DT200Aの庫 (goo-blg)

10年前の10月 中国 金城江・羅城


 とにかく蒸し暑い地域でした。この列車も駅発なので力行状態ですが、あまりにも暑すぎて湯気がちっと出る程度でした。バックの怪奇岩はこの地域独特なものです。  00,10,23 金城江・金紅線温平

 10年前の10月は金城江・羅城へ蒸機に出掛けています。ここは名勝地・桂林から程近く(と言っても500キロくらい離れていますが…)、数万年前は海底であったことが偲ばれる怪奇岩が並び、その岩を縫うように蒸機(建設型)が走る線区でした。ここは蒸機が走る線が2線区あり金城江から出ている金紅線・洛茂線と羅城から程近い所を走る三羅線線が蒸機走行線区でした。
 年間降雨日数が200日以上という地方でいつも行く中国東北部とは趣が異なり、亜熱帯で水牛が農家で労働力として飼われている光景に中国というよりベトナムといった感じの地方で熱帯地方ですのでマラリアの発生地域で蚊が多いということでしたので、蚊に刺されない様に腰にぶる下げる蚊取り線香を日本から持参したほどでした。
 この金城江・羅城で一番印象に残っているのは食生活でしたとにかく最低の食文化で西洋風のパンとかは全く口にかる事は出来ず、鍋料理の中に入れるうどんはあっても、器で食べる麺等は口にする事は難しく、朝から街の食堂に入るとブタや鳥の臓物料理のオンパレードでした。もともと美味しい味噌を使った品のあるモツ煮(代表例が津久田の永井食堂のモツ煮)以外の臓物料理にはことの外苦手な私はとにかくブタの頭の入った鍋料理などこの世のものとは思えず、一口も口にすることが出来ず閉口した事だけが印象に残っています。更に商店に入れば食用の蛇や更には犬などが生た状態(変な言い方ですが…)で販売されていて足元にぶっとい蛇がかごの中にいるのを知らずに近づいて、身の毛がよだつ程の恐怖を感じた事がありました。特に犬や鳥を半分にカットして燻製にしもの(日本では鮭がこの状態で店頭に並んでいる光景が見られます。)を商店の天井から吊るして販売している光景にはエクソシストの一場面ではないかと眼をそむけて仕舞うのは当然の事でした。こんな環境ですから宿泊設備も大都市ならまだしも金紅線・洛茂線の奥地の宿泊設備等はほとんど民泊状態で、更にやっと見つけたホテルらしき設備はトイレの便器の横に湯沸かし器があり、便器の上で裸になりシャワーを浴びる状態でした。(この時は、湯沸かし器のある部屋は限られているので、ない部屋の人は湯沸かし器のある人の部屋にシャワーを浴びに行ってくださいとの事でしたが、食事している間に即席で湯沸かし器が設置されていたのにはビックリしてしまいました。)
 この金城江・羅城ではもうひとつ印象に残っている事があります。それが自動車のトラブルです。雇った運転手は道は知らない。更に迷った悪路では自動車の下部を激突させてラジエターに致命傷を与えてしまい、水漏れとの闘いで10キロくらい走ればどこかで水をもらって給水するというお粗末なものでした。この時のガイド兼通訳は北京鉄路局外務部呉継民氏にお願いしたのですが日本の東大聴講生で北京鉄路局の幹部でもある呉氏がラジエターの水を探しに右往左往する姿には、仕事は言え本当に申し訳なく思ってしまいました。そして車は最後にはどうにも動かなくなりどこかの街外れで3時間くらい足止めをくらった記憶があります。
 帰国後も何度か金城江・羅城の撮影にお誘いを頂いた事がありましたが、とにかく臓物料理の恐怖から脱することが出来ず、再訪することなくこの地域の蒸機は消滅しました。


 この列車は列車ではなく入換です。煙が出ない状況下の中、唯一煙が出ている写真を撮ったのはこの時だけです。  00,10,23 金城江・金紅線温平

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