隣国同士は、仲が悪いとよくいわれる。日本と韓国もしかり、アメリカとカナダ。オーストラリアとニュージーランド、インドとパキスタン。それは、利害関係が地理的に近いため絡みあったりするからである。たいてい、過去の歴史において、争ったりした記憶が隣り民族で共有されている。
ドイツも、そうである。特に国境線で接しているフランスとは、犬猿の仲といっていい。第一次世界大戦と第二次世界大戦で争っていたことは有名だが、それ以前にも、争いの歴史は数多くあった。
そんなんだから、フランス人はドイツ人が嫌いなのかなと思い、ある日、私の近所のフランスの総菜屋と御菓子さんのフランス人女性店員に、「Les Français détestent les Allemands.(フランス人は、ドイツ人が嫌いだよね。)」と言ってみると、彼女は、「いえ、ヒットラーは嫌いだけど、だからといって、ドイツ人を嫌うことはないわよ」と応えた。
なんとすばらしい回答。後に、そのお店にドイツ人の男性が働き、二人が英語で対話しているのを目撃した。
これが、ヨーロッパ人なのだろう。いいことだ。