「問題とは思わぬ」とは思わぬ？

>”伊吹文科相発言、官邸は擁護＝安倍首相、「問題とは思わぬ」”
>
>安倍晋三首相は26日夕、
>伊吹文明文部科学相が
>日本は「大和民族が統治した同質的な国」と発言したとされる問題について
>「大体、仲良くやってきたということじゃないか。特に問題だとは思わない」
>と述べ、問題視しない考えを示した。
>この中で首相は
>「戦国時代とか戦いの歴史もあるが、そんなに相手を皆殺しにするということもなく、
>まあまあ仲良くやってきたということなんじゃないか」と指摘。
【2月26日19時0分配信 時事通信】


あんまりこの内閣に関わりたくないのだが。
突っ込み始めるとキリがないので。

ここで「戦国時代」を持ち出す精神性。
真面目に言ってるんだとしたら薄ら寒いし、
イブキ氏をかばう為に無理矢理こじつけているのなら
ご苦労なこった。

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まずはイブキ氏。

イブキ氏の発言で問題になっている、
もしくは問題になると思われるのは、
所謂「単一民族」論が容易に連想されるからである。

イブキ氏が実際そういう思考を持っているかどうかは別にして、
政治家の発言として深謀遠慮がなさ過ぎる。
このブログで腐るほど言ってきたことだが、
想像力、の問題だ。

現在の日本国家東京政権は、
初めからヤマト民族の同質的な社会だった訳ではない。
征服され抑圧された人々がいたという歴史を、
本当に心に刻んでいれば、
残念ながらあんな発言は出てこない。

－－－－－－－－－－　キリトリ　－－－－－－－－－－－

そしてシンゾウ氏。

戦国時代って結局、
日本民族の主流支配層の内ゲバみたいなものでしょ、極端に言えば。
武士の頭領同士のコップの中のケンカがそこそこ丸く収まったからって
だからこの国の歴史は円満に仲良くやってきました、っていう論理。
ひょっとしてこの方の歴史観が如実に現れてるのかな。

シンゾー氏がそうだと断定する気はないが、
歴史といえば
天皇とか将軍とか皇帝とか権力者の「政局」しか思い浮かばない精神性。
歴史というのは、
「庶民」であったり被支配者であったり、
もっと言えば被差別者や被抑圧者の生き様の集体でもあるのだ。
当たり前のことだけど一応言っておく。

日本国だけが歴史上征服者であったなどというつもりは毛頭ない。
チンギス＝ハンも
大航海時代の欧州人も
中華帝国も。

だからといって
我が国の歴史を上っ面だけ舐めてて良い訳ではないのだ。

今の我が国の繁栄は
先人英霊の努力・犠牲のおかげであると
好んで言う人々がいる。
それなら同時に、
多くの「支配されし人々」や「破壊されし文化」を生み出しながら
つまりはいろんな人々を傷つけながら、
我が国は歩みを進めてきた、とも言えよう。

足を踏まれた側の痛みを
ほんの少しでも想像してみて罰は当たらないと思うが。