心理学の名著30 (ちくま新書) | |
サトウタツヤ | |
筑摩書房 |
本書は「心とはなにか?」といった疑問を抱く方々を対象としている。
著者であるサトウタツヤ氏は、過去の著作からもわかるように、知的な関心を高めたいと思う人をその道の深いところへと誘うのが実にうまい。
[たとえばコレなど!] 心理学・入門 --心理学はこんなに面白い (有斐閣アルマ) | |
サトウタツヤ・渡邊芳之 | |
有斐閣 |
本来、それほど簡単には理解できないはずの世界を、著者の手にかかった書を一読したあとには、なぜか毎回なるほどと「分かった気に」させてくれるから不思議だ。
今回も、とかく難解になりがちな学術書のイメージを徹底的に解きほぐしている。
心理学の系譜が実にコンパクトにまとめられているため、「掴んだ!」という気分になれること請け合いだ。
資料的価値を念頭に、書き手としてはニュートラルな立ち位置に徹するのがサトウ流であるが、時に奥ゆかしく主張を混ぜ混んだりもしており、そのあたり、読者に是非発掘していただきたい部分でもある。
例えば、P154にもそうした箇所が発見できよう。
御恵送いただいてから、随分と時間が経ってしまった。長く売れていく書と思われますので、お許しを。。
合掌