ぢえかすブログ

       

過剰なまでの北への防御

2006-08-24 05:00:52 | 団地ほか建造物
一昨日、荻窪団地を見てきました。
この団地にはちょっとした特長がありまして、
単身者用の住戸があるのと、
その建物が団地北側に、まるで城壁のごとく存在しているということです。

通常、団地の個々の建物は、南側にベランダ等を設け開放的なつくりに、
北側に玄関、及びそれに通じるアプローチ(階段等)を設け、
そして窓を小さめにした少し閉鎖的なつくりになっています。

ところが、昭和40年代前半くらいまでと思うのですが、
それまでに建てられた団地の中には、
団地の一番北側に面している建物のみ、
通常のつくりとは違って、玄関及びそれに通じる階段等を
南側に設け、北側は窓も小さく少なくし、
極力開口部を減らしたつくりになっているものが存在します。

これは、僕の推測ですが、
団地の北端は北風とそれが運ぶ土ぼこりなどの影響を
もろに受けるため、前述のようなつくりになっているのではないでしょうか?
韓国には超高層の団地群が点在していますが、
そのどれにも見られる特長として、
バルコニーが無いということがあげられます。
と申しますか、バルコニーも窓で覆われていると言った方が正しいのでしょうか。
これは、中国から来る黄砂対策とのことです。
日本の場合、黄砂の影響はほとんど無いでしょうが、
昭和40年代くらいまでは、道路の舗装率も低かったでしょうし、
新しく団地が建てられる場所の近辺には、
まだまだ、田畑が多く存在していたでしょうから、
先のような方法が取られていたのではないかと思うのです。

さて、話しは荻窪に戻りますが、
この荻窪団地の場合、
北側に単身者用の建物があるのですが、
まるで城壁のように横に長く建てられているのです。
それは、北からの攻撃に対する防御の為なのでしょうが、
あまりにも過剰な防衛に見てとれるのです。
そこがこの団地の特長であり、
面白いところでもあるのです。

しかし、建物も老朽化が進み、
団地の中心部はもうすでに居住者が退去し、
工事用の囲いが作られ、
立て替えのため、取り壊し作業が開始されようとしていました。
団地マニアの僕にとっては、
古い団地が取り壊されてしまうことは、
寂しいことです。

★今日の一曲★
La Reine De Saba / LE GRAND ORCHESTRE DE PAUL MAURIAT

♪シバの女王(ポール・モーリア・グランド・オーケストラ)です。
まぁ、賛否・・・いやっ、否定の人が大多数と思いますが、
なぜか、この建物を見てこの曲が浮かんだので。
オリジナルはMichel Laulent(ミッシェル・ローラン)が、
1967年に歌った自作のシャンソン曲だそうです。
恋する人を旧約聖書にあるシバの女王にたとえたこの曲は、
1969年には日本でもヒットしたそうですが、
僕的には、ポール・モーリアの印象が強いですね。
よく小学生の頃、親と喧嘩した時に、
部屋に引きこもって、
泣きながらこの曲(だけではなくポール・モーリア)を聴いた憶えがあります。♪
コメント
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