タンクバルブのオーバーホールをしました。普通タンクバルブなんて分解することはありません。タンクに空気が入っていたらダメなので、分解するとしたら耐圧検査のとき。僕がお願いしているお店では耐圧検査の時に合わせてバルブを分解・超音波洗浄してくれる(ことになっている)ので自分で分解するなんてことはありませんでした。
にも関わらず(?)、ハンドルを回す時の抵抗がとても大きいバルブが1つあった。内部のパッキンが劣化しているだろうと思っていたので、今回オーバーホールすることにしました。タンクバルブについては分からないことが多かったので、普段タンクバルブのメンテナンスもしているエアーチャージのお店の方にいろいろ教えていただいた。

タンクから外れているバルブはこんな感じ。

ハンドルは簡単に外れます。ここの金属部分のナットを外す。

特殊な形状をしているので、こういう形のドライバーを使って外します。

こんな感じにハンドル部分は分解できます。特殊形状のナットを外すとスプリングが外れて、ハンドルと内側にある座金も外れる。ここまではタンクの中に空気が入っていても分解可能。ハンドルのみが壊れてしまったときなんかはタンクに付いたままこのように分解してハンドルを変えればOK。
さて、ここからが本番。以降、タンクに空気が入っている状態で触ってはいけません。200気圧の空気は人を殺し建物を破壊する威力を持っています。とはいえ、万が一空気が入っている状態で分解しようとしてしまっても、最初の症状はエア漏れで、エア漏れもないところからいきなりパーツが銃弾のように飛んで行くようなことはありませんが。

内部の部品を支えているグランドナット。塩噛みがひどくて外れない。僕が持っている簡易的な卓上万力ではダメだったので、タンク屋さんに外してもらった。

グランドナットがようやく外れた。白のパッキンを介して、バルブステム、ケレップの順に外れる。

パッキン。左が使用後、右が新品。劣化してくるとパッキンが引き伸ばされて薄っぺらになってグランドナットとバルブステムの間に貼り付いて、ハンドルを回すのに力が必要になってくる。
このバルブはとても硬くなっていたのでパッキンが劣化していると思っていたのだけれど、パッキンは全然大丈夫。バルブが硬い原因は塩噛みでした。グランドナットとバルブステムの間の塩噛み。塩噛みは洗浄で解消されるので今回はパッキンの交換は必要なし。

パッキンとバルブステムとケレップはこんな感じで組み合っています。ハンドルを回すとバルブステムが回り、組み合っているケレップが回る。

ケレップの当たり面、ケレップシート。左が使用中で右が新品。樹脂でできています。これがバルブ本体と密着してタンクからの高圧の気体を止めている。密着している部分は丸く痕がついています。これも消耗品で、だんだんとこの丸い跡が深くなっていって変形が大きくなってくる。今回のケレップシートは「まだ新品同様だね」って言われたくらいで、まだまだ使える。

バルブ本体側の当たり面。奥の丸い部分にケレップシートが当たっています。

もちろんOリングは外す。
タンク側の大きい方のOリングの規格はP-26
これは旭バルブなのでレギュレーター側のOリングの規格はP-12.5
ハマイバルブであればP-11と一回り小さい。
これはダイビング高圧ガス保安協会のホームページにも載っています。
http://www.diving-gas.org/html01/mainte03.html
注意点は、タンク側のOリングの硬度が90と硬いこと。その辺に売っているOリングは硬度70なので、大きさだけ合わせて買うと硬度不足になってしまう。

目に見えるOリングの他に、ボルトの内側にもOリングが入っています。バルブステムと当たるようになって、空気を遮断する役割を果たしている。「業者でもこのOリングのこと知らない人多いんだよ」って言いながら教えてくれました。自分でサイズを測ったところ、Oリングの規格はおそらくAS568-010かと思われます。セカンドステージにつなぐ中圧ホースの内側に付いてるOリングと同じ規格。

ただ1つ残ったのがこのボルト。これは、容器内の圧力が高すぎた時に穴が空いて外に空気を逃がす安全弁。オーバーホールするときもここはこのままで良いよって教えてもらったのでそのままにしておきます。個人的には、酸洗浄する前にできるだけ分解しておきたいのだけれど、今回はそのままで。安全弁にもパッキンは使われているけれど、ここは動かす場所ではないのでエア漏れがなければ交換の必要はなさそう。

分解完了。バルブの仕組み自体は簡単です。

金属部品は相当塩噛みしています。緑青もある。
この後、酸洗浄して徹底的に塩噛みを落としていきます。

洗浄後。塩と緑青は完全に落とし、ピカピカになりました。
後は分解と逆の順番で組み立てるだけ。

注意点は1つだけ。パッキンにはステム側とグランド側に付いた痕が違うので、組み立てる時も向きを間違えないように組み立てる。反対側にするとエア漏れの原因に。新品パッキンには裏表はないのだけれど、一度組み付けると痕がついてしまうので、再利用するときは向きが重要になります。

組み立て完了。単純な作りなので簡単。バルブボディは他の器材と違って頻繁な手入れは必要ないけれど、ハンドルを回すのに力が必要になってきたらメンテナンスしても良いかなと思いました。
にも関わらず(?)、ハンドルを回す時の抵抗がとても大きいバルブが1つあった。内部のパッキンが劣化しているだろうと思っていたので、今回オーバーホールすることにしました。タンクバルブについては分からないことが多かったので、普段タンクバルブのメンテナンスもしているエアーチャージのお店の方にいろいろ教えていただいた。

タンクから外れているバルブはこんな感じ。

ハンドルは簡単に外れます。ここの金属部分のナットを外す。

特殊な形状をしているので、こういう形のドライバーを使って外します。

こんな感じにハンドル部分は分解できます。特殊形状のナットを外すとスプリングが外れて、ハンドルと内側にある座金も外れる。ここまではタンクの中に空気が入っていても分解可能。ハンドルのみが壊れてしまったときなんかはタンクに付いたままこのように分解してハンドルを変えればOK。
さて、ここからが本番。以降、タンクに空気が入っている状態で触ってはいけません。200気圧の空気は人を殺し建物を破壊する威力を持っています。とはいえ、万が一空気が入っている状態で分解しようとしてしまっても、最初の症状はエア漏れで、エア漏れもないところからいきなりパーツが銃弾のように飛んで行くようなことはありませんが。

内部の部品を支えているグランドナット。塩噛みがひどくて外れない。僕が持っている簡易的な卓上万力ではダメだったので、タンク屋さんに外してもらった。

グランドナットがようやく外れた。白のパッキンを介して、バルブステム、ケレップの順に外れる。

パッキン。左が使用後、右が新品。劣化してくるとパッキンが引き伸ばされて薄っぺらになってグランドナットとバルブステムの間に貼り付いて、ハンドルを回すのに力が必要になってくる。
このバルブはとても硬くなっていたのでパッキンが劣化していると思っていたのだけれど、パッキンは全然大丈夫。バルブが硬い原因は塩噛みでした。グランドナットとバルブステムの間の塩噛み。塩噛みは洗浄で解消されるので今回はパッキンの交換は必要なし。

パッキンとバルブステムとケレップはこんな感じで組み合っています。ハンドルを回すとバルブステムが回り、組み合っているケレップが回る。

ケレップの当たり面、ケレップシート。左が使用中で右が新品。樹脂でできています。これがバルブ本体と密着してタンクからの高圧の気体を止めている。密着している部分は丸く痕がついています。これも消耗品で、だんだんとこの丸い跡が深くなっていって変形が大きくなってくる。今回のケレップシートは「まだ新品同様だね」って言われたくらいで、まだまだ使える。

バルブ本体側の当たり面。奥の丸い部分にケレップシートが当たっています。

もちろんOリングは外す。
タンク側の大きい方のOリングの規格はP-26
これは旭バルブなのでレギュレーター側のOリングの規格はP-12.5
ハマイバルブであればP-11と一回り小さい。
これはダイビング高圧ガス保安協会のホームページにも載っています。
http://www.diving-gas.org/html01/mainte03.html
注意点は、タンク側のOリングの硬度が90と硬いこと。その辺に売っているOリングは硬度70なので、大きさだけ合わせて買うと硬度不足になってしまう。

目に見えるOリングの他に、ボルトの内側にもOリングが入っています。バルブステムと当たるようになって、空気を遮断する役割を果たしている。「業者でもこのOリングのこと知らない人多いんだよ」って言いながら教えてくれました。自分でサイズを測ったところ、Oリングの規格はおそらくAS568-010かと思われます。セカンドステージにつなぐ中圧ホースの内側に付いてるOリングと同じ規格。

ただ1つ残ったのがこのボルト。これは、容器内の圧力が高すぎた時に穴が空いて外に空気を逃がす安全弁。オーバーホールするときもここはこのままで良いよって教えてもらったのでそのままにしておきます。個人的には、酸洗浄する前にできるだけ分解しておきたいのだけれど、今回はそのままで。安全弁にもパッキンは使われているけれど、ここは動かす場所ではないのでエア漏れがなければ交換の必要はなさそう。

分解完了。バルブの仕組み自体は簡単です。

金属部品は相当塩噛みしています。緑青もある。
この後、酸洗浄して徹底的に塩噛みを落としていきます。

洗浄後。塩と緑青は完全に落とし、ピカピカになりました。
後は分解と逆の順番で組み立てるだけ。

注意点は1つだけ。パッキンにはステム側とグランド側に付いた痕が違うので、組み立てる時も向きを間違えないように組み立てる。反対側にするとエア漏れの原因に。新品パッキンには裏表はないのだけれど、一度組み付けると痕がついてしまうので、再利用するときは向きが重要になります。

組み立て完了。単純な作りなので簡単。バルブボディは他の器材と違って頻繁な手入れは必要ないけれど、ハンドルを回すのに力が必要になってきたらメンテナンスしても良いかなと思いました。