Kindertotenlieder（亡き子をしのぶ歌）

正月も二日目、
マクドの昼食のあと、
一人のリヴィングルームでDVDを観る。
ひさびさの、一青窈さんのライヴ。

一青窈 Yo&U Tour `06 初回限定版 コロムビアミュージックエンタテインメント このアイテムの詳細を見る

ふと思った。
「大家(dajia)」の歌詞ってすごいな。
「生き急いでみるの、も　早く死ぬのもいい」。

こういう言い方をする歌い手は決して多くないだろうたぶん。
生き急いでも、そしてたとえ死んでしまっても、
現世の生死を越えたところで繋がっている、
そんな感じだろうか。違うかも知れないし違っても構わないが。

一青窈のうたには、
このように「死」を意識させるものが少なくない。
「かざぐるま」では二人で沈んでしまった。
「翡翠」は刹那的で蜻蛉のような一瞬に危うい「生」を感じる。
「てんとう虫」のPVは、ススキの原に建つ墓碑のイメージ。
「金魚すくい」に至っては、異界（あの世）から聴こえる手毬歌の感さえ漂う。

もちろんこれらの印象は、自分の一面的な受け止め方でしかないのだけれど。

----------　キリトリ　-----------

そして今現在、
たまたまではあるが
マーラーの6番を聴いている。

マーラー:交響曲第6番 テンシュテット指揮 ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団(1991) 東芝EMI このアイテムの詳細を見る

マーラーこそ、「死」をテーマにした作品は多い。
彼の歌曲に、「亡き子をしのぶ歌」というものがある。
第6番との関係が指摘される歌曲。
この曲を作ったとき、
彼は子供どころか結婚さえしていなかった。
そして皮肉にも、
この曲が完成した後に、
本当に自分の子供と死別してしまう。

彼にはその予感があった、とかいう話ではない。

人間として生きている以上は
その終末である「死」を意識しない訳にはいかず、
意識しない振りを通すことを
自分は肯んずることが出来ない。

----------　キリトリ　-----------

「生き急ぐのもいい」と言えるのも、
「早く死ぬのもいい」と言えるのも、
毎日を大事に生きているからこそなのだろうか。
だとしたら、
自分は到底そんな資格ないかも。
資格が必要だとしたらの話として。

----------　キリトリ　-----------

とかなんとか
小難しい話は無しにして
鼓膜の反応する限り、いろいろ聴いていこうっと。
異端審問の場に引きずり出される日まで
そう長くないのかも知れない、ので。

----------　キリトリ　-----------

★追記
ふと思い起こすと、
宇多田ヒカルについても似たようなことを書いていた。
よっぽどこのテーマが好きらしい。自分。