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distan日誌(旧)

2010/02/14 livedoorに引越しました。

県庁の星

2006年04月09日 | 映画・か行



織田に焦点を当てれば、「挫折と再起」「価値観の転換」がテーマの物語。
見どころとなるのは、織田と柴崎との間で飛び散る火花。
それが、和解・融合へと変わっていくストーリー展開は、ま、ありきたりといえば、ありきたりでしょうか。
でも、映画としては、なかなか良いつくりになっています。

つっこみどころは、織田を中心に開発した「祝い膳」が、なぜ売れるようになったのかが、はっきり説明されていなかったこと。
いったん、うち捨てられた「組織論やマニュアル」が、そこでは、いつのまにやら、復活しています。
CS(顧客満足)的観点を融合させたハイブリッド型の手法で、問題を解決したということ?

最後のヤマ場である消防の査察の緊迫感は、心地良いものでした。
「消防の査察」という、映画的には、地味なシチュエーションに、ドキドキ感を抱かせるところは、何とも、コミカルな味わい。

ちなみに、高くそびえるピカピカの県庁は、2000年に竣工した香川県の新庁舎。丹下健三が設計した21階建て。
展望ロビーは、本当に、コーヒー飲めるようになってるんでしょうか?


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交渉人 真下正義

2005年05月14日 | 映画・か行


「踊る大捜査線」のスピンオフ(脇役やサイドストーリーをもとにした)作品。正直、面白かった。映像のスピード感、テンポはなかなかのもの。撮影には、クレーンたくさん使っているようだし、まるでハリウッド映画のような演出でした。あざといと言おうか、造り込みが丁寧です。エンドロールで、カラス調教・○○と名前が出てきた時には、そこまでやるか、と思いました(笑)。

謎解きも、それほど鮮やかというわけではないし、第一、交渉人が、「言葉ゲーム」はしていても、「交渉」は、してないんじゃないのかなぁ。でも、ユースケ・サンタマリアの、あの、のほほんとした独特のキャラが、まっいいか、という気にさせてしまいます。

 (ここからは、ネタバレ注意)
 地下鉄の新型車両暴走の話から、ホール爆破の話への展開が、強引といえば強引?よくわからなかったのは、爆弾処理班が処理していたのは、爆弾ではなく、起爆装置?爆弾は、カエル急便の中?どうして新型車両クモから爆破の信号を送らなければならないのか?まぁ、わからないこともいろいろあるけれど、エンターテーメントとして退屈せず、楽しめたので、満足です。

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コラテラル

2005年04月30日 | 映画・か行


DVDで観ました。とても面白かった。映像のテンポ、ストーリー展開のテンポが心地良かったし、ロサンゼルスの夜景も、きれいでした。

派手なカーチェイスがあって、ピストル、バンバン撃って、人がバタバタ死ぬ、単なる「アクション映画」かと思ったら、ちょっと違います。登場人物の心理描写が秀逸。タクシー運転手のマックス(ジェイミー・フォックス)の、トホホ感と、腕利きの殺し屋ヴィンセント(トム・クルーズ)の虚無感。そして主役二人の間に生じた微妙な心理の綾が、見事に描かれていました。

(ここからは、ネタバレ注意)
理不尽なことに巻き込まれた、気の毒なマックス。(ちなみにコラテラルとは、「巻き添え」という意味だそうです)一見、凡庸にも見える彼が、徐々に成長を遂げ、最後には勇気を振り絞って、女性検事アニーを救おうとする姿に、共感を覚え、魅了されました。

これまで恐らく完璧に仕事をこなしてきたヴィンセント(トム・クルーズ)ですが、今回は、マックスとの出会いによって次々と誤算が生まれ、最後には死を迎えます。そこで彼は、自らの死を、「これでいいんだ」と素直に肯定します。彼は、自分の哲学に生き、そして死んだのです。

たった一晩のうちに起きた出来事を追っていますが、「人間」がきちんと描かれている奥の深い作品だと思いました。

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恋は五・七・五!

2005年03月20日 | 映画・か行


タイトルから想像されるような「駄作」ではありません。観終わって、すがすがしさが残る青春コメディということでは、十分楽しめました。それにしても、タイトルは、もうちょっと、どうにかならなかったのかなぁ。シンプルにして秀逸なネーミングってありますよね。「お葬式」とか「みんなの家」とか「のど自慢」とか……。この作品の場合、タイトルで、ずいぶん損していると思います。(「駆け抜ける 青春恋は 五七五」という句の一部だということは、最後に、ようやくわかるんですけどね)

最初のうちは、気が進まない主人公が、だんだん面白さにのめり込み、最後は……。そんなストーリー展開は、確かに、ありきたりといえばありきたり。古くは、「シコふんじゃった。」から、「ロボコン」、最近では「スウィングガールズ」と。でもまぁ、安心して見てられるというところもありますね。

ちょっと勝ち気な主人公の帰国子女や不思議系ウクレレ少女、万年補欠野球部員など、チームの五人は、それぞれキャラが立っていて、いい味出してたし、彼らをまとめる教師役の杉本哲太の頼りなさ気なところも(単なる熱血教師じゃなくて)良かった。一番面白かったのは、対戦相手の強豪校チームの生徒のキャラ。特にリーダー役は、「ユリオカ超特Q」ご本人かと思ってしまいました。

突っ込みどころとしては、舞台となる高校の周囲の風景が、どうみても、静岡じゃないなぁと。海に島が浮かんでるのは、抵抗ありました。これ、誰が見たって、瀬戸内の風景ですよね。製作費足りなかったのかなぁ……。


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北の零年

2005年01月16日 | 映画・か行


封切日に、レイトショーで観ました。たぶん評価は分かれると思いますが、個人的には、十分、満足です。

リアリズムの視点で見ていくと、突っ込みどころはたくさんあるのですが、(サラブレッドを農耕馬にしてるとか、吉永さんの顔が、どんな場面でも、お化粧で白いとか)時代の流れに翻弄される人々の人間模様としては、とてもよくできていました。

体制や時代が大きく変わる時、必ずひどい目に遭う人が出てきます。試合の途中で、ルールを変えるな!と思わず叫びたくなるような理不尽さ、無念さ。登場人物たちのそんな思いが、通奏低音のように、ずうっと響いていました。

山場のつくり方も、なかなか巧みでした。石原さとみが、渡辺謙に向かっていく場面では、不覚にも涙が……。韓流モードに入っているせいか、ベタな演出に抵抗がない自分にもびっくりしています。

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解夏

2005年01月04日 | 映画・か行


夏が終われば、失明するという運命にさらされた青年の物語。原作は、さだまさし。予告編のキャッチ、「愛しているから別れない。愛しているから別れる。」まぁ、そのせつなさは、わかるんですけど。「セカチュー」や「いまあい」と比べると、その切実さには違いがあるような気がします。同じ「喪失」でも「命を失うこと」と「視力を失うこと」では、だいぶ違うんじゃないかなぁ。

あれっと思ったのは、「雨」の扱い方が、似通っていること。3作品とも、必ずサビのところに、雨のシーンが入っていますよね。それから、もう一つ。「セカチュー」の写真館の主、「いまあい」の野口先生、「解夏」の郷土史家。この人たちの作品の中でのポジションも、よく似ているような気がします。自分の人生経験をもとに、良きアドバイザーとして、主人公を暖かな眼差しで見守る。作品によって軽重はあるけれど、まぁそんな位置づけかな。

パーツが似ているという点では、「難病」もそう。白血病だったり、ベーチェット病だったり「いまあい」の巧は、脳内化学物質の分泌異常?パニック障害?(詳しくは、わかりません)

徹底的に違っていたのは、「セカチュー」と「いまあい」では、高校時代の回想シーンのボリュームが大きかったこと。「解夏」では、その部分が、十分に描かれていなかったような気が……。学生時代の大沢タカオと石田ゆり子との回想シーンが、もっとあれば、よかったのになぁと個人的には思います。でも、もちろん素敵な映画でした。



追記(2005.5.1)
先頃、TVで「解夏」が放送されたことで、この記事へのアクセス数が、一時、膨大な数にのぼりました。よその方のブログの中にも、「解夏」についての感想が、多く見受けられます。そんなブログの一つに、もしかして私のブログに言及されているのではないかと思われる記事に遭遇しました。(もしかすると思い過ごしかもしれませんが……)そこには「健康でいられることに、いささかの危惧も懸念も持たない鈍感さと、その堂々たる不遜さに、ただただ驚いてしまった」という意味のことが記されていました。
私は、「死ぬことに比べれば、失明の恐怖は、取るに足らぬものだ」などとは、決して思っておりません。
ここでいう「喪失」とは、「大切な人を失うという意味での喪失」。つまり、自分自身ではなく、「後に取り残された者」の視点での「喪失」です。たとえ、身体の機能を失ったとしても、それでも生きていてほしい。そんな気持ちの表れであることを、どうぞお汲み取りいただければと思います。私の言葉足らずにより、誤解を招いたとしたら、申し訳ありません。