわぎ)を取りあげるつもりだったから、「若菜」から読み始めたのですが面白くなって止まらない。
この分では宇治十帖の最後まで読むことになりそうです。
宇治十帖を読むと、主人公の薫(かおる)を通して柏木が透けて見えてきます。
本編での柏木は平時の男としてではなく、戦時の男それも恋の負け戦さの主人公として慌ただしく登場し、退場してしまうためか、わたくしの中では柏木像がはっきりしませんでした。
それにしても柏木は、衰弱死をしてしまうほど女三宮との密通を悔やんで苦しみますが、それほどに思い詰めなくてもよかったのに。
天皇の妃を寝取ったのなら死んでお詫びもあり得るでしょうが、それを実戦した人は死なずに栄華の道を歩んでいます。
柏木も須磨あたりに数年隠遁して、様子見をすれば良かったのだ。
彼の親友 夕霧は光源氏の息子である。
夕霧は(恋愛面では面白みがないとしても)事務能力に長けている人物だったから、父親と柏木の折り合いをつけたにちがいない。
もったいないことをした。
恋に恋をして、自分が創造した恋の亡霊と道行きをした柏木・・・
それにしても朱雀帝(源氏の兄)はなぜ女三宮を光源氏のところへ降嫁させたのかと思います。
結婚当時の女三宮は14歳、源氏は40歳です。
大切にしている姫宮の将来を託すには光源氏は歳を取りすぎていました。
現代の年齢に換算すると(0.7で除算)、女三宮は20歳ですが光源氏は57歳、なにをか言わんやであります。
一方の柏木は夕霧と同年配かやや年上。
夕霧は源氏が18歳の時の子ですから、女三宮降嫁の頃は22歳。 現代の年齢に換算すると31歳です。
柏木も35歳にはなっていないでしょうから、姫宮の後ろだとしてはちょうどいいはず。
柏木には姫宮が降嫁するときに対立するような正室もいませんでしたから、普通の流れなら女三宮の夫は柏木と、わたくしは思う。
自分の正室になるべき人が、別の人の妻になっている。
柏木はこれを不条理ととらえ、自ら崩壊していったのです。
~~~~~~
顔かたちは特別すぐれているとは見えなかったが上品で魅力的というのは、柏木にも薫にも共通する長所ですね。
それから、柏木は薫のように優柔不断な性格ではなかったのではないでしょうか。
筋が通っていることを重視するのは、父親の頭中将によく似ています。
源氏物語は、柏木が平穏に生きていたら後世まで伝わらなかったでしょうから、彼の密通、彼の死は避けることができなかった。
そして今回もお騒がせの原因をつくるのは、源氏の兄である朱雀帝。
人には持って生まれた役割があって、それを演じるのが人生なのかもしれません。
デュエットさんは文昌貴人という 文章に秀でる星を持っていて作家の大部分の人はこの星を持っているんだって・・文章の上手い人って 本当に持っているんですよ デュエットさん作家になるといいな って思いました。
円地文子さんが1000の文才だとしたら、私はひいき目に見ても0.1程度だわ。
mokurenさんと私となら、mokurenさんのほうが文才があります。
わたしは小細工が過ぎてるし、自分だけの表現を持っていない。
mokurenさんの創造性と躍動感がある日記がどれだけ素晴らしいか。
読者のみなさまはちゃんとわかってますよ。
自分の文才はわかってるつもりです。
ゼロとは言いません。(図々しい、笑)
小さな話題を体よくまとめる技術はあると思う、長年仕事をやってるからそれはね~。(笑)
それだけ。
でも、それで十分だと思います。
今度は夕霧について書きますよ~
柏木は恋には大胆だったけれど、根は、気が小さくて、愚図なお坊ちゃんタイプ、と私は見ております。
朱雀天皇は、年齢ではなく、身分の高さが釣り合っているので、心残りの愛娘を源氏に降嫁させたのでしょう。
…でも、例えきっかけがレイプであっても、女三宮もマジで柏木を愛していたのでしょうね。
さすがデュエットさんの分析は鋭くて、また読みやすくて「ふーん、なるほど」と納得させられます。
私なんて、ただ筋を追って楽しみだけなので。。。
最近はその日の気まぐれで、適当に開いた巻を読んでいます。
何度読み返してもおもしろいですね。
なんとなく、柏木のほうが薫よりも好きです。薫は暗くっていけません。
朱雀帝は源氏が出家したあとの女三宮について心配しなかったのかしら。
夕霧がちゃんとみるだろうって思っていたんでしょうね、それしか考えられません。
女三宮が柏木をどれくらい好きだったのか、また妄想してみますね。(^^)
暇人だな~~
>>最近はその日の気まぐれで、適当に開いた巻を読んでいます。
わたしも、わたしも!!
どこからでも読めて楽しいです。