大地の歌と 王維と 漢詩紀行

2008年01月15日 22時40分58秒 | 巻九 マーラーが私に語ること
遺伝子継承者は最近、
寝るときにクラシック音楽をせがむ。
また愉しからずや。

本日の選曲はこれ↓。
棚の下から二段目・左から六枚目という
超テキトーチョイスでたまたま。


マーラー:交響曲「大地の歌」
クレンペラー指揮
ヴンダーリヒ,ルートヴィヒ独唱
フィルハーモニア管弦楽団
ニュー・フィルハーモニア管弦楽団
EMIミュージック・ジャパン

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云わずと知れた、
漢詩をモチーフに作られた歌曲風交響曲。
継承者と一緒に聴いていて、なんとなく思い出した。
それは、僕の一番好きな漢詩。
王維の「送元二使安西」。

渭城朝雨浥輕塵
客舍青青柳色新
勸君更盡一杯酒
西出陽關無故人

(読み下しと翻訳はこちら

特に好きなのは
「君に勧む更に尽くせ一杯の酒」のフレーズ。
不思議なことに、
どうにも泣きそうになってしまう。
君(友)は辺境の地に赴任していくんだな。
まあ、飲めや、
この先、飲み交わす相手もいないだろうから、…と。

漢詩を味わっていると、
酒を飲むことの正当性を証明してくれているようで、
 いや、それはてんで曲解なのだが、
飲酒に逃げ込むことはあながち間違っていないのだ、と
そのように解釈することにしている。
中世の士大夫がそう言うんだから!(←曲解)

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学生時代、
徹夜明けにたまに観ていたのは、
NHKの「漢詩紀行」という早朝番組。
なんとも渋い漢詩朗読と中国的風物の映像が流れるのだが、
不思議と見入ってしまったもんだ。
あーあ、また夜を徹してしまった。という虚脱感と
滔々朗々たる七言絶句。

あの日に帰りたいとは思わないけど
モラトリアムは決してモラトリアムに留まらない、とだけは
 言えるのかもしれません。

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