ツイッターであるブログ記事に反証を出しました。そのまとめです。
1-25 すみません、これから大量連投します。
「震災瓦礫や放射能について熊本一規・明治学院大学教授の講演を箇条書きでまとめた」
というページ http://p.tl/S94f を見てしまった。。
ちょっとひどいので反証出します。
全25。箇条書きで各ツイほぼ一つ独立してます。
2-25 「瓦礫の中身は、本来、産業廃棄物となる。」←産業廃棄物とは事業に伴って排出される廃棄物のこと。災害でダメージ受けた住宅や家財が「本来産業廃棄物となる」って全く脈絡がない。産業廃棄物は排出者に処理責任があるが、津波被害でも事業主の責任で処理しろと?
3-25「産業廃棄物ならその量は約1年分になる。家庭用のゴミとして換算するからおかしい。」←産廃に換算するのがまずおかしいが、仮にそうとして、国内産業全部ストップして被災材一斉処理すれば1年で片付くって言いたいわけか。国内産業毎年1/10止めて10年かかる。
4-25「いかに広域処理が根拠なく進められているか。」←これ言ってる人が理解してないだけ。広域処理は昔から一般ごみでも普通にやってること。放射能が不安だっていうからわざわざ処理基準作って細かく測定して手間かけてるが、結果的に圧倒的に基準値以下だから何の問題もない。
5-25「原発事故後に安全基準が80倍も緩められた。」←これ単に基準概要の読み違い。嘘です。
6-25「産業廃棄物を一般ゴミとして処理することに。」←津波で家や家財道具一式失った人に「産業廃棄物」なんて面と向かって言えるか?
7-25「瓦礫の広域処理は、放射能の拡散である。」←広域処理される被災材に放射能は「実質ない」。ないものを拡散することにはならない。
8-25「本来は、閉じ込める集中管理が大原則である。」←放射能が「実質ない」ので放射性物質の取り扱いのルールは関係ない。
9-25「その大原則に大きく反する拡散政策をしている。」←原則が該当しないので反することにはならない。
10-25「普通の掃除でも、集めるのが常識である。」←広域処理は普通のごみ処理でも常識的に行われております。
11-25「今、やっているのは、掃除したゴミのばらまき。」←複数個所で処理することの何がばらまきなのか。あと、閉じ込めとか外に出すなって、それは被災地に閉じ込めとけって言ってるってことだけど、言ってることわかってるか?そこに住んでる人がいるんだけど。
12-25「~これは明らかに、利権をめぐっての発言だった。」←という話に根拠は一切ないので無視していい。処理にはお金がかかって当然、つまりお金のやりとりが発生するのは当然。それが適切かどうかは詳しく内部精査しないと評価できないはず。何でも容疑かければいいってもんじゃない。
13-25「仙台市はすべて地元で処理をすることに。既存の産廃ルートを使い、スムーズに処理。他の自治体も同じようにすれば安く処理できた。」←仙台と三陸の土地事情がどんだけ違うか一回行けば一目でわかるよ。同じようにできるならやってる。できんから「現地からSOSが来た」んだろうが。
14-25「水俣病の原因は水銀だが、水質汚染に限定。」←2011年のレベルの科学的根拠を、何十年前か知らん水俣病と一緒にするなよ。世界中の科学関係者バカにしてることになる。
15-25「8000Bqを超えるものは、特定廃棄物に。」←「Bq」の単位の意味が理解できてなく、「Bq」と「Bq/kg」の違いをちゃんと使い分けできない人の書き方。こういうの情報としては誤解広げる人の書き方です。
16-25「現在は、8000Bq以上を焼却する実験中。焼却灰は、だいたい33倍に濃縮されてしまう。」←濃縮の意味わかってるか?灰になったら単に総体積が小さくなるだけ。あと震災被災材は焼却して10~30倍に濃度が上がっても、せいぜい高くて1000Bq/kg以下。大概は100Bq/kg以下。
17-25「濃度が高くても、薄めれば大丈夫だと言う。」←濃度が高いことで危険だっていうんなら、濃度が低くなれば危険じゃなくなるわけだ。なら薄めれば大丈夫でしょ。濃度が高いことが問題なのか、濃度は関係ないのか、言ってる本人が理解してない。
18-25「チェルノブイリでは、1ミリ以上は移住を補償。」←こういう書き方で、読み手に誤解なく情報を伝える意識が全くないことは明らか。正確に書けよ。チェルノブイリの場合は「年間の追加被曝量(×空間線量)が1ミリを超える可能性があるところは移住補償、ベラルーシが事故5年後の'91年に制定」(続)
19-25(続) 福島県の警戒区域を除けば、事故2年後の現在で年1ミリ以上被曝する人はほとんどいない。従ってベラルーシ基準は現状当てはまらない。年5ミリ以上は強制移住っていうのも同じ話。福島県民さんで被曝量5ミリ以上の人は今はほぼいない。ちなみに国際線のCAさんは約6ミリ/年とか。
20-25 「なぜ住民を帰すのか。それは除染するため。」←全く違う。住民の方が帰れるとこには帰りたいからに決まってる。線量が下がってるところはなるべく早くに立ち入り可能にしていくのは当たり前。
21-25 「帰還推進と除染推進と瓦礫拡散はワンセット。」←こんだけ根拠のデタラメな話でよくもまあきれいな陰謀論を創作したな。フィクション小説でやってくれ。
22-25 「住民が帰還を拒否すれば、除染の必要なし。」←住民のみなさんはあんたらの都合で帰るかどうか決めるわけじゃないよ。たとえ年100ミリでも住み慣れた家がいいって人もいるわけだから。
23-25 「北九州市でも受け入れる瓦礫がないからと言って、ほとんど処理しないままお金だけもらって受け入れが終了したんです。」←北九州市の処理量は2万2400t。当初の予定よりは少なくなったけど、これは大嘘。予定より少なくなったのは外野が地元でやれっつって騒いだからだろ。
24-25 「受け入れる瓦礫が残ってない! 」見てこいよ。まだまだあるよ。あとは地元で頑張ってできそうです、他所様に迷惑はかけませんから、って現地側が言ってきてるだけで、それは手伝うことが残ってないという話ではない。
25-25 「将来、僕たちの生活が脅かされないように、しっかりと管理できる方法を考えるべきでしょう。」つまり被災地に押し付ける方法を考えること=(被災地の大変な実情とは無関係でいたい)僕たちの生活が脅かされないこと、ホンネが出ましたね。
「衝撃の話ばかり!」
ちなみに、このツッコミに対しブログ主が反論を出してきてるので、
推移を見守ろうと思ってます。
国の姿勢を水俣病の事例を用いて説明しているだけであり、内容を一緒にはしていないよね。
「ツッコんでいる」つもりだろうけど、ツッコミたらんし、一部をみただけで、その背景や周りまでは理解できんよ。
地元民は正常性バイアスに陥っているし。
政治は大の虫も小の虫も活かすことだけど、それにも限度があって万能じゃないんだよ。だから、感情的批判を受けながらも、粛々と進めていかないといけないんだよ。
郷土愛の強い地元民の選択を「地域エゴ」という言葉でかたずけちゃいけないんだから、誰かが満足する選択肢じゃなくてさ、誰もが納得、あるいは同意を得られる選択肢を模索した方が建設的じゃねえのかな?