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私の「独」学日記

ドイツ語と、その他、ドイツから学べることをいろいろと語りたいと思います。その他、ドイツと他国との関係から学べることも。

グリム童話の世界について

2021-01-31 10:24:31 | 文学

たまたま、BSの紀行番組でドイツの特集を観て、それが最高だったので、番組から学んだドイツが生んだ不朽の文学作品、「グリム童話」の裏話について語ろうかと思う。

それは、童話の中ででてくる「笛吹き男」と「魔女」についてだ。実をいうと、どちらも、実際にあった出来事を元にした悲しい事実が背景にあるということ。グリム童話は、19世紀にグリム兄弟が、ドイツ各地の語り部から聞いた数多くの話を元につくった説話集である。

「笛吹き男」は、ハーネルンという街で実際に13世紀に起こった130人もの子供が失踪した事件が元になっているという。ネズミ退治をしたのに、町の人が報酬を払わなかった仕返しというのは、後付けのフィクションであったという。

また、魔女については、中世の魔女裁判などがモチーフだけど、実際の魔女は、賢い人たちで、病気になった人々を独自の知識で助けた女性たちだったが、それで税収が減って困った教会が、魔女に仕立て、彼女たちを抹殺したり、追放したりしたという理不尽な出来事が隠されていたという。

そんなわけで、ドイツには、やっぱり強く引き付けられるものがある、今後もドイツに徹していこうと思う。この番組では、ドイツのバイエルン地方を治めていた王様ルードビッヒについても、ノイシュバンシュタイン城と合わせて紹介したが、これについては、番組で語られたある事柄で、自分自身が学生時代、ドイツを訪ねた時に、ルードビッヒ王(の霊魂?)に招待され来たという確信をもってしまった。あの時に起こった、そうだと思わせるちょっとしたエピソードがあるのだ。

また、自分とルードビッヒにある共通点がある。そのことが関係しているのか。それについては、いずれ、一つの記事でしっかり語ろうと思う。いずれ、しっかりと。

追伸:てなわけで、以前、記述したようなフランスも合わせるのはやめました。ただ、「独仏関係」として、カテゴリーとしては残しておきます。


書籍「戦時下日本のドイツ人たち」 いい小説が書けそう

2015-05-04 18:18:35 | 文学


とてもいい歴史書に出会った。私が、とても関心のある時代と分野。明治以後第2次大戦以前の日本と西洋人との関わり。その中で、特にナチス統制下のあったドイツとの。特にドイツと日本は枢軸同盟を結んでいた。だから、敵国であった英米とは違う。

戦時中、白人といえば、敵国の民族と思われがちだが、ドイツは同盟関係にあったため、真珠湾攻撃が起こった後でも、ドイツ人は収容所に拘束されることはなかった。

また、それに関連して、キリスト教信者は敵国の宗教だから禁じられていたのではと思いきや、ドイツやイタリアはキリスト教国。日本のクリスチャンは、それを盾に自分たちの信仰を揶揄されると言い返した。

一見、対米英戦争は人種の戦争と思われがちだが、ドイツとイタリアとの同盟関係を考えれば、必ずしもそうとは言い切れない。

だが、そこには互いの矛盾も存在した。いい例がナチスの反ユダヤ政策だ。ナチスは本国ではユダヤ人を弾圧して収容所に入れるようなことをしてきたが、日本ではそれができなかった。日本に逃れたユダヤ系ドイツ人もいた。それ以外の反ナチの人々も日本に滞在していたという。また、ドイツでは禁じられていたハイネの詩も、日本では堂々と教えられていた。

日本に戦時下にいたドイツ人は、それ以外には、旧オランダの植民地にいて、敵国人として拘束されていたドイツ人が、日本が新たに占領したため解放され連れてこられた人々。東洋人の味方に助けられたことを当時の西洋人はどう感じたのか。

だが、そんなドイツ人も東洋の同盟国に保護される立場も終わりを告げる。本国の降伏だ。1945年5月に降伏した後、彼らの運命は一変する。裏切り者と思われたからだ。

そして、日本の終戦。その後、一部は日本に留まることができた者とナチスの協力者として本国に強制送還され、日本と同様に荒廃した祖国を目にすることになる。

そんな歴史を踏まえて自作小説のアイデアが発生。舞台は軽井沢。

1945年4月にドイツ人の集団が、疎開のため、軽井沢のホテルを借り切り生活。その中にはナチスから逃れたユダヤ人、ナチスの高官がおり、呉越同舟の状況。そこに、彼らに敬意を示す日本人。争い、恋愛、憎しみなどが混じり合い、戦時下の緊張状態を生き抜かんとする。

だが、翌月、祖国は降伏。周囲の日本人の扱いが、一変する。

そして、日本の終戦。彼らの運命は???