南魚沼市竹俣、ここには「上杉謙信は上田庄竹俣生まれ」だという伝承があるらしい。しかもその付近には謙信公が産湯に使った泉というのがあるそうだ。
栖吉城主長尾顕吉の娘というのが一般的だが、栖吉城主である古志長尾家でこの年代の当主は長尾孝景であり、主君上杉房定が没した後彼も引退し息子の房景に譲っている。この年代に長尾顕吉の入り込む隙間なく、彼は上田の坂戸城主であると前の時に力説し、『上杉御年譜』には栖吉城主肥前守長尾房景の娘とあり、肥前守は豊前守の誤りで彼の子供ではないかとしたのだが、竹俣で生んだとなれば実家か？と推測でき上田坂戸城主長尾肥前守顕吉でもいいような気がしてこなくもない。
なので青岩院についてもう一度考えてみたいと思う。
謙信公の産湯の泉は地元伝承のようだが、竹俣村はどこかで見たと思い探してみると吉田東吾の大日本地名辞書に書いてあった。（参照P281【三条】の項）
曰く「長尾景虎、為景の四男なり、享禄3年庚寅歳寅月寅日を以て蒲原郡三条に生まる。幼名虎千代と曰ふ、母は古志郡栖吉城主肥前守長尾顕吉女也。」
或は曰く「享禄三年八月十五日魚沼郡竹俣村に生る。」
上杉家に伝わる所は「春日山に生る」と曰ふ…諸説一定せず、だそうだ。その中でも三条城が確説となすと説いている。南蒲原郡加茂町青海神社祠宮古川氏の旧記に三条城で生まれると載っているそうなのだ。その傍証として当時の世情をあげている。
謙信の生まれた1530年は越後享禄・天文の乱いわゆる上条の乱の勃発年である。
永正10年（1513年）に長尾為景の傀儡となることを良しとせず宇佐美房忠とともに越後守護上杉定実が為景打倒の行動を起こし、春日山にはいるも「刷を以て相違なく上様を引出し申し、御供を致し帰府せしめ候。今夕、為景の堀内へ移し奉り」と定実を幽閉、房忠は討死。怒りに震えていたと思われる定実の実家上条定憲が1530年挙兵した。こんな背景の中の出産なのである。
この大日本地名辞書には為景が持っていた城は三つあり、府内春日山城、本拠である三条城、栖吉城と書いてある。栖吉は古志なのでたぶん蔵王堂城のことではないかと思うのだが？？？（長尾能景が古志長尾の房景（丸）が幼いのを理由に大島はこちらで管轄するという書状があるし、顕定越後侵攻の時房景は顕定側に付き蔵王堂を攻撃している事から）とにかく府内には定実がいるので三条城で出産した可能性が高いとしている。「為景剛強なるも春日山に安眠する能わず多くは栖吉或いは三条に居り、云々」とあり、先に書いたように蔵王堂城の間違いかもしれないが、栖吉の姫を貰ったのだとしたら婿殿として我が物顔で栖吉にいたのかもと考えることもできる。これに関しては北越軍記を参考にしているようで信憑性はわからない。
享禄3年庚寅歳寅月寅日生まれも、1530年1月21日で庚寅年戊寅月壬子日だそうで三寅にはならなかったようだ。まあ寅刻生まれかもしれないけれど。竹俣村にいたっては8月15日生まれということでどこから出てきた日付なんだと思うわけで。これが本当だとして毘沙門天の生まれ変わり（聖徳太子が物部討伐の遠征中の寅年寅月寅日寅刻に戦勝を祈った所、毘沙門天が現れ作戦を授け勝利したことによる信貴山朝護孫子寺や鞍馬寺の縁起などから）に合わせるために月日を改竄した可能性もあるがそれなら壬子もあわせてやれよと思うし、どれもこれもイマイチな感じだが実家で生むと言うことに関して言えば竹俣村が面白い。栖吉の姫なら栖吉で生んだ伝承があっても良さそうだが今のところないようだ。
父に名が上がっている長尾肥前守顕吉、長尾肥前守房景の共通項は栖吉城主となっているところと肥前守だが肥前守房景は普光寺文書等から上田長尾で年代から顕吉の父と推定でき、顕吉も又普光寺文書や上杉文書などで上田関係の書状が主なことから上田当主であると言える。（金沢鋭夫著上杉謙信の中で長尾新六が下向したことで不慮の事件が起こったとき、長尾長景・為景から長尾肥前守へ誓書を送っている。この新六は上田房長のことであるから肥前の守は房長の父であると考えられる。というのが載っていた。これも顕吉、上田説の傍証にしたい。）顕吉は父となりえても肥前守房景は文明頃の人なので父とはなりえない。
残る長尾房景は栖吉城主長尾豊前守房景だが為景、房長と同年代の人である。大体1485年～1495年の間に生まれた人たちと推定できる。
青岩院は永禄11年5月7日に亡くなったという。57歳であったらしい。逆算すると1512年生まれということになる。謙信が生まれたのが1530年なので18歳の時の子供。15・6で嫁にいったとすると、房景が20代前半頃の子供となり、40歳前後で嫁に出したと計算できる。房景その人を見てみると、1495年幼くして家督を譲られる。1498年には丸で書状が出ていてまだ元服前、永正元年（1504年）あたりで弥四郎房景と名乗り元服。13歳～15歳で元服が一般的らしいので1490年前後に生まれたと思われる。彼が父であってもおかしくない計算だ。顕吉が父だとしたら40歳前後の晩年の子ということになるのだろうか。
以上から虎御前の父はこの二人に絞り込みたいと思う。顕吉の子として上田長尾に生まれたのか、房景の子として栖吉に生まれたのか。
彼女が生まれた1512年は永正の乱が終わり、府内、栖吉、上田の三っつの長尾が手を組んだ蜜月時代だ。先に書いたように永正10年（1513年）守護上杉定実が春日山に立て籠もったが為景に引き出され府内の為景の屋敷に幽閉されてしまったとき、守護方は上田を攻めたが為景は房景をはじめ大軍をもって房長を救援にゆき永正11年六日市（六日町）で殲滅戦がおこなわれたという。守護方の中心であった宇佐美房忠もこの年、唯一逃れた宇佐美定満以外一族郎党滅んだと伝えられている。
では青岩院がお嫁に行き、謙信が生まれた頃の1530年前後はどうだったのだろうか。
永正15年頃から越中侵攻が始まり栖吉の長尾房景に了解と出兵を求め、房景はこれに答えている。永正18年（1521年）「一向宗禁制」の文書がだされているが、これは石川景重・千坂景長・斎藤昌信・毛利広春・長尾憲正・長尾房景・長尾景慶の奉行人の連署で公布されたものだという。房景だけに花押がないらしいが、為景政権のなかの中枢として活動しているのがわかる。
上田の方はどうだろうか。長尾顕吉の文書は永正8年（1511年）あたりまでであとは房長と交代する。関東管領上杉顕定の書状にも上田の房長に相談するようにというのがあるらしく永正の乱前に房長が第一線にでていたということになるのだろう。越中戦前後の房景は為景政権の奉行衆だったらしいが、房長をみると、当時の懸案であった越中戦にも彼の名はなく為景政権とは一線を引いていたのではないかと思われる。力を蓄えていた時期でこの頃から上田の被官が増えていると前に書いたが永正13年の乱での守護方中心人物宇佐美房忠の遺児宇佐美定満にも知行を与えている。越中侵攻などで疲れてきた国内を感じて享禄3年（1530年）上条定憲がいわゆる上条の乱をおこすのだが為景は速攻鎮圧、まだ房長は動いていない。彼は1533年の上条の再乱の時に定憲方につき為景を引退に追い込むのである。
この二つを見ると栖吉長尾はずーと為景側で為景も信頼を置いているようだ。この時期上田よりも古志側と姻戚関係にあったと見る方が自然な気がする。房長が年の離れた妹を嫁にやったとするとその割には繋がりが薄い感じがするのだ。
背景を見ていく限りやはり栖吉の姫に軍配をあげたいと思う。それに色々書かれた系図でもその父の名前はともかく栖吉の姫は共通項なのである。
ではなぜ栖吉肥前守顕吉の娘というどっちかにしてくれと言うような混同がおこり、謙信は竹俣村で生まれたという伝承があるのだろうか。しかも8月15日というどこからでたのかという日付。（ちなみに房長は8月15日亡くなっているらしい）で考えてみた。青岩院そのひとが母の実家である竹俣村で8月15日に生まれたのではないか。つまり上田肥前守顕吉の娘が母で古志弥四郎房景が父なのではと。顕吉の妻は尾崎（泉）左近持重の娘だという。房景の妻も泉氏娘？との噂もある。どれだけ嫁に出しているんだ泉氏と思わなくもないので房景が顕吉と泉氏の間に生まれた娘を妻にしたことで混同が起きたとは考えられないだろうか。青岩院が生まれた前後は古志家と上田家は蜜月時代、嫁に出してもおかしくないと思うのだが。「顕吉娘が母が顕吉娘」になってしまったみたいな。よく政景と謙信はいとこというのを目にするが従兄弟は母青岩院なのではと言ってみる。まあ妄想ですが。
妄想系図こんな感じ？
謙信は栖吉で生まれたという伝承はないが青岩院が亡くなったときの伝承は長岡に多い。
花ヶ前盛明氏著『上杉謙信と春日山城』から抜粋させていただくと、
●栃尾市常安寺が天文17年に焼失し同19年に再建の入仏供養がおこなわれたがそのとき虎御前が招待されたという。
●伝承によると、虎御前は夫の死後、四人の侍女と剃髪して庵を営み、夫の菩提を弔った。この寺が長岡市雲出町の香林寺であると。
●また栃尾に正覚庵というお寺があった。謙信の師である文察和尚の隠居寺である。虎御前が亡くなったとき和尚自らお骨をこの寺に埋葬したという伝承もある。吹谷に寺跡のみが残っている。などである。
青岩院はやはり栖吉と関係が深い様に感じるし、古志長尾が常に謙信バックアップをし、一族筆頭だったことを思えばやはり古志長尾の姫だったと考えたいと思う。
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栖吉城主長尾顕吉の娘というのが一般的だが、栖吉城主である古志長尾家でこの年代の当主は長尾孝景であり、主君上杉房定が没した後彼も引退し息子の房景に譲っている。この年代に長尾顕吉の入り込む隙間なく、彼は上田の坂戸城主であると前の時に力説し、『上杉御年譜』には栖吉城主肥前守長尾房景の娘とあり、肥前守は豊前守の誤りで彼の子供ではないかとしたのだが、竹俣で生んだとなれば実家か？と推測でき上田坂戸城主長尾肥前守顕吉でもいいような気がしてこなくもない。
なので青岩院についてもう一度考えてみたいと思う。
謙信公の産湯の泉は地元伝承のようだが、竹俣村はどこかで見たと思い探してみると吉田東吾の大日本地名辞書に書いてあった。（参照P281【三条】の項）
曰く「長尾景虎、為景の四男なり、享禄3年庚寅歳寅月寅日を以て蒲原郡三条に生まる。幼名虎千代と曰ふ、母は古志郡栖吉城主肥前守長尾顕吉女也。」
或は曰く「享禄三年八月十五日魚沼郡竹俣村に生る。」
上杉家に伝わる所は「春日山に生る」と曰ふ…諸説一定せず、だそうだ。その中でも三条城が確説となすと説いている。南蒲原郡加茂町青海神社祠宮古川氏の旧記に三条城で生まれると載っているそうなのだ。その傍証として当時の世情をあげている。
謙信の生まれた1530年は越後享禄・天文の乱いわゆる上条の乱の勃発年である。
永正10年（1513年）に長尾為景の傀儡となることを良しとせず宇佐美房忠とともに越後守護上杉定実が為景打倒の行動を起こし、春日山にはいるも「刷を以て相違なく上様を引出し申し、御供を致し帰府せしめ候。今夕、為景の堀内へ移し奉り」と定実を幽閉、房忠は討死。怒りに震えていたと思われる定実の実家上条定憲が1530年挙兵した。こんな背景の中の出産なのである。
この大日本地名辞書には為景が持っていた城は三つあり、府内春日山城、本拠である三条城、栖吉城と書いてある。栖吉は古志なのでたぶん蔵王堂城のことではないかと思うのだが？？？（長尾能景が古志長尾の房景（丸）が幼いのを理由に大島はこちらで管轄するという書状があるし、顕定越後侵攻の時房景は顕定側に付き蔵王堂を攻撃している事から）とにかく府内には定実がいるので三条城で出産した可能性が高いとしている。「為景剛強なるも春日山に安眠する能わず多くは栖吉或いは三条に居り、云々」とあり、先に書いたように蔵王堂城の間違いかもしれないが、栖吉の姫を貰ったのだとしたら婿殿として我が物顔で栖吉にいたのかもと考えることもできる。これに関しては北越軍記を参考にしているようで信憑性はわからない。
享禄3年庚寅歳寅月寅日生まれも、1530年1月21日で庚寅年戊寅月壬子日だそうで三寅にはならなかったようだ。まあ寅刻生まれかもしれないけれど。竹俣村にいたっては8月15日生まれということでどこから出てきた日付なんだと思うわけで。これが本当だとして毘沙門天の生まれ変わり（聖徳太子が物部討伐の遠征中の寅年寅月寅日寅刻に戦勝を祈った所、毘沙門天が現れ作戦を授け勝利したことによる信貴山朝護孫子寺や鞍馬寺の縁起などから）に合わせるために月日を改竄した可能性もあるがそれなら壬子もあわせてやれよと思うし、どれもこれもイマイチな感じだが実家で生むと言うことに関して言えば竹俣村が面白い。栖吉の姫なら栖吉で生んだ伝承があっても良さそうだが今のところないようだ。
父に名が上がっている長尾肥前守顕吉、長尾肥前守房景の共通項は栖吉城主となっているところと肥前守だが肥前守房景は普光寺文書等から上田長尾で年代から顕吉の父と推定でき、顕吉も又普光寺文書や上杉文書などで上田関係の書状が主なことから上田当主であると言える。（金沢鋭夫著上杉謙信の中で長尾新六が下向したことで不慮の事件が起こったとき、長尾長景・為景から長尾肥前守へ誓書を送っている。この新六は上田房長のことであるから肥前の守は房長の父であると考えられる。というのが載っていた。これも顕吉、上田説の傍証にしたい。）顕吉は父となりえても肥前守房景は文明頃の人なので父とはなりえない。
残る長尾房景は栖吉城主長尾豊前守房景だが為景、房長と同年代の人である。大体1485年～1495年の間に生まれた人たちと推定できる。
青岩院は永禄11年5月7日に亡くなったという。57歳であったらしい。逆算すると1512年生まれということになる。謙信が生まれたのが1530年なので18歳の時の子供。15・6で嫁にいったとすると、房景が20代前半頃の子供となり、40歳前後で嫁に出したと計算できる。房景その人を見てみると、1495年幼くして家督を譲られる。1498年には丸で書状が出ていてまだ元服前、永正元年（1504年）あたりで弥四郎房景と名乗り元服。13歳～15歳で元服が一般的らしいので1490年前後に生まれたと思われる。彼が父であってもおかしくない計算だ。顕吉が父だとしたら40歳前後の晩年の子ということになるのだろうか。
以上から虎御前の父はこの二人に絞り込みたいと思う。顕吉の子として上田長尾に生まれたのか、房景の子として栖吉に生まれたのか。
彼女が生まれた1512年は永正の乱が終わり、府内、栖吉、上田の三っつの長尾が手を組んだ蜜月時代だ。先に書いたように永正10年（1513年）守護上杉定実が春日山に立て籠もったが為景に引き出され府内の為景の屋敷に幽閉されてしまったとき、守護方は上田を攻めたが為景は房景をはじめ大軍をもって房長を救援にゆき永正11年六日市（六日町）で殲滅戦がおこなわれたという。守護方の中心であった宇佐美房忠もこの年、唯一逃れた宇佐美定満以外一族郎党滅んだと伝えられている。
では青岩院がお嫁に行き、謙信が生まれた頃の1530年前後はどうだったのだろうか。
永正15年頃から越中侵攻が始まり栖吉の長尾房景に了解と出兵を求め、房景はこれに答えている。永正18年（1521年）「一向宗禁制」の文書がだされているが、これは石川景重・千坂景長・斎藤昌信・毛利広春・長尾憲正・長尾房景・長尾景慶の奉行人の連署で公布されたものだという。房景だけに花押がないらしいが、為景政権のなかの中枢として活動しているのがわかる。
上田の方はどうだろうか。長尾顕吉の文書は永正8年（1511年）あたりまでであとは房長と交代する。関東管領上杉顕定の書状にも上田の房長に相談するようにというのがあるらしく永正の乱前に房長が第一線にでていたということになるのだろう。越中戦前後の房景は為景政権の奉行衆だったらしいが、房長をみると、当時の懸案であった越中戦にも彼の名はなく為景政権とは一線を引いていたのではないかと思われる。力を蓄えていた時期でこの頃から上田の被官が増えていると前に書いたが永正13年の乱での守護方中心人物宇佐美房忠の遺児宇佐美定満にも知行を与えている。越中侵攻などで疲れてきた国内を感じて享禄3年（1530年）上条定憲がいわゆる上条の乱をおこすのだが為景は速攻鎮圧、まだ房長は動いていない。彼は1533年の上条の再乱の時に定憲方につき為景を引退に追い込むのである。
この二つを見ると栖吉長尾はずーと為景側で為景も信頼を置いているようだ。この時期上田よりも古志側と姻戚関係にあったと見る方が自然な気がする。房長が年の離れた妹を嫁にやったとするとその割には繋がりが薄い感じがするのだ。
背景を見ていく限りやはり栖吉の姫に軍配をあげたいと思う。それに色々書かれた系図でもその父の名前はともかく栖吉の姫は共通項なのである。
ではなぜ栖吉肥前守顕吉の娘というどっちかにしてくれと言うような混同がおこり、謙信は竹俣村で生まれたという伝承があるのだろうか。しかも8月15日というどこからでたのかという日付。（ちなみに房長は8月15日亡くなっているらしい）で考えてみた。青岩院そのひとが母の実家である竹俣村で8月15日に生まれたのではないか。つまり上田肥前守顕吉の娘が母で古志弥四郎房景が父なのではと。顕吉の妻は尾崎（泉）左近持重の娘だという。房景の妻も泉氏娘？との噂もある。どれだけ嫁に出しているんだ泉氏と思わなくもないので房景が顕吉と泉氏の間に生まれた娘を妻にしたことで混同が起きたとは考えられないだろうか。青岩院が生まれた前後は古志家と上田家は蜜月時代、嫁に出してもおかしくないと思うのだが。「顕吉娘が母が顕吉娘」になってしまったみたいな。よく政景と謙信はいとこというのを目にするが従兄弟は母青岩院なのではと言ってみる。まあ妄想ですが。
妄想系図こんな感じ？謙信は栖吉で生まれたという伝承はないが青岩院が亡くなったときの伝承は長岡に多い。
花ヶ前盛明氏著『上杉謙信と春日山城』から抜粋させていただくと、
●栃尾市常安寺が天文17年に焼失し同19年に再建の入仏供養がおこなわれたがそのとき虎御前が招待されたという。
●伝承によると、虎御前は夫の死後、四人の侍女と剃髪して庵を営み、夫の菩提を弔った。この寺が長岡市雲出町の香林寺であると。
●また栃尾に正覚庵というお寺があった。謙信の師である文察和尚の隠居寺である。虎御前が亡くなったとき和尚自らお骨をこの寺に埋葬したという伝承もある。吹谷に寺跡のみが残っている。などである。
青岩院はやはり栖吉と関係が深い様に感じるし、古志長尾が常に謙信バックアップをし、一族筆頭だったことを思えばやはり古志長尾の姫だったと考えたいと思う。
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