おとぎのお家と青い鳥

本ブログでは、主に人間が本来持つべき愛や優しさ、温もり、友情、勇気などをエンターテイメントの世界を通じて訴えていきます。

新 青春うたものがたりシリーズ「風のある町」4/ A town with the wind

2013-03-04 19:22:06 | 人・愛・夢・運命・教育・家族・社会・希望

2013年の新年を迎え、すべての有名サイトでNO1に輝いた当ブログ人気作品─新青春うたものがたりシリーズ『風のある町』─が、Googleサイトにおいて約115,000,000 件中1位を獲得するという大快挙を成し遂げました。それを記念して新シリーズとして─新青春うたものがたりシリーズ『風のある町』─を 再スタートさせて頂くことにしました。前回の連載同様どうぞよろしくお願い致します。


ピアノ企画 / 下家 猪誠
作 / 猪 寿

第4話/ 愛の命を賭けた訴え
~私にはもう時間がないの・・・~

人にとって一番の 幸せってなんだろう
人にとって一番の やすらぎってなんだろう
ふとそう思って思い悩んだとき ふっと心の中に浮かんだのは
それは・・・いつも手を伸ばすと・・・ 真実の優しさや温もりにすぐ触れられる
家族や愛する人が いつもすぐ傍にいてくれることかも知れないと・・・・・


◎前回のあらすじ

大輝が、愛と再会し“風のある町”
に帰って来てから、一ヶ月近くになろうとしていた。
だが悲しいことは、愛の「大空を飛んでみたい・・・」という彼への最後の頼みに対して、彼の彼女の望(願いごと)みをなんとしてでも叶えてあげたいという焦る気持ちとは裏腹に、まだ未だに何ひとつとしてそれに対する名案は見つかっていなかった。
ある日、大輝が偶然に町の本屋の前を通りかかった時に、彼の目に一冊の本が目に留まった。
それはスカイダイビングの本であった。
大輝は、「大空を飛んでみたい・・・」という、愛の望みを叶えてやるのは「これだ!」直感した。
しかし、それを実行に移すためにはふたつの大きな問題が、彼の前に立ちはだかった。
それは、スカイダイビングに掛かる大輝と愛の二人分の費用が、大学生の彼にとってはすぐには用意するのは難しい、大金の五十万円ほどかかることと、いくら愛の「大空を飛んでみたい・・・」という望みを叶えてあげるためだといっても、彼女の体調のことを考えると、おそらく彼女の家族や病院側がそれを許してくれないだろうという、現実の大きな壁だった。
大輝は、まずは第一の問題である金のことを、田舎の両親に電話をし理由を話して必死で頼んだが、父親に「大学生の分際で・・・」と怒鳴られたあっさりと断られた。
そうなると、頼みの綱はもうひとつしか残っていなかった。
それは、一番今回の事情を良く知っている愛の母親百合子に、直談判することだった。
大輝はそう決めると、居ても立ってもいられなくなりすべてのことを取り止めて、すぐに風のある町を出て夜行列車に飛び乗り、愛の実家がある東京の成城に向かった。
その時、愛に残された余命は、あとわずか四ヶ月あまりだった。


京都の寺などでよく見かける、日本庭園風の庭が窓ガラス越しに見える、二、三十畳はあろうかと思う応接間に通されると、例の大輝が愛の家を最初に訪問したときに会った、家政婦の吉田恵子がいかにも高級そうなコーヒーカップに入ったコーヒーと、モンブランケーキを持ってきてくれた。
さすがに当初は、大輝の突然の訪問に百合子も驚いていたが、彼と愛との真実の関係を一番良く知っている彼女は、彼の訪問を快く出迎えてくれた。
大輝には都合よく、愛の成城にある実家を訪ねると、着いたのがもう時間が午前十時を回っていたせいか、彼女の父親の泰三は会社に出掛けていなく、愛の母親である百合子が応対してくれた。

―ピンポーン。ピンポーン。ピンポーン・・・・・―

「ところで亀梨さん、今日は突然連絡もなしに訪ねてくれるなんて、何かあったのですか?」
百合子は、大輝の不意の訪問を不思議がりそう尋ねた。
「実は、今日僕がお邪魔したのは、愛ちゃんの望みを叶えてあげたくて、ご相談に来たんです・・・」
「それに、すみませんが連絡をしないで来たのは、おそらく電話でその相談をすると、その時点で断られることが分かっていたからです・・・」
「愛の望み?」
『そうです。お母さんも一緒に病院に行ったときに聞いていたでしょう。愛ちゃんが僕に対して「大空を飛んでみたい・・・」と話していたことを・・・』
「ずっとあれから、愛ちゃんの望みをどうやったら叶えてあげられるかを考えていたのです・・・」
「そして、やっとその方法が見つかったのですが、今の僕の身分ではどうすることもできないのです・・・」
「その方法は、お母さんは知らないかも知りませんが、鳥や飛行機のように空を自由に飛ぶことが出来て遊覧飛行や空の散歩を楽しめる、スカイダイビングというものなのですが・・・」
「ですから、こうやってお母さんに相談に来たのです・・・」
「それってどういうことですか?」
百合子は、大輝の話をじっと黙って聞いていたが、彼の言っている事情がまったく呑み込めず、再び彼に問い返した。
「愛ちゃんの“大空を飛んでみたい・・・”という望みを叶えてあげるためには、僕なりに考えたところこの方法が一番いい方法ではないかと思うのですが、そのためにはふたつの大きな問題があって・・・」
「ふたつの大きな問題って?」
「そのひとつ目ですが、スカイダイビングを行うためには入会費や会費、受講料など必要で、僕と愛ちゃん二人分に費用を合わせると、僕のような貧乏学生の身分ではとても用意できない五十万円近くもの大金が必要であるということと・・・」
「そして、そのふたつ目ですが、愛ちゃんにそのスカイダイビングをやらせることを、お母さんたち家族や病院側が許して貰えるかということなんです・・・」
「・・・・・」
さすがに、大輝の話を聞き終えて事の真相を理解した百合子も、いくら愛の望みを叶えることだといっても、彼の唐突すぎる内容には頭の中が混乱して、どう返事していいのか判断がつかずに言葉に詰まった。
ただ、だんだんと落ち着きを取り戻し心の整理がつくと、自分の率直な思いを明確な口調で大輝に伝えた。
「亀梨さんには悪いけど、お金のことならともかく愛の病気のことを考えると、とてもスカイダイビングなんてやらせられないわ・・・」
大輝は、当初から反対されることは分かっていたとはいえ、百合子の言葉を聞いて愕然とした。
ただ、今ここで「はい、そうですか・・・」と引き下がってしまうと、愛が大輝に託した望みを彼女が生きている間に叶えてあげることはとても無理だという思いが、彼の心の中では強く働いていたので、彼は涙ながらに百合子に土下座して、何とかその返事を考え直してくれるように頼み込んだ。
さすがに、百合子もそんな大輝の姿を見ていると心を動かされ、しぶしぶ愛の父親である泰三や愛の主治医の堂本誠と交渉してくれることを承諾してくれた。

百合子が、泰三に連絡を取り大輝から聞いた話の内容を伝えると、当初は彼女と泰三が電話で話す姿を見ていると、かなり泰三は彼女に対して怒りをぶつけているようだったが、どうやら最後は彼女に説得されてしぶしぶ承諾したようで、愛が入院している病院の一階の受付の前で、会社の仕事が終わる午後七時に待ち合わせることになった。
そして、百合子は同時に緊急に相談したいことがあると言って、愛の主治医である堂本誠とも会う約束を取り付けてくれた。
大輝と百合子が、タクシーで病院に向かい病院に到着すると、約束の一階の受付の前で泰三が大柄な躰をイラつかせるように揺り動かしながら、彼の運転手の河本輝夫と一緒に待っていた。
「お前たち、遅いじゃないか・・・」
「すみません・・・」
まだ約束の時間の七時まで十五分も前だというのに、相変わらず泰三は横柄な態度で百合子に文句を言っていたが、さらに今回の大輝の計画には相当腹を立てているようで、彼が挨拶をしても彼とは一切口を聞こうとはしなかった。
愛が入院している七階の受付を尋ねると、百合子が連絡を入れていたこともあり、愛の主治医である堂本誠が待っていてくれて、診察室と隣接した場所にある入院患者や、その家族への病状の説明に使われるカンファレンス室を用意していてくれていた。
堂本は、百合子の話を聞いたとたん、「そんなこと、本気で言っていっているんですか?」と言い、あっさりと百合子の話を断った。
そして、その堂本の言葉に同調するかのように、その話を隣で聞いていた泰三が、「こんな馬鹿げたことで、俺まで呼び出すなんて・・・」と、吐き捨てるように言った。
「せ、先生なんとかお願いできませんか?愛ちゃんが僕に最後に託した望みなんです・・・」
「亀梨くん、君のようなド素人が何を言うのかね。だいいち、家族でもなんでもない他人の君が、先生にそんなことを話すなんて大変失礼ことなんだぞ・・・」
「まあ、まあ、そう怒らずに落ち着いてください。彼も彼なりに愛ちゃんのことを思って一生懸命やったことでしょうから・・・」
さすがの泰三も、愛の主治医である堂本には頭があがらないみたいで、ブツブツ口ごもって愚痴は零していたものの、大輝に対してそれ以上何かを言うことはなかった。
これでもう、愛の「大空を飛んでみたい・・・」という望みを叶えてあげることは、すべて絶たれてしまうことになった。

「せっかくお見えになったんだから、愛ちゃんの病室を寄って行ったらどうですか?」
堂本の勧めもあって、もう通常なら面会の時間はとっくに過ぎていたが、堂本が同行するという条件で病院側から許可を得て、三人は愛の病室に立ち寄ることにした。
大輝たちが愛の病室を訪ねると、彼女は病気の治療のための点滴を受けている最中だったが、すぐに大輝の姿に気がつくと満面の笑みを浮かべながらベッドから起き上がり、点滴用のスタンドを片方の空いている左手で押しながら、彼の方に向かって近寄って来た。
そして、大輝に分かるようにひと言ひと言ずつ大きく口を開いて、「今日は、何をしに来たの?」尋ねた。
大輝は、愛のその言葉の意味を理解すると、ショルダーバッグの中から以前に彼女と話した時と同じように大学ノートと取り出し、彼女の問い掛けに対して返事を書いた。
――今日は、君がこの前来た時に僕に話した「大空を飛んでみたい・・・」という、君の望みを叶えてあげたくて、君のお父さんやお母さんそれに主治医の堂本先生にお願いに来たんだけど、どうやら君の病気(体調)のことを考えると、とても難しいという結論になってしまって。だから、ごめんね。君の望みを叶えてあげられなくなって・・・――
その大輝が大学ノートに書いた文章を読んだとたん、愛は泣き狂ったように点滴用の器具を自らすべて取り外して床に投げ捨てると、無菌室の扉を勝手に開けて四人がいる病室の外に飛び出して来た。
そして、泰三や百合子や主治医の堂本の制する言葉にも耳も貸さずに、自ら四人の足元に跪いて床に顔を押し付け、大粒の涙をボロボロ零しながら大声で訴えた。
「お願い、私にはもう時間がないの・・・」
「それは、本当はパパやママもそうだけど、先生だって知っていることでしょう・・・」
「だから、私は自分の命と引き換えにしても、大輝との残こされた時間を少しでも大切にしたいし、自分の望みを叶えたいの・・・」
「ねえ、パパもママも先生も、私のそんな気持ちを分かってくれてもいいでしょう・・・」
さすがに、愛のその行動を目の当たりにしたら、どんなに頑固な泰三であろうと、心を動かされずにはいなかった。
もちろん、それは百合子も主治医の堂本も同じ思いだった。


 


    渡部猛夫

◎プロフィール

職業:あおぞら整骨院院長

出身校:帝京医学技術専門学校

出身地・居住地:神奈川県横浜市

好きな言葉:心得

すべてに感謝し

生かされている自分は

人に感謝の念を持って施術に入る

電話:勤務先045-581-0715 携帯 080-4072-8306

ウェブサイト:http://www.facebook.com/l.php?u=http%3A%2F%2Faozora.jisseki.net%2F&h=ZAQDhfWU0

http://ameblo.jp/aonofujitora/

メールアドレス:aozorabs@gmail.com

◎紹介コメント

一言でいうと、とても魅力ある人間らしい方です。それは、誰に対してもこまやかな心遣いと愛情を持って接し、勇気(元気)や希望を与えられる方だからです。僕は、そんな渡部さんの人間としての、人柄の尺度の大きさが大好きです。


Happy New Year! 2013

お友だちのみなさん、新年明けましておめでとうございます。

 今年は、新たな「日本の天地創造」の時だと思っています。
それに伴い、いよいよ僕自身も自らの人生の最終章に向かう年だと思っています。

そこで、これまで僕は僕自身がやり残したことを、すべては出来ませんが出来る限りやって行こうと決心しました。
その最後の答えが見つかるまでは試行錯誤すると思いますが、これまでのように絶対に自分を甘やかせないで生きることにしました。

 ただ、やる目的は決まっていますので、後は自分自身の努力次第でそれが本物になるか、しょせん偽物で終わるのかが決まると思います。

つきましては、これまで以上にすべての物事に対して本気で立ち向かって行こうと思っていますので、お友だちのみなさんの中でぜひ僕に対してどんな小さなことでもいいですので、ご支援やご指導を頂ける方がいましたら、下記のメールアドレスまでどうぞご一報いただけますようよろしくお願い致します。

 連絡先
m_ishizaka518@yahoo.co.jp
icchi0720@ybb.ne.jp

平成25年1月吉日
 下家 猪誠

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新 青春うたものがたりシリーズ「風のある町」3/ A town with the wind

2013-03-04 19:21:41 | 人・愛・夢・運命・教育・家族・社会・希望

2013年の新年を迎え、すべての有名サイトでNO1に輝いた当ブログ人気作品─新青春うたものがたりシリーズ『風のある町』─が、Googleサイトにおいて約115,000,000 件中1位を獲得するという大快挙を成し遂げました。それを記念して新シリーズとして─新青春うたものがたりシリーズ『風のある町』─を 再スタートさせて頂くことにしました。前回の連載同様どうぞよろしくお願い致します。



ピアノ企画 / 下家 猪誠
作 / 猪 寿

第3話/ 愛の願い
~大空を飛んでみたい・・・~


◎前回のあらすじ

あ、愛ちゃんに会わせて下さい・・・」
「・・・・・」
大輝が必死で頼んでも、愛の母親百合子はなかなか首を縦に振らなかった。
おそらく、大輝の気持ちの中では愛の父親である泰三が許さないからだろうという、強い気持ちがあった。
しかし、本当の理由はそれだけではなかった。
それは、大輝が今の愛の本当の姿を見てしまうと、百合子の心の中に彼の気持ちにかなりの動揺が起こり、彼のこれまでの愛に対する気持ちが離れていってしまうのではないかという、母親としての大きな心配があったからである。
そして、もうひとつそれと同時に、今の愛の本当の姿を知ったとたん、大輝の彼女に対する愛情が薄れてしまい、彼女に対して冷めた態度をとられたらという、ちょっと百合子の心の中に考えすぎではないかと思うほどの、ひとつの怖さがあったからだった。
それでも、大輝はあまり乗り気ではない愛の母親である百合子を強引に口説いて、愛が入院している新宿の信濃町にある慶都病院に向かった。

―コンコン、コンコン、コンコン・・・―

そこで待っていたのは、かつてのように美しい黒髪姿の面影などはまったくない、白血病の治療の副作用のせいで髪の毛はすべて抜け落ち、頭にベージュ色のニットの帽子を被り、躰全体が拒食症患者のようにやせ衰えた愛だった。
突然の大輝の訪問に驚いた愛は、最初は照れくさそうにただ笑っているだけだったが、いつしか二人とも
“風のある町”
で一緒に暮らしていた頃のように心をひとつに取り戻すと、どちらからともなくお互いの肌の温もりを確かめるかのように近付いて来て、気付いたときには心身ともにひとつになって、しっかりとガラス越しに両手と両手を重ね合わせていた。
やがて愛の目には大粒の涙が溢れ出していた。
それは、大輝も同じだった。
二人は、ほんの数十センチという近い距離にいながら、ガラスの壁に阻まれて直接言葉が交わせないぶん、日記帳と大学ノートを使って会話をすることにした。

「また会えてよかったね・・・」
「ありがとう」
「どうして僕に、本当のことを教えてくれなかったの?」
「・・・・・」
大輝が書いたその言葉に、突然愛の表情が悲しそうになったので、彼はすぐに話題を変えた。
「早く君が元気になって、また二人で風の町に帰りたいね・・・」
「そうね・・・」
「いつまでも僕は、君が帰ってくるのを待っているからね・・・」
大輝が大学ノートにそう書いた台詞を見たとたん、また愛の目頭には薄っすらと涙が浮かんで来た。
「ごめん、変なこと書いちゃって・・・」
「ううん、大丈夫よ・・・」
二人の、日記帳と大学ノートを使った文字での会話は三十分ほども続いたが、やがて愛の担当看護師がやって来て、「もういいでしょう。これ以上、無理やり続けて、愛さんに何かあったらどうするんですか?」大輝に向かってそう言うと、半ば強引に二人の会話を打ち切らせた。
その担当看護師の言葉を聞いて、愛自身は自分は大丈夫だと強引に訴えたが、看護師が彼女の言葉を一切聞くことはなかった。
大輝の横にいて二人の会話のやり取りをずっと見守っていた百合子も、さすがにそう思ったのか?担当看護師の言葉に一切口出しをすることは無かった。
最後に、大輝が愛に今一番何がしたいか?尋ねると、彼女の口からは彼が予想もしていなかった言葉が飛び出した。
「大空を飛んでみたい・・・」
「大空!どうしてまた?」
「どうしても・・・」
「私の、最後の大輝に対する我侭だと思って、それを叶えてくれる・・・」
「ね、大輝いいでしょう・・・」
大輝とっては、まだ自分さえ飛んだことがない大空を飛ぶことなんて、とても自分の力で愛の夢を叶えてあげるのは無理なことだとは思ったが、でもあと半年間しかもたない愛の命のことを考えると、なんとしてでも彼は彼女の夢を叶えてあげたいと思った。
その日、大輝は愛からその言葉を最期に聞くと、百合子と一緒に彼女の病室を後にした。
大輝が愛に別れを告げて帰る時、一瞬後ろを振り返ると笑顔は見せているものの、彼女の目頭に薄っすらと涙が浮かび、「ありがとう・・・」という言葉を、ひと言ずつ口を大きく開いて一生懸命に伝えようとしている姿が見えた。
大輝は、自分が予想もしていなかった愛の言葉にすごく戸惑ったが、愛が生きていられる時間があと半年の間しかないと思うと、何とかして彼女の夢を叶えてやりたかった。
輝が、愛と再会を果たし風のある町に帰って来てから、月日が経つのは早いもので、もう一ヶ月近くになろうとしていた。
ただ大輝はその間、学校へ行っている時もアルバイトの行っている時も、片時も愛の「大空を飛んでみたい・・・」という夢を、絶対に叶えてあげたいということを忘れることはなかった。
しかし、残念なことに大輝のそう思う強い気持ちとは裏腹に、まったく未だにその名案は見つかっていなかった。
る日、大輝が偶然に町の本屋の前を通りかかった時に、彼の目に一冊の本が目に留まった。
それはスカイダイビングの本だった。
大輝は、「大空を飛んでみたい・・・」という、愛の夢を叶えてやるのは「これだ!」思い、その本を夢中で読み漁った。
ただ、大輝はスカイダイビングで誰かが飛んでいるのを、これまでテレビのバラエティ番組の罰ゲーム一などでしか見たことがなく、彼の意識の中でのスカイダイビングはそのスピードやスリル感を楽しむ、ある種レジャー楽しむための金持ちのひとつ遊びだというイメージが強かった。
が、その本を読んでいるうちに、実際のスカイダイビングはパラシュートの操縦技術を競い合う、世界各国で大会が行われているれっきととしたスポーツ競技の一種だということが分かった。
スカイダイビングで愛がいう大空の飛ぶのには、ハワイやグァムなどの世界各地の様々な場所でその体験が出来るようだったが、彼女の躰の体調のことを考えると、日本の中でその体験が出来る場所を探すしかなかった。
都合がいいことに、愛が入院している慶都病院からさほど距離的に遠くはない埼玉県の川島町に、TOKIOスカイダイビングクラブという、スカイダイビングが体験できる会社が見つかった。
ただ、大空を飛ぶ体験が出来るスカイダイビングのクラブが見つかったことで、愛の望みである“大空を飛んでみたい・・・” という願いは叶えてあげられそうになったが、それを実行に移すためにはふたつの大きな問題があった。
それは、入会費や会費、受講料が大輝と愛の二人分を合わせると、大学生の彼にとってはすぐには用意は出来ない、大金の五十万円ほどの費用がかかることと、いくら愛の「大空を飛んでみたい・・・」という夢を叶えてあげるためだといっても、おそらく彼女の家族や病院側がそれを許してくれないだろうという、現実の大きな壁があった。
大輝は、まずはその第一の問題である金のことを、「大学を卒業して働くようになったら、必ず返すから・・・」と言って、田舎の両親に電話して必死で頼んだが、父親に「お前は大学生の身分で、なんでそんな恥知らずなことをやっているんだ!それに家は、貧農家でお前を大学に行かせるだけで精一杯なんだぞ・・・」と、逆に大怒りされてあっさりと断られた。
そうなると、頼みの綱はもうひとつしか残っていなかった。
それは、愛が入院している病院に一緒に同行し、彼女が大輝に対して“私の、最後の我侭だと思って、その願いを叶えてくれる・・・”と、彼に頼んだことをその場で聞いていた、愛の母親の百合子に相談することだった。
大輝はそう決めると、すぐに風のある町を出て夜行列車に飛び乗り、愛の実家がある成城に向かった。
その時、愛に残された余命は、あとわずか四ヶ月あまりだった。


 
K

Kimiko Eva


プロフィールの紹介

楽 し い 通 訳 ☆ き み 子 で す

英国人と結婚して英国に住むようになり、
氣がついたら、もうすぐ30年になります。

会社内の翻訳・通訳を経てフリーになって7年。
臨時講師ですが大学で逐次・同時通訳も教えます。
国際会議、リサーチ、ビジネス、面白そうな仕事は何でもウェルカム。
最近はケンブリッジ大学のリサーチ機関とも御縁ができました。

モットーは、何でも楽しくやろう!です。
漫画とアニメ大好き、美味しい食べ物・ワインはモチロン大好き。

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新 青春うたものがたりシリーズ「風のある町」2 / A town with the wind

2013-03-04 19:21:17 | 人・愛・夢・運命・教育・家族・社会・希望

2013年の新年を迎え、すべての有名サイトでNO1に輝いた当ブログ人気作品─新青春うたものがたりシリーズ『風のある町』─が、Googleサイトにおいて約115,000,000 件中1位を獲得するという大快挙を成し遂げました。それを記念して新シリーズとして─新青春うたものがたりシリーズ『風のある町』─を 再スタートさせて頂くことにしました。前回の連載同様どうぞよろしくお願い致します。


ピアノ企画 / 下家 猪誠
作 / 猪 寿

第2話/ 愛の病気
~限りある命(白血病)~

風のある町を君は去って行った きっともう帰れないと知っていたから
(片道切符一枚で・・・Woo ooo)
知らず知らずにいつか 二人の間を急ぐように時間が駆け抜け
知人(ひと)を通して聞いてた 君の噂も聞かなくなったいつからか
あのまま君が生きていてくれたら 二人にとってどんな人生があっただろう
歳をとったせいだろうか こんなにも涙もろくなったのは
もう帰れないからだろうか 君と過ごした思い出の場所へ
どこまでも青く澄み切った 星空を見ていたら
子供のように夢を見る とても惨めな大人の姿の僕がいた

歳をとったせいだろうか 意味もない自分探しをするのは
もう帰れないからだろうか あのときめきの青春(じだい)の瞬間(なか)に
心地よい陽だまりの中の 眠りから目覚めたら
輝きもときめきもない 時の流れに置きざりにされた僕がいた

◎前回のあらすじ

突然、愛が地図にも名前が載っていない、“風のある町”
にやって来たのは、桜前線の話題がいっせいにテレビニュースで騒がれ始めた、早春の風の強い日だった。
大輝との出会ったのは、駅前の不動産屋の前で部屋を探すための貼り紙を見ているときに、偶然その場を通りかかった彼が、彼女に声を掛けたことがきっかけだった。
大輝は愛と出会ったときには、まだ彼は地元の大学に通う学生だった。
そして、愛は大輝よりふたつ年上の、OLだった。
やがて、二人は偶然の出会いから親しくなり、一緒に暮らし始めるようになる
ただ、大輝は愛と暮らし始めるようになってから、だんだんと2人の将来について理想を描くようになっていったが、その思いは2人が一緒に暮らし始めてから彼の気持ちとは裏腹に、わずか2ヶ月足らずで崩れてしまう。
その理由は、「ママが体調を崩したみたいだから、ちょっと家に帰って来るね。でもすぐに帰って来れると思うから心配しないでね・・・」という、一通のメモが残されていたのがきっかけだった。
それは、実際には愛の母親が病気ではなく、彼女自身が病気だったからだったからである。
それも、後命が半年しかもたないという、思い白血病だった。
実は、愛がふらりと偶然にも風のある町にやって来たのは、天国に旅立つための自分に残された、最後の時間を楽しむためだったのである。

「あ、愛ちゃんに会わせて下さい・・・」
「・・・・・」
大輝が必死で頼んでも、愛の母親百合子はなかなか首を縦に振らなかった。
おそらく、大輝の気持ちの中では愛の父親である泰三が許さないからだろうという、強い気持ちがあった。
しかし、本当の理由はそれだけではなかった。
それは、今の愛の本当の姿を知ると、百合子の心の中に大輝の気持ちに大きな動揺が起こり、彼の気持ちが愛から離れていってしまうのではないかという、かなり母親としての恐れがあったからだった。
愛は、高度の白血球の減少に伴い化学療法や造血幹細胞移植術等の血液疾患により、外には一歩たりとも出ることが出来ずに、無菌室で集中治療中を受け続けていたが、その副作用で髪はすべて抜け落ち頬はこけ目は窪んで、その姿にはかつての彼女の面影は何ひとつとして残っていなかった。
百合子は、そのことを大輝に話すかどうか迷っていたが、彼の話を聞き彼が本心から愛を愛してくれていることを知ると、彼にすべてを打ち明ける決心をした。
そして、やはり泰三は同行するのを嫌がったが、大輝と百合子は愛が入院している新宿の信濃町にある慶都病院に向かうことになった。
車は、いつも泰三が通勤に使っている白塗りのクラウンロイヤルで、泰三の運転手の河本輝夫が二人に同行した。
慶都病院は、かつて日本を代表するアクションスターの石渡裕一郎が入院したり、初めて日本人の女性宇宙飛行士として有名になった、向田千秋が医師として勤務していたりしたことでも、有名な病院である。
二人を乗せた車は成城の自宅を出ると、世田谷通りから環八に入り、用賀から首都高に乗って、首都高速道路4号新宿線外苑出入口で降り、慶都病院に向かった。
慶都病院は、同大学のキャンパスにあるせいか、意外に若い人の姿も多く見かけた。
1階で受付を済ませると、大輝と百合子は愛が入院している無菌室がある7階に、通路のちょうど中ほどにあるエレベーターで向かった。
愛が入院している病室に付くと、彼女はじっとベッドの上から淡いピンクのパジャマ姿のままで、青くどこまでも晴れ渡った大空をじっと見つめていた。
ただ、愛の姿が以前の姿とまったく違っていたのは、百合子が彼女を訪ねる前に話していたように、白血病の治療の副作用のせいで髪の毛はすべて抜け落ち、頭にベージュ色のニットの帽子を被り、躰全体が拒食症患者のようにやせ衰えていたことただ。


――コン、コン、コン コン、コン、コン・・・――

大輝が、硬い透明のガラスで仕切られた壁をノックすると、愛はビックリした表情で立ち上がり、最初は照れくさそうに笑っていたが、やがて彼女の目には大粒の涙が溢れ出していた。
それは、大輝も同じだった。
気付いた時には、大輝の目からも、愛と同じように大粒の涙が、自然に勝手に溢れ出していた。
そして、しばらく二人は見つめ合ったまま、決して何かを語ろうとはしなかったが、まるで久しぶりの再会をひとつひとつ確かめて喜び合うかのように、だんだんとガラスを挟んでふたつの躰が近づくと、気付いた時には両手と両手が重ね合っていた。
その姿を横で見ていた、愛の母親の百合子も思わずもらい泣きして、しばらく三人の涙が止むことはなかった。
また、それは、大輝と愛の真実から愛し合っている偽りのない姿でもあった。



長町

長町ゆかり


プロフィール紹介

未来を担う子供達が、健やかな心と身体を保てるように願い、こどもパン教室『ぷちぱんキッズ』を始めて8年半になりました。
これから1年かけて、イメージトレーニングのインストラクターの資格も取ります。
子ども達の心を癒し、豊かな未来を築きあげる力をつけるお手伝いができることを喜びに、自分自身も楽しんでいきたいと思います☆
どうぞ宜しくお願いします♪

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メール nagyuka@nifty.com

 

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新 青春うたものがたりシリーズ「風のある町」1/ A town with the wind

2013-03-04 19:20:52 | 人・歌・愛・心・笑顔・夢・希望・平和

2013年の新年を迎え、すべての有名サイトでNO1に輝いた当ブログ人気作品─新青春うたものがたりシリーズ『風のある町』─が、Googleサイトにおいて約115,000,000 件中1位を獲得するという大快挙を成し遂げました。それを記念して新シリーズとして─新青春うたものがたりシリーズ『風のある町』─を 再スタートさせて頂くことにしました。前回の連載同様どうぞよろしくお願い致します。


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作 / 猪 寿

第1話/ 大輝と愛
~出会い~

風のある町を君と歩いたね 風のある町で君と話したね
(いつでも2人一緒に・・・Woo ooo)
今では何もかもが遠い日々の 記憶にかすむ出来事だけど
僕の生活(くらし)の中では まるで時計が止まったように
あの青春(ひ)の君が今でも なにひとつ色褪せもせず美しいままで生きている
歳をとったせいだろうか 意味もない自分探しをするのは
もう帰れないからだろうか あのときめきの青春(じだい)の瞬間(なか)には
心地よい陽だまりの中の 眠りから目覚めたら
何の輝きもときめきもない 時の流れに置きざりにされた僕がいた

突然、愛が地図にも名前が載っていない“風のある町”
にやって来たのは、桜前線の話題がいっせいにテレビニュースで流れ始めた、早春の風の強い日だった。
愛が、風の町にやって来たときの格好は、スーツケースひとつと薄いグレーのロングパーカーに、洗いざらしのジーパンという質素のものだった。
大輝との出会いは、駅前の不動産屋の前で部屋を探すための貼り紙を見ている時に、偶然その場所を通りかかった彼が声を掛けたことだった。
やはり、大輝の遊び目的の軟派と思われる行動に、最初はすごく警戒し彼が何を言っても無視をしていた愛だったが、彼が真っ黒に日焼けし顔でひょっとこ面や、明石家さんまなどの芸人の真似をして笑わせてくれる姿に、やがて少しずつ彼女の警戒心も解けいき、笑顔を見せるようになった。
大輝が愛と出会った時には、まだ彼は地元の大学に通う学生だった。
愛が、大輝と出会ったその日なかなかいいアパートが見つからずに、彼の部屋に泊めて貰ったのをきっかけに、2人は正式に自己紹介をし合い付き合うようになった。
その結果、愛のほうが大輝より2つ年上ということが分かった。

そして、その日から2ヶ月も経たないうちに「いつも一緒にいるのに、アパート代がもったいね・・・」という話から、二人は愛が借りた部屋で同棲するようになった。
大輝と愛は一緒に住むようになってから、以前にも増して二人で将来の夢を語り合ったり、映画を見に行ったりショッピングなどに出掛けたりするなどして、二人の交友時間を楽しむようになった。

その後、二人は生活費を稼ぐために、大輝が大学に出掛けている間は、愛はファーストフードの店でアルバイトをし、大輝は大学の授業が終わると以前から働いていた居酒屋で、それぞれにアルバイトを続けた。
そのせいで、普段の日はアルバイトをする時間が昼と夜というすれ違いはあったが、そのぶん毎月二回は日にちを合わせて休みの日を取っていたので、たまに喧嘩はするものそんなに生活に不自由を感じたり、男女関係の生活に不便さを感じたりすることはなかった。
ただ、ひとつ大輝には気になることがあった。
それは、愛がしょっちゅう熱を出したり、めまいを起こしたりすることだった。

大輝が愛の家を訪ね、インターホーンを通じて自分の名前を名乗ると、家政婦らしき女性が応対に出て来たが、彼が愛のことについて聞くと、何故だか?大慌てして2階に繋がっている螺旋階段を駆け上がって行き、やけに大柄で恰幅のいい中年の男性と、まるで女優のように品のいい中年の女性を伴って3人で階段を降りてきた。
その姿を見た瞬間、大輝には家政婦らしき女性が呼んで来たのが、愛の両親であることはすぐに分かった。
大柄な恰幅のいい中年の男性は、自分が愛の父親の石坂泰三であることを名乗ると、いきなり大輝に向かって怒りだした。
「お前のおかげで、愛の病気は家にいるときよりも、ずいぶん酷くなったんだぞ!」
「それって、どういう意味ですか?」
「お、お父さん、やめてください。亀梨さんに会えて愛だってあんなに喜んでいたじゃないですか・・・」
「お、お前は何を馬鹿げたことを言っているんだね!」
「ほ、本当じゃないですか・・・」
『「愛ちゃんはお母さんが体調を崩したので、しばらく家に帰ります・・・」とメモを書き残していましたが・・・』
「愛ちゃんに何かあったんですか?」
「そ、そんなことを、あ、あの子が・・・」
そう呟くように言うと、愛の母親百合子の目からは、ハンカチでも押さえ切れないほどの大粒の涙がぼろぼろと、彼女の頬を伝って床に零れ落ちた。
「お、お父さん、もういいでしょう。亀梨さんに本当のことを話してあげましょう・・・」
「もういい!お前がそういい気持ちなら、もう好きにしろ!!」

それから事件が起きたのは、わずか3日後のことだった。
「ママが体調を崩したみたいだから、ちょっと家に帰って来るね。でもすぐに帰って来れると思うから心配しないでね・・・」
突然、大輝がアルバイトを終えて帰宅すると、そうメモを書き残して愛の姿が消えていたのである。
だが、愛のそんな言葉とは裏腹に、彼女は一ヶ月経っても帰って来ることはなかった。
愛のことを心配した大輝は、たとえ一緒に住んでいても彼女のプライバシーを盗み見るようで、なんとなく悪い気がしたが、彼女の整理タンスの中から彼女の母親から彼女宛にときどき来ていた手紙を探し出し、やっとその住所を頼りに東京の成城にある彼女の家を探し出した。
大輝が家を訪ねると、今まで愛から一度も聞いたことはなかったが、かなり彼女は金持ちと思われる家の娘だった。

お前がそういい気持ちなら、もう好きにしろ!!」
愛の父親の泰三は、そう言った後もなおも怒りながら、ぶつぶつと独り言を呟きながら螺旋階段を上がり、とっとと自分の部屋に帰っていった。
家政婦らしき女性は、その煽りを受けてどちらに付くか困り果てた顔で、泰三の方を向いたり百合子の方を向いたりして迷っていましたが、百合子が泰三の様子を見に行くように伝えると、ホッとした表情で泰三の後を急ぎ足で追いかけて行った。

「実は・・・亀梨さん、愛は今病院にいるんです・・・」
「えっ?!」
「い、いったいそれはどういうことなんですか?」
「誰にも話さないと思っていましたが、亀梨さんあの子の命はもう半年しかもたいないんです・・・」
「そ、そ、そんなことを急に言われても、ぼ、僕には何がどうなっているのか、分かりませんが・・・」
「そうですよね。突然こんなことを言われても、何がどうなっているのか分かるわけがありませんよね・・・」
よほど辛いのだろう。
百合子は、勝手に溢れ出す涙をハンカチで抑えながら、悲しみに満ちた表情で話をし続けた。
「愛は、重い白血病にかかっていて、もうどんな治療を受けても治ることはないのです・・・」
「じゃあ、お母さんが病気というのは嘘で、本当は自分自身が病気だったんですね・・・」
「そ、それも半年間ほどしか命がもたないという・・・」
ようやく大輝は百合子の話を聞き、しょっちゅう愛が熱を出したり、めまいを起こしたりしていたことの理由が分かると同時に、その話を聞かされたとたん逆に今度は自分がめまいがして倒れてしまいそうなくらいに、心に大きなショックを受けた。

次回に続く


 
 大久保まーさ

大久保まーさ



140歳まで美しく♪生きる:大久保まーさ♪をニックネームにした、食生活アドバイザー兼美容食研究家。

住まいの地域:兵庫県
出身地:美しい地球
出没地:芦屋 大阪 神戸 東京
血液型:永遠型
誕生日:1949年11月15日 15時頃
性別:愛にあふれた女性です

とても、優しくて自然を愛する素敵な女性です。こんな、まーささんとお会いしたい方は、下記のURLまでアクセスください。
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Happy New Year! 2013

お友だちのみなさん、新年明けましておめでとうございます。

 今年は、新たな「日本の天地創造」の時だと思っています。
それに伴い、いよいよ僕自身も自らの人生の最終章に向かう年だと思っています。

そこで、これまで僕は僕自身がやり残したことを、すべては出来ませんが出来る限りやって行こうと決心しました。
その最後の答えが見つかるまでは試行錯誤すると思いますが、これまでのように絶対に自分を甘やかせないで生きることにしました。

 ただ、やる目的は決まっていますので、後は自分自身の努力次第でそれが本物になるか、しょせん偽物で終わるのかが決まると思います。

つきましては、これまで以上にすべての物事に対して本気で立ち向かって行こうと思っていますので、お友だちのみなさんの中でぜひ僕に対してどんな小さなことでもいいですので、ご支援やご指導を頂ける方がいましたら、下記のメールアドレスまでどうぞご一報いただけますようよろしくお願い致します。

 連絡先
m_ishizaka518@yahoo.co.jp
icchi0720@ybb.ne.jp

平成25年1月1日
 下家 猪誠


桜流し [DVD]
クリエーター情報なし
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楽しさがいっぱい! 『ボッケモン』の4コマ漫画特集

2012-03-31 22:50:41 | アニメ・漫画・絵本・子供・学校・家族

2_2今日は、ボッケモン』の漫画絵本は昨日で終わりましたが、当作品を掲載中にとても大勢の皆様方に応援していただきましたので、特別にボッケモン』の4コマ漫画を楽しんでもらいます。

※鹿児島県が生んだ鹿児島の漫画絵本のヒーロー『ボッケモン』を、今後ともどうぞ可愛がってくださいね。

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愛と希望の応援戦士
『ボッケモン』
企画指導 下家猪誠


4コマ漫画
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4コマ漫
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lovely『ボッケモン』掲載告知

◎本作品『ボッケモン』は、鹿児島県の若者たち数名が地元鹿児島をテーマにして、自分たちの手で何かニューヒーローを創り出そうという大きな情熱の旗印のもとに毎晩集まって、出来上がった作品です。従って、物語の登場人物のすべてのキャラクターが鹿児島弁をもとにして作られています。そして本作品には、『ボッケモン』が“単なる鹿児島県のヒーローではなく全国的なヒーローなるようにという”彼らの強い思いと願いが込められています。

 

そんな彼らの夢や希望を叶えるためには、本作品『ボッケモン』が、少しでも多くのみなさんの目に触れて可愛がって頂き、「アンパンマン」や「ポケモン」のように全国的なレベルで親しんでもらえますようになることです。



lovely鹿児島弁豆知識

(1)「ボッケモン」は、鹿児島弁で後先のことを考えずに行動する、向こう見ずな人のことを言います。

(2)「ルリカケス」は、鹿児島県の県鳥で国指定天然記念物です。

(3)「イキャット」は、“どこに行くの?”を鹿児島弁で“ドケ・イキャット・ナ?”をヒントにして命名したものです。

(4)せごどんの娘の「愛」と、奥さん「カナ」の名前は、実際の西郷隆盛の島妻であった“愛加那”をヒントにして名付けたものです。

(5)「せごどん」は、鹿児島弁での西郷隆盛の愛称です。

(6)「オイ」と「ワイ」は、鹿児島弁では自分のことを“オイ”相手のことを“ワイ”と呼びます。

(7)「ヨカバン」は、鹿児島弁で“気持ちのいい夜”のことを言います。

(8)「ウレシカ」は、鹿児島弁で“嬉しい”ことを言います。





『ボッケモン』漫画絵本 3

2012-03-30 23:42:35 | アニメ・漫画・絵本・子供・学校・家族

2_2今日で、いよいよ漫画絵本ボッケモン』も最終回です。もっと鹿児島県の良さを全国のみなさんに知ってもらおうと、九州新幹線開通特別記念企画としまして始めた作品ですが、少しは新たな鹿児島県の魅力を再発見できたでしょうか。

こうやってみますと、ボッケモン』という言葉は西郷隆盛など鹿児島が生んだ歴史的な英雄と相重なって、鹿児島県が生んだ代名詞のような気がしますね。

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愛と希望の応援戦士
『ボッケモン』
企画指導 下家猪誠


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lovely『ボッケモン』掲載告知

◎本作品『ボッケモン』は、九州の鹿児島県の若者たち数名が地元鹿児島をテーマにして、自分たちの手で何かニューヒーローを創り出そうという大きな情熱の旗印のもとに毎晩集まって、出来上がった作品です。従って、物語の登場人物のすべてのキャラクターが鹿児島弁をもとにして作られています。そして本作品には、『ボッケモン』が“単なる鹿児島県のヒーローではなく全国的なヒーローなるようにという”彼らの強い思いと願いが込められています。

そんな彼らの夢や希望を叶えるためには、本作品『ボッケモン』が、少しでも多くのみなさんの目に触れて可愛がって頂き、「アンパンマン」や「ポケモン」のように全国的なレベルで親しんでもらえますようになることです。


lovely鹿児島弁豆知識


(1)「ボッケモン」は、鹿児島弁で後先のことを考えずに行動する、向こう見ずな人のことを言います。


(2)「ルリカケス」は、鹿児島県の県鳥で国指定天然記念物です。


(3)「イキャット」は、“どこに行くの?”を鹿児島弁で“ドケ・イキャット・ナ?”をヒントにして命名したものです。


(4)せごどんの娘の「愛」と、奥さん「カナ」の名前は、実際の西郷隆盛の島妻であった“愛加那”をヒントにして名付けたものです。


(5)「せごどん」は、鹿児島弁での西郷隆盛の愛称です。


(6)「オイ」と「ワイ」は、鹿児島弁では自分のことを“オイ”相手のことを“ワイ”と呼びます。


(7)「ヨカバン」は、鹿児島弁で“気持ちのいい夜”のことを言います。


(8)「ウレシカ」は、鹿児島弁で“嬉しい”ことを言います。






『ボッケモン』漫画絵本 2

2012-03-30 23:17:39 | アニメ・漫画・絵本・子供・学校・家族

2_2只今、もっと鹿児島県を全国のみなさんに知ってもらうために、九州新幹線開通特別企画としまして、鹿児島の若者たちが情熱と希望の旗印の下に集まり、地元のを創ることを目的に描いた、漫画絵本ボッケモンをご覧ください。

※今日のボッケモン』は、はやとくんがボッケモン』に変身するときの、その秘密が明かされます。

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『ボッケモン』
企画指導 下家猪誠


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lovely『ボッケモン』掲載告知

◎本作品『ボッケモン』は、鹿児島県の若者たち数名が地元鹿児島をテーマにして、自分たちの手で何かニューヒーローを創り出そうという大きな情熱の旗印のもとに毎晩集まって、出来上がった作品です。従って、物語の登場人物のすべてのキャラクターが鹿児島弁をもとにして作られています。そして本作品には、『ボッケモン』が“単なる鹿児島県のヒーローではなく全国的なヒーローなるようにという”彼らの強い思いと願いが込められています。

 

そんな彼らの夢や希望を叶えるためには、本作品『ボッケモン』が、少しでも多くのみなさんの目に触れて可愛がって頂き、「アンパンマン」や「ポケモン」のように全国的なレベルで親しんでもらえますようになることです。



lovely鹿児島弁豆知識

(1)「ボッケモン」は、鹿児島弁で後先のことを考えずに行動する、向こう見ずな人のことを言います。

(2)「ルリカケス」は、鹿児島県の県鳥で国指定天然記念物です。

(3)「イキャット」は、“どこに行くの?”を鹿児島弁で“ドケ・イキャット・ナ?”をヒントにして命名したものです。

(4)せごどんの娘の「愛」と、奥さん「カナ」の名前は、実際の西郷隆盛の島妻であった“愛加那”をヒントにして名付けたものです。

(5)「せごどん」は、鹿児島弁での西郷隆盛の愛称です。

(6)「オイ」と「ワイ」は、鹿児島弁では自分のことを“オイ”相手のことを“ワイ”と呼びます。

(7)「ヨカバン」は、鹿児島弁で“気持ちのいい夜”のことを言います。

(8)「ウレシカ」は、鹿児島弁で“嬉しい”ことを言います。









『ボッケモン』漫画絵本 1

2012-03-26 22:48:40 | アニメ・漫画・絵本・子供・学校・家族

2_2本日より、もっと鹿児島県を全国のみなさんに知ってもらうために、九州新幹線開通特別記念企画としまして、鹿児島の若者たちが情熱と希望の旗印の下に集まり、地元のニューヒーローを創ることを目的に描いた、漫画絵本ボッケモンをご覧ください。

絵本と合わせてボッケモン“4コマ漫画”を見ると単独で読むより10倍オモシロイよ!

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『ボッケモン』
企画指導 下家猪誠


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lovely『ボッケモン』掲載告知

◎本作品『ボッケモン』は、鹿児島県の若者たち数名が地元鹿児島をテーマにして、自分たちの手で何かニューヒーローを創り出そうという大きな情熱の旗印のもとに毎晩集まって、出来上がった作品です。従って、物語の登場人物のすべてのキャラクターが鹿児島弁をもとにして作られています。そして本作品には、『ボッケモン』が“単なる鹿児島県のヒーローではなく全国的なヒーローなるようにという”彼らの強い思いと願いが込められています。


そんな彼らの夢や希望を叶えるためには、本作品『ボッケモン』が、少しでも多くのみなさんの目に触れて可愛がって頂き、「アンパンマン」や「ポケモン」のように全国的なレベルで親しんでもらえますようになることです。




lovely鹿児島弁豆知識

(1)「ボッケモン」は、鹿児島弁で後先のことを考えずに行動する、向こう見ずな人のことを言います。

(2)「ルリカケス」は、鹿児島県の県鳥で国指定天然記念物です。

(3)「イキャット」は、“どこに行くの?”を鹿児島弁で“ドケ・イキャット・ナ?”をヒントにして命名したものです。

(4)せごどんの娘の「愛」と、奥さん「カナ」の名前は、実際の西郷隆盛の島妻であった“愛加那”をヒントにして名付けたものです。

(5)「せごどん」は、鹿児島弁での西郷隆盛の愛称です。

(6)「オイ」と「ワイ」は、鹿児島弁では自分のことを“オイ”相手のことを“ワイ”と呼びます。

(7)「ヨカバン」は、鹿児島弁で“気持ちのいい夜”のことを言います。

(8)「ウレシカ」は、鹿児島弁で“嬉しい”ことを言います。

 



『ボッケモン』の主なキャラクター&4コマ漫画の紹介

2012-03-25 18:15:34 | アニメ・漫画・絵本・子供・学校・家族

2_2只今、もっと鹿児島県を全国のみなさんに知ってもらうために、九州新幹線開通特別企画としまして、鹿児島の若者たちが情熱と希望の旗印の下に集まり、地元のを創ることを目的に描いた、漫画絵本ボッケモンをご覧ください。



今日は、4コマ漫画と一緒にボッケモン』に登場する主なキャラクターご紹介しますね。



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 主なキャラクターの紹介

企画指導 下家猪誠

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4コマ漫画 

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◎本作品『ボッケモン』は、鹿児島県の若者たち数名が地元鹿児島をテーマにして、自分たちの手で何かニューヒーローを創り出そうという大きな情熱の旗印のもとに毎晩集まって、出来上がった作品です。従って物語の登場人物のすべてのキャラクターが鹿児島弁をもとにして作られています。そして本作品には、『ボッケモンが“単なる鹿児島県のヒーローではなく全国的なヒーローなるようにという”彼らの強い思いと願いが込められています。

 

そんな彼らの夢や希望を叶えるためには、本作品ボッケモンが、少しでも多くのみなさんの目に触れて可愛がって頂き、「アンパンマン」や「ポケモン」のように全国的なレベルで親しんでもらえますようになることです。




lovely鹿児島弁豆知識

(1)「ボッケモン」は、鹿児島弁で後先のことを考えずに行動する、向こう見ずな人のことを言います。

(2)「ルリカケス」は、鹿児島県の県鳥で国指定天然記念物です。

(3)「イキャット」は、“どこに行くの?”を鹿児島弁で“ドケ・イキャット・ナ?”をヒントにして命名したものです。

(4)せごどんの娘の「愛」と、奥さん「カナ」の名前は、実際の西郷隆盛の島妻であった“愛加那”をヒントにして名付けたものです。

(5)「せごどん」は、鹿児島弁での西郷隆盛の愛称です。

(6)「オイ」と「ワイ」は、鹿児島弁では自分のことを“オイ”相手のことを“ワイ”と呼びます。

(7)「ヨカバン」は、鹿児島弁で“気持ちのいい夜”のことを言います。

(8)「ウレシカ」は、鹿児島弁で“嬉しい”ことを言います。




『ボッケモン』の主な戦闘武器&4コマ漫画の紹介

2012-03-25 18:15:08 | アニメ・漫画・絵本・子供・学校・家族

2_2本日より、もっと鹿児島県を全国のみなさんに知ってもらうために、九州新幹線開通特別企画としまして、鹿児島の若者たちが情熱と希望の旗印の下に集まり、地元のを創ることを目的に描いた、漫画絵本ボッケモンをご覧ください。

今日は、4コマ漫画と一緒にボッケモン』が敵と戦うときの“戦闘武器”をご紹介します。

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         ボッケモンの主な戦闘武器の紹介

企画指導 下家猪誠


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4コマ漫画

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lovely『ボッケモン』掲載告知

◎本作品『ボッケモン』は、鹿児島県の若者たち数名が地元鹿児島をテーマにして、自分たちの手で何かニューヒーローを創り出そうという大きな情熱の旗印のもとに毎晩集まって、出来上がった作品です。従って物語の登場人物のすべてのキャラクターが鹿児島弁をもとにして作られています。そして本作品には、『ボッケモンが“単なる鹿児島県のヒーローではなく全国的なヒーローなるようにという”彼らの強い思いと願いが込められています。

そんな彼らの夢や希望を叶えるためには、本作品ボッケモンが、少しでも多くのみなさんの目に触れて可愛がって頂き、「アンパンマン」や「ポケモン」のように全国的なレベルで親しんでもらえますようになることです。



lovely鹿児島弁豆知識

(1)「ボッケモン」は、鹿児島弁で後先のことを考えずに行動する、向こう見ずな人のことを言います。

(2)「ルリカケス」は、鹿児島県の県鳥で国指定天然記念物です。

(3)「イキャット」は、“どこに行くの?”を鹿児島弁で“ドケ・イキャット・ナ?”をヒントにして命名したものです。

(4)せごどんの娘の「愛」と、奥さん「カナ」の名前は、実際の西郷隆盛の島妻であった“愛加那”をヒントにして名付けたものです。

(5)「せごどん」は、鹿児島弁での西郷隆盛の愛称です。

(6)「オイ」と「ワイ」は、鹿児島弁では自分のことを“オイ”相手のことを“ワイ”と呼びます。

(7)「ヨカバン」は、鹿児島弁で“気持ちのいい夜”のことを言います。

(8)「ウレシカ」は、鹿児島弁で“嬉しい”ことを言います。